[第三十五話、続・炎姫]

[第三十五話、続・炎姫]

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「ふわぁぁぁ〜昨日はマジで疲れた」


まだ寝足りない感はあるが隣でスヤスヤと眠るホッパーを起こし帰る支度を済ませレイラとローザさんと待ち合わせているロビーに向う


「おはようさ〜ん、ふわぁぁぁ〜」


「おはようってなに朝からデッカイあくびしてんのよ」


「昨日は疲れたなーと思ってな」


「アンタが一番なんにもしてないじゃない..」


「ぐもーにん!ボーイ達いい朝ね」


「おはようございますローザさん朝から元気っすね」


「ヒーローはいつでも元気じゃないとね」


「カッコいいルー!」


昨日からどんだけキラキラした目でローザさんを見てんだよ..


「昨日結局裸のキングから頂いた箱に書かれていた文字は[守り抜いてねーん]しか書いてなかったしなにを守り抜くかがわからないと話しにならないわね」


「とりあえず帰ってレイヴンさんに報告ね」   


「それじゃあ帰ります?それともどこか観光してから帰りますか?予定では一応今日までだから俺はどっちでもいいですけど」


「んーそうね私は帰って鍛錬がしたいから帰らせてもらうわ、YOUたちはどうするの?」


「じゃあ俺達も帰るか」


「え?う、うん..」


なにか言いたげなレイラを察知してか知らずかローザさんは俺にジリジリと近寄ってきて


「ツインガールはボーイにおデートのお誘いを待ってるんじゃない?」


「俺の!?どうしてわかるんですか」


「女の勘よ♡二人で楽しんで星獣達は私が預かるわ」


そうイタズラにウィンクをすると、ホッパーとフレイアにあの海の向こうまで走るわよ!とスポコン漫画のようなセリフを吐き全力ダッシュで行ってしまった。


沈黙が続く..これは俺から誘ったほうがいいのか?どうなんだ?


2人きりになりさらにソワソワ度が増すレイラに俺はデートの提案を持ちかける


「よかったら俺とどっか行かない?」


「え?」


「い、嫌!嫌なら別にいいんだけど..」


レイラは口早に『な』を連呼したあと俺に指を差しこう言ってきた。


「し、仕方ないわね..//アンタがどうしてもって言うなら付き合ってあげてもいいわよ//」


「じゃあ街の中を散策でもしますか」


改めて散策してるが完全に王様の趣味というかなんというか..

ものの見事にスイーツばっかりだなこの国


商店街らしき通りにはスイーツ、スイーツ、スイーツ、アクセサリー屋を挟んでまたスイーツが売られている。


「こんだけ甘い物が多いと見てるだけで胃もたれしそうだ..」


胃を抑えすでにお腹いっぱいな気がする俺に対しレイラはまるで子供のように目を輝かせアレもコレもと沢山のスイーツを買い漁っている。


「んー♡このフワモコモンスターの形したホイップたっぷりのマカロン美味しい♡」


近くの芝公園に立ち寄りさっき大量に買ったスイーツを美味しい美味しいと幸せそうに食べている。


「幸せそうだなぁ」


「なによーなんか文句あるわけ?」


「こうして天気のいい日に外で食べる食べ物って美味いよなって思ってさ、ほんと幸せそうに食べるから可愛いなって思って」


「はぁ!?いきなりなに言い出すのよ!」


ブルラァァァ!!な、なぜ..俺は殴られている?


