[第三十四話、俺の嫁その3、双の炎姫]
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−−闇ギルド、オブキュラス--
「おぉ!よくやってくれたアリヤよ!さして我の身体はどこにあると書いてある!?早くその箱を開けるのだ!!」
魔王の指示にコクリと頷きアリヤは箱を開けるするとそこにはこう書かれていた。
[だがあるのは胴体のみ]
「胴体?それはどこにありますの!?」
「それは多分..ナディアお姉ちゃんが派遣された洞窟にあった箱に書かれていた可能性がある..」
「ご、ごめん..」
「ナディアいいのよ気にしなくて、もしかしたら余り有意義な情報ではない可能性だってあるでしょ?」
そう優しく頭を撫でナディアを励ましたのはアラビア三姉妹の長女サミラ
「うぅむ..なんとしても次のヒントが書かれている紙をなんとかして持ってかえってくるのだ!」
「もちろん、このサミラが必ずや..」
「グハハハ..!グハハハ..!へっぬしょん!今年は花粉症が酷いな」
--とある国の王の間--
「えーではこれより、ハチャメチャ!争奪戦!VRで世界を救おう!を始める説明をします」
身体はガリガリでヒョロヒョロな声の執事が手に持っているノートを読み上げる。
「ではではルール説明です..3人一組で進みそれぞれ3つ試練の間がありますそれを1人ずつクリアしていくとゴールとなります!ただし!ただしですよ!最後の試練には王様が考えたスペシャルでかっちょいいドラゴンが待ち構えていますのでそのドラゴンを見事討伐できたチームには超スーパ宝箱をお渡しします。これでよろしいですね?王様」
「うにゅん」
「ルー」
「おい」
「ではこちらにエントリーしていただく今回のチーム二組ですね..まず一組目のチーム名とお名前はチーム名『ウルトラバーニングファイアー』お名前はユウマさん、ローザさん、レイラさんそして各星獣の皆様でよろしいでしょうか?」
「YES!なんだか滾ってきたわねー!」
「頑張るのうにゅん」
「ルー」
「おい、聞いてんのか」
「では続いてのチーム名は『笛吹き才女とそのお仲間二人』お名前はサミーラさん、ゴブ実さん、ゴブ佳さんでお間違いないですか?」
「はい間違いありません」
「そちらのチームも頑張るのうにゅん」
「うにゅんだルー」
「だからなんでパンツ一丁の王様と並んでお前まで挨拶してんだよ」
「えーん!耳掴むなルー」
ホッパーの耳を掴み自分の隣にドシっと置き改めてホッパーに正座をさせる。
「では、お二組とも準備ができたようなのでこちらのドコなのドアにお入りください」
そう執事はどこかおかしくも何故か聞き覚えのあるピンクのドアを開けユウマ達ともう一組のチームが入るのを待っている。
レイラは相手チームのサミーラと名乗る女に手を差し伸べ
「お互いライバル同士だけど!楽しく勝負しましょう!」
「えぇ、こちらこそ」
「ではいってらっしゃーい!」
玉虫色した空間に入り不安になりながらも歩くと1つ目の部屋にワープした。
「ここが1つ目の部屋か..なにすんだろ」
「なんだか甘い匂いがするザマスね」
「あ!あそこにキッチンがあるピィ!」
フレイアの言葉の視線の先には確かにキッチンや家電製品そして砂糖やチョコレートが完備されている。
「これってもしかしてだけど、まさかね..」
するとキィィンと嫌なハウリング音が部屋に響き先ほど説明をしてくれたヒョロヒョロ声の執事が天の声になりアナウンスを始めた。
「ここでは王様の大好物のケーキ作りをしていただきます!こちらのルーレットで決まった人がケーキ作りをなさり王様が美味しい!とおっしゃられると次に進める形となります!ではではルーレットスタート!」
ピコピコとルーレットが回り始める、ユウマは頼むから俺じゃありませんようにと願っている。するとルーレットが止まり今回の挑戦者は..!?