するとレイラは容疑者を見る目で


「そんな風にジュリア先輩にもおんなじこといってるんでしょ?」


「なにを根拠にそう思うんでしょうか?」


「だって..アタシだけなわけないじゃん..」


「え?なんてよく聞こえ..」


ブルラァァァ!!また予告もなしに..次は顔面の中心に蹴りを入れてくるなんて..昨日のドラゴンよりも凶暴だ


もう知らない!とズカズカと一人でに宛もなく歩き始めるレイラを腫れ上がっている顔を必死に抑えついていく。


すると占い師らしきいかにも怪しいおばあちゃんが俺とレイラに話しかけてきた。


「ちょいとそこの喧嘩中のカップルさん、占いしていかないかい?ババアの恋占は当たるよ」


おばあちゃんにカップルと言われ動揺し顔が真っ赤になっているレイラがおばあちゃんに弁解しようとする。


「こんなどスケベ男とカップルなわけないでしょ!」


「そうかいそうかい..まぁ1度座りなさい」


そうおばあちゃんに促されイスに座ると、占い師はピンクの水晶玉をカバンから取り出しナンジャモンジャのヒェ~と唱え占いを始めた。


「坊主名前は?」


「ユウマです」


「ユウマか、お前さん不思議なオーラを持っておるな普通は1人が持てるオーラは1つまでと決まっておるが3..いや5のオーラが渦巻いておるわ、それに皆から特におなごから好かれる傾向にあるな違うか?」


「え?さぁ?どうなんすかねー」


確かにこの世界にきてからやたらとモテてるような気がしなくもないが..


「大切な人は早く決めるが吉じゃ」


「は、はい」


「では次はお主だな」


「レイラっていいますレイラ・ノクターナルです」


「ノクターナルとは変わった苗字をしておるなどれどれー..お主も変わったオーラをしておる、とても情熱的で美しい炎が見えるじゃがなんだ?どこか寂しく暗い炎も見えるの」


「以外に繊細なんだな」


「う、うるさいわね!張り倒すわよ」


「なるほどな、レイラよいま現在進行系で好きな人がおるじゃろ?」


「いいいいいいるわけないじゃない!なにこのおばあちゃん!ででで、デタラメ言い過ぎ」


どんだけ動揺すんだよ..いるってバレバレじゃん


「じゃがこの気持ちを伝えたところでお主が幸せになれるかわからんそんな結果が見え隠れしておるわ」


「そんなことわかってるわよ..」


「まぁそう気を落とさんでもよいお前さんの素直な気持ちを相手に伝えるだけでもなにか変わるかもしれんからな」


おばあちゃんは笑いながらそう言うと俺のほう見て2人分3000ルーメント、と請求してきた。


俺達は占い師にお礼を言い立ち去ろうとしたとき最後におばあちゃんはレイラに


「1つ言い忘れておった..闇に飲まれるな」


「闇?」


意味深な事を言われ俺はその事で頭がいっぱいになっていた。


「闇..闇に飲まれるなどういうことだ、レイラが闇に飲まれる..メンヘラになるとか?」


俺は想像してしまったメンヘラになったレイラを


「ユウマがアタシのこと好きじゃないって言うならアタシもう死ぬから!ユウマに一番と思われない人生なんか死んだほうがマシ!」


「早まるな!だからその包丁を今すぐ離してくれ!俺はレイラの事」


「アタシのことなによ?ほら!やっぱり言えないんじゃない!もういいアンタも殺してアタシも死ぬ!うわぁぁぁ!」


とかになりかねんだろうな..うぅ背筋が凍る..


「なに青ざめてんのよ変な奴」


しばらく歩いてると、商店街の真ん中にゲームセンターが現れた


この世界にもこんなゲーセンとかあるんだなと関心していると


「ゲームか..たまにはいいわね!ユウマ!ここで遊んで帰りましょう!」


「そうしようか」


店内に入るとまず視界に飛び込んできたのはよくあるゾンビを倒すシューティングゲームだ


「コレ2人でやろうぜ!」


「ゾンピーシューティングね!いいわよ!アタシの実力見せてあげる」


その言葉通り、ガチで上手いレイラを前にここでもなにもせず俺はただひたすらレティクルを遊ばせているだけだ。


あっという間にラスボスが現れもうあと少しのところでレイラが尽きてしまった


「嘘でしょ!?あと一発なのにー!ユウマ頑張れ!」


「ちょ、ちょっとまってくれ!」


ラスボスの攻撃をなんとか避けながらも標準を頭に合わせるがアッチも殺られまいと攻撃を避ける。


銃弾はあと一発..攻撃を喰らったらゲームオーバー!俺は覚悟をきめラスボスが攻撃してくるタイミングで引き金を引く!


テレテレテレテレー♪


爽快なエンディングが流れ俺達はこの街を救った..


「やったやったー!」


「やるじゃないユウマ!」


余りの嬉しさに気づけば抱き合っていた


「ちょっと//なに抱きついてんのよ」


「そっちが引っ付いてきたんだろ//」


すぐに離れることはできるのに腕の中でレイラを抱きしめ続けてしまうのはなんでだろう..


「ねぇ見てみてママーあの人達ぎゅーってしてるよ」


「コラ!見てはいけません」


子供に見られてしまいとっさに離れる2人


「次なにする//」


「今日せっかく2人で遊びにきた思い出に二人で写真撮りたい..」


レイラの提案で俺達は最後にプリクラを撮ることにした。


機械の中に入るとお金を入れると始まるよ♪と流れていて、俺は300ルーメントを入れる。


「どのモードにする?なんかリクエストある?」


「いやない、俺プリクラとか来るの初めてで」


「ホントに!?アタシなんてしょっちゅうミシェルとかリンとプリクラ撮ってるわよ」


「だって野郎同士で来ないし..元いた世界で友達とかいなかったし」


「じゃあ初プリクラ記念はアタシがいただきね♪」


そんなやりとりをしているとアナウンスが始まり撮影まで3..2..1と言い出した


『可愛くポーズ撮ってみてね』


とりあえず無難にピースをする。

こんな感じに撮れたよと画面に撮った写真が映る、レイラは俺の事故っている顔を見て笑いながらこう言ってきた


「なにこの顔(笑)ウケるww」


「うるせぇなーほら次のお題出されてるぞ」


『驚いたポーズ3..2..1』


アナウンスの合図で何故か真下から風が吹く、その風が強かったのかレイラのスカートがめくれ上がりそうになり思わず。手で抑えパンツが見えるのを阻止するが


抑えきれてない後ろ側から白のパンティーがガッツリと見えている。


悪びれる素振りもなくこんな感じに撮れたよ♪とまるで煽っているかのように進行を続け、最後に好きな落書きをしてねと言うと愉快な電子音が流れ始める


「ほんとに最低!なんなのこの機械!」


「うんうん確かに最低だ」


「見たの?」


「見てない」


「嘘つくな!証拠写真あるんだからね!」


レイラが指差す画面を見ると手で抑えキャー顔してるレイラと完全に鼻の下が伸び切っている俺のなんとも奇妙な写真が映っていた。


「これには理由がありまして..ちょっとトイレ!」


「あっ!逃げるな!ったくなんなのよアイツ」


ブツブツと文句を言いながら文字を書き進めるレイラ


「せっかくのデートなのに..これじゃあ台無しじゃない..」


画面越しに映るスケベ顔のユウマを見てレイラは少し微笑む


「ま、最初に撮った写真よりはいい顔してるじゃない..なんて書こうかなーそうだ!こっちの写真はアタシだけもらっちゃおう♪」


トイレから戻るともう書き終えたのか印刷されたプリクラを手渡してきた


「これ記念にあげる」


「ありがとうあれ?もう1枚は?」


「アッチは印刷してないわよ!だってアンタの顔キモいしアタシだって必死に抑えてる写真だもん」


「なーんだ記念にほしかったな」


「はいはい、じゃあ帰りましょう!今日はありがとうね」


「こちらこそ楽しかった」


クエストを終え各自の部屋に帰宅しその日の夜


「この写真はアタシの宝物ボックスに入れておこ」


「レイラの宝物ボックスになにが追加されたピィ?」


「うわぁ!なによフレイアびっくりするじゃないの!!」


「なんか帰ってきてからご機嫌だなって思って」


「小鳥のくせに生意気ね、ほらもう寝るわよ!」


レイラだけが持っているプリクラにはこう書かれている。


『ユウマ大好き』



[おまけ]


「ヒーローになるにはなにが必要か教えてほしいルー!」


「ヒーローになるには正義の心が必要よ!」


「その正義の心はどうやったら培うんだルー?」


「BADな物を克服するのよ!ホッパーだったらネギがBADでしょ?それを美味しく食べれてこそ真のヒーローよ!」


「ルルル!よぉーしだったらいっぱいおネギ食べるんだルー!」


次回![第三十六話、手を伸ばそう恋の季節じゃないか]


クイズの答えは『正義』でしたー!                                  

 


                                                                                     


    


           


                        

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