「ローザ&ティアペアとゴブ実さんによるケーキ作りとなりました!それではスタート!」
「フフフ..」
「なにがおかしいのよこの人」
「私がなんて呼ばれているか知ってる?ケーキ作りマスターとはこのローザのことよ!」
「もちろんワタスィもいるざます!」
「そんな噂聞いたことありませんけど」
ユウマの半信半疑な言葉にNONNONと人差し指を横に振り
「美味しすぎて顎が外れてもレスキューは呼ばないわよ」
30分後だルー
「まずいだうにゅん..」
「なんですってー!この私のケーキがぁぁぁ!SHOCKショック」
「ほんとに大丈夫なの?あの人?」
「俺も不安になってきた」
椅子に座わりローザのケーキ作りを見守る二人
それに対抗するように..ゴブ実のケーキが出来上がり王様に転送され王様が一口食べる
「うにゅん」
「うにゅんとは?お“いじいのが聞いてる。」
「美味しいうにゅん」
「「「やったー!」」」
「ではではサミーラチームは続いての部屋に向かってくださいねー」
軽々と1つ目の部屋をクリアし次の部屋に向うサミラ達を悔しそうにモニターで眺めるウルトラバーニングファイアーチーム
「気を取り直して!極上!!めちゃウマケーキ作るわよー!」
「ざまーす!」
さらに30分経過ピィ..
「まずいうにゅん」
「ななな!なんですってー!」
「ではもう一度作り直してもらいましょ..」
「ちょっと!そこのガリヒョロ執事!アタシが作るからアタシに変更しなさいよ!」
「なな、ガリヒョロだと!?..ですがそう言われましても..」
「あんたの言うことなんか聞くもんですか!フレイア手伝って」
「アイアイさーだピィ」
レイラは強引にローザをキッチンから追い出しテキパキとケーキを作り出した
そしてあっという間に先ほどとは比べ物にならないくらいのケーキが完成しその完成度に王様も早く食べたいのか転送を要求する。
そして一口食べると
「合格だうにゅん!」
「やったー!」
「流石わたし達だピィ」
「ではお次の部屋にどうぞ!」
次の部屋に向う途中さっきの圧巻なレイラのケーキ作りに感動したユウマは
「レイラ、スゲェよ!あんな手際よくケーキ作れると思ってなかったからびっくりした」
「林間学習でのカレー作りはアタシがほとんど作ったのよ、こんなの朝飯前よ!」
「でもアレはお世辞にも美味しくなかったじゃん」
「あれは絶対にアタシが犯人じゃない!ん?なにソワソワしてんのよホッパーにフレイア」
「なんでもんないルーアハハハ..」
「ピ、ピィ..」
「俺料理できる女の子って凄いタイプなんだよなぁー今度俺にもケーキ作ってくれ!お願いだ」
「は、はぁ!?なな//なにいって!そんな簡単にタイプとか言わないでよ..」
「どうした?顔が赤いけど?」
「いいわよ!ボーイ!今度私が極上!!めちゃウマ..」
「いやいいです」
続いて2番目の試練の間についたユウマ達、サミラ達のモニターを確認するとなにやら苦戦しているようだ
「おまたせしました!続いての試練はクイズになります!ではルーレットスタート!」
またさっきと同じくピコピコとルーレットが回り始める今度はレイラのマスだけが無くなっていてユウマとローザのみでルーレットか行われる。
「答えていただくのはこの方です!」
ルーレットの矢印はローザのほうを向いていた
「クイズは大得意よ!」
「嘘つけぇ!」
「ユウマ失礼ざますよ」
「ささ、始めますよ!では問題です!」
ある場所ではそれは力であり、
別の場所ではそれは信念。
一部の人には、それは重荷だが、
また他の人には、それは栄光の象徴。
それは見えないが、感じることができる。
それが欠けると、多くの者は不安を覚える。
それが存在すると、多くの者は安心する。
それは一体何でしょ?
「簡単よ!答えは〇〇〇よ!」
「お、お見事です..では続いての部屋にどうぞ」
相手チームのモニターを見ると嘘だろと言った顔でこちらのモニターを見ている。
「あ、あのローザさん..さっきなんで即答できたんですか?」
「愚問ねボーイ..自分の心に聞いてごらんなさい〇〇〇は誰の心にでもあるものよ!ジャスティス!」
早すぎる回答にもう3つ目の試練の間に到着した。
「では続いての問題は..はい..え?もう問題すっ飛ばしてドラゴン退治を始めよう?えぇ.わかりました」
スゥーっと改めて深く深呼吸しマイクを持つと
「ここで王様からの希望でドラゴン退治が見たいとのことですのでドラゴンを投下します!それー」
執事がポチッとな、とボタンを押すと上空から綺麗な青色の鱗が特徴的てきなドラゴンが現れた
「カッコいいルー!」
「えぇーワタスィのほうが美しいざます」
「どうでもいいけど火を吐く準備してるピィね」
するとドラゴンは雄叫びを上げ熱い熱い炎を吐いてくるかと思ったがそれとは真反対の凍てつく冷凍ブレスを吐きユウマ達を氷漬けにしようとする。
「みんなアタシの後ろに下がって!」『フレイムシールド!』レイラは炎のシールドを張り冷凍ブレスを防ぐが流石に威力が高いのかレイラのシールドでは防ぎきれずに、シールドが破れ吹き飛んでしまう
「やるわね!ティア!戦闘開始よ!」
ローザはティアと息を合わせ魔法を唱えようとするがそれよりも早くまた冷凍ブレスをユウマ達に放つ
「ヤバい!このままじゃ..」
すると突然、綺麗な笛の音が鳴りドラゴンの放った冷凍ブレスを空間ごと捻じ曲げ攻撃を防ぐのは相手チームのサミーラことサミラだ
「お、お前」
「ライバルですけど今は一緒に共闘しましょう」
「サミラだろ」
「ぎ、ぎく..なぜわかったの?」
「だってサミーラってバレバレだぞ」
(魔王様が半日かけて捻り出してくれた偽名をこうも簡単に見抜くなんて..恐ろしいわサンクチュアリ!)
「サミラあのゴブリン二人はどうした?」
「あぁゴブ実とゴブ佳はまだ問題が解けてませんので」
「じゃあどうやってお前はここに来たんだ?」
「もぅ!しつこい男!そんなんだと女の子に嫌われますよ!」
「アンタ達話してないで次の攻撃くるわよ!」
レイラの言葉通りまたドラゴンは冷凍ブレスをこちらに放つしかも先ほどよりも巨大な力で
がそのブレスの真ん中を突っ切りドラゴンに近づいていく火の玉が2つ
「あれはもしかして」
「ティア!強化呪文をお願いするわ!」
「了解ざます!」『バーニングレッグ』ローザに強化呪文を唱える、するとローザの両足に溶岩の色がした炎をまといキュインと音がすると熱を帯びた金属の鎧が装着される
「とっておきの私の技くらいなさぁぁぁい!」『バァァァーニングブレェェェイクキィィィィック』ヒーロー顔負けの足技をドラゴンに放ち、巨大なドラゴンはその凄まじい威力に吹き飛んでしまう
「ローザめちゃめちゃカッコいいルー!」
ホッパーの尊敬な眼差しにローザは上空からホッパーを見下ろし意気揚々と
「Thank you!ホッパー!アナタも信じていれば必ずヒーローになれるわ」
「なるなる絶対なルー!」
「どうやらアタシ達の出番はなさそうね」
「いえ、そんなことありません」
レイラの安心仕切った言葉を裏切るようにサミラは吹き飛んだドラゴンの方角を指差す、するとドラゴンは雄叫びを上げローザに襲いかかってきた!
「きたわね..ドラゴン..行くわよ!ティア!」
凄まじい戦闘が上空で繰り広げられている中ユウマ達も戦闘に参戦しようとなにか策を考えていた。
「フレイア!お前飛べるだろ!?」
「だからなにピィ?」
「俺達を乗せてだな」
「あのねーわたしはか弱い小鳥ピィよ!みんなを乗せれるわけないピィ」
「んーなにかないかしら?そうだ!ユウマ魔力供給よ!」
「そうだな!魔力供給だ!」
戦いながらも地上での会話はしっかり聴こえているローザは二人が契約していることを知り戦闘中にも関わらず話しかけてくる。
「やるわねボーイ!そしてツインガール、YOUたちの魔力供給の力見せてもらおうじゃない!」
「なんで戦闘しながらこの会話が聴こえてるんだよ..鬼神か何かなのか?あの人は」
「早く!そ、そのキスするわよ//」
「あぁ!ごめんごめん!じゃあイクぞ」
両手を握り互いの唇を重なり合わせる
久しぶりの魔力供給にレイラは思わず声が漏れてしまう。
「ヤダ気持ちいぃ♡」
「なんだよ、こんなときはえらく素直じゃん」
「うるさいわね//このスケベ」
マジマジとイチャつきを見せつけられサミラは生の魔力供給を初めて拝見しこう思った
(なに?魔力供給って気持ちがいいの?あのレイラって子顔が真っ赤になってる..でもユウマとか言う男は手慣れた手つきねなんだか殺意が湧くわ)
魔法陣が消え、2人は星獣を神獣に進化させる。
「星獣ホッパーよ我の力を使い神獣に進化せよ」
「星獣フレイアよ我の力を使い神獣に進化せよ」
可愛らしい小鳥から炎を纏い例えるなら朱雀に似たとても美しい神獣に進化したフレイア
初めての神獣になれた喜びに思わずはしゃいでしまう
「わーい!憧れの神獣の姿だピィ!」
「よーし!フレイア、ローザさんのところまで飛んで行くわよー!」
フレイアはレイラだけを乗せローザのもとに飛び立っていってしまった。
「あ!おーいフレイアおりてこーい!」
「ユウマ、ホパの背中に乗るルー」
フレイアに続くようにホッパーもビヨーンと高くジャンプしローザのもとに向かった
1人取り残されたサミラは少し微笑み
「今回は私の負けねあんなチームワーク見せつけられたら勝てる気しないわ」
そう言って闇の中に消えていった。
ドラゴンはローザの攻撃にかなりのダメージを負っているのかもう後少しといったところだ。
「楽しかったわ..喰らいなさい!バーニング..」
「ローザさーん」
レイラの大きな声が聴こえ後ろを振り向き手を振る
「とても綺麗な神獣ね..もしかしてツインガール達も参戦してくれるのかしら?」
「もちろん!ていうかこれで終わらせるわ!行くわよ!フレイア」
「神獣の強さ見せつけるピィ!」
「アタシの炎のドラゴンで焼き付くしてあげるわ!」『炎の力よ、我がもとに集え!ドラゴンの影が業火を帯び、敵を焼き尽くす!ドラゴンシャドウインフェルノ!』
レイラは氷のドラゴンに対し全てを焼き尽くさんとする炎のドラゴンを放つそれに続くようにフレイアも『
強力な二人の魔法を喰らったドラゴンは悲痛な叫び声を上げ朽ち果てる。
「やったー!アタシ達の勝利ね!」
「レイラと掴んだ勝利ピィ!」
「ワタスィ達が戦ってたおかげざますよ!」
「まぁいいじゃない..いい汗かいたわ」
「カッコいいルー!」
「俺なんにもしてない..」
こうしてユウマ達は見事ドラゴンを退治しゲームをクリアした。
[おまけ]
「レイラとローザさんに質問でーす」
「なによユウマ、改まって?」
「なんでもいいわよ!カモン!」
「二人ともおんなじ炎タイプだけどなにが違うの?」
「そんなこともわからないの?あんたバカァ?アタシの魔法は生粋の炎を使う魔法よ!」
「私の魔法はイメージしやすいので例えると溶岩から吹き出すあの燃え盛るような熱い炎ね」
「んーよくわからん、レイヴンさんとジュリア先輩も似た魔法使うもんで混乱するんだよな」
「あのねぇー魔法なんて無限大に存在するわけないんだから似た魔法を使う人がいたって普通のことなの!アンタみたいなヘッポコ魔法とは違うの!」
「まぁその中でも極力人と被らないように工夫しながら魔法を習得するのも私達魔法使いの課題でもあるわね」
「要するに同じ炎の魔法でもなにが得意か自分で早く見つけろってことでいいですか?」
「「そういうこと!」」
次回![第三十五話、続・炎姫]
今回はクイズ付きです!答えがわかった方はコメントしてねーん
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