[第二十三話、最大級の最大級の最大級の最大級の]


相手は少なく見積もっても30はいる..


こっちは5人と2匹…2匹?アイツらどこいった?


辺りを見渡すがリーナとセレの姿がない…


5メートル離れた茂みからなにか動いてる


「どうするちゃろ?」


「どうもこうもないったい、まずは奴らの気を引くことからしないといけんね」


あそこにいるのはリーナとセレか、よくやったそれでこそ、俺様とキースの星獣だ


「小僧達よいっちょ前に武器を構えてはいるが、攻撃を仕掛けてこないのはなぜだ?」


「誰から突撃する、ユ、ユウマからどうぞ」


「なんで俺だよ!距離的な事を考えたらミケロスだろ」


「はぁ?俺は魔法の詠唱がある、お前達が俺をサポートしろ」


「おい、三バカ誰が先に行くかの話しなんかいまここでするな」


まったく、キースと魔力供給できればコイツらなんかすぐに倒せるのに


くそあのキノコのせいでキースが苦しそうだ


「シルベスターさん..俺に構わず..魔力供給をしましょう...俺の魔力を使ってください」


「バカかそんな状態でお前、魔力供給なんかしたら..」


なにかを言いそうになるタイミングで一匹のケンタウロスがこちらに矢を放ってきた。


「考えてる余裕ないか..」


ユウマは矢が飛んでくる方向に鉄のシールドを張りなんとか一発目は防げた


1本の矢を合図に他のケンタウロス達が矢の雨を5人に降り注ぐように放つ


ユウマのシールドでなんとか防ぎ耐えようとするが、あともって1分もないだろう


「俺のシールドが割れたら、次は誰か頼む」


二人は軽く頷きユウマのシールドをただ眺め次の準備に入るために力をためる


「も、もうダメだ..」


『グリーンヴァイン』シールドが割れる前にどこからか呪文が聞こえると、太い木がユウマ達を包み込む


「やっと降りてきたか」


「シルベスター助けてあげたのに、その言い方はなんね?」


「オババの手柄じゃないちゃろ」


「ワシが立てた作戦やろう」


「あ、ありがとう..ハァ..ハァ..セレ、リーナさん」


「キースお礼はいいけん早く魔力供給せんね」


「キースいけるか?」


「いけます…、大丈夫です..」


「え?キース先輩大丈夫なのか?だって毒に犯されてるんだろ?」


「坊主、あれはただの毒やなかと、性欲が抑えられなくなる毒ばい」


はぁー?じゃあなにか?キースさんが苦しんで呼吸が荒いのって、ただムラムラしてるだけってかぁ?


「知ってたのかジョン」


詰め寄る俺に知らない知らないと言いながらフルフルと首を横に振る


「お前ら、ちょっと激しくなるかもしれん目と耳を塞ぐなら今だ」


そう言われ、俺達三バカじゃなかった、3人は同じタイミングで手で顔を覆った


「キース四つん這いになって後ろ向け、いつもの体勢だ」


「後輩が見てるのに、この体勢は嫌ですよ..せめて普通のにしてください..」


「いいから早くしろ」


キースの身体を無理矢理後ろに回し、いつものようにそのままキースをバックハグする、そして耳の軟骨部分に口元を持っていき「我が魔力よ汝の力と共鳴せよ。」と呟く


この段階でキースの身体はかなり熱い、よほど興奮しているのだろう...


「いま楽にしてやるからな♡」


耳の軟骨を甘噛よりも少し強く噛み、そこからキースの魔力を吸うように、そして俺様の魔力を流し込むように儀式を行う



手で顔を覆って見ないようにしてるけど、もしかして本番なさってる?


この大木の外には敵さんがウヨウヨいるのに、この二人は堂々とおっぱじめてんのか?


キース先輩の荒々しくも心地よさそうな声が響いてるのがより一層リアルだ


どうする、目をあけるか?


「フゥ♡もういいぞ、なんだ見てたのか」


え?、そのセリフに戸惑いがうまれる、俺は手を下に下ろすとジョンとミケロスはまるでゴーレムの目を見てしまったかのように、カチコチに身体も目も固まってしまっていた。


「心配かけて、ごめんね俺はもう大丈夫だから後は俺達に任せて」


肌がさっきよりもツヤツヤしてるのは俺の気のせいなのか?


二人はスッキリしたような顔して、清々しく星獣を神獣にするための呪文を唱えだした


『星獣リーナよ我の力を使い神獣に進化せよ』

『星獣セレよ我の力を使い神獣に進化せよ』


黒猫2匹の周りに魔法陣が現れ、2匹は神獣に進化していく


リーナの進化は、動物から人型になる神獣のパターンはムニンで見てるから慣れているがこの人は猫のねの字も残らないほどに進化した、星獣のときもぽっちゃりはしていたが神獣になるとさらにお腹周りがぼってりとし、まるで悪魔のような見た目に進化した


セレは可愛らしい人型の女の子に進化した、リーナの進化のインパクトが強すぎてこれ以上の感想がなにも出ない


「セレ、大木のシールドを解いて」


コクと頷くと、何本もの大木がスルスルと元に戻っていく


まさか中で神獣に進化していると思ってもなかったケンタウロス達は一瞬怯むが、やはりそこは森の戦士負けじと戦いを仕掛ける


「しつこい魔物やな、ワシの特製ビンであの世にいけったい。」


葉巻のタバコを咥えながら、『デスポイズンストライク』と唱えビンを召喚しケンタウロス達のいる方角にぽいっと投げ込む


かなりの猛毒なのだろう、紫色した毒々しい煙を吸ったケンタウロス達は眠るように白目を向き死んでいく


リーナの隣では、フワフワとケンタウロスの周りを優雅に飛んでいるセレの姿が見える


ケンタウロスは撃ち落とそうと弓を引くが、なんにも当たりはしない


「セレの本気見せたるちゃろ♡」


『フォリアハリケーン』そう笑顔で詠唱すると、猛烈な突風の竜巻がケンタウロス達を巻き込み、その中で一緒に回っている木の葉がケンタウロス達をバラバラに切り刻んでいく


「スキだらけだぜ!」


長い槍で完全に後ろを向いている、シルベスターを奇襲しようと突き刺す


が何故かケンタウロスの顔も見ず、フッと笑う


バカにされ、苛立ったケンタウロスはさらに力を込め一突きでトドメを刺す


だが、悲鳴をあげ倒れたのは長い槍を持ったケンタウロスのほうだった


「あぁ、悪いな今力が溢れすぎて、加減がどうもできん」


フハハハと笑い、地面に何度もムチを叩きつけ、周りいるケンタウロスを次々にムチで強く叩いていく


ただのムチならここまでの悲鳴が上がらないはずだか、倒れた顔を見るとほとんど顔が残っていない


「アシッド・ウィップ、ムチに強烈な酸の魔法を宿してお前達をしばきあげてることに気づいたか?俺様のムチは地獄のように痛むだろ」


残り数十体、最後に特大の魔法を食らわせてやろうとキースが上級魔法を唱える


『樹々の力が集う瞬間幹の力強き枝、葉の鋭き刃、根の掘削の力よ、全てを我が意志の元に集わせ。木々の精霊たちよ、我が命令に従い、恐怖の根源を削ぎ落とすための強力な攻撃を放て。フォレスト・カタストロフ!!』木々の幹がひび割れ、枝がうねり始め地面から巨大な木の根が突き出す。枝が鋭くなり、全てのケンタウロスを縛りつけ何本もの鋭利な枝が相手を串刺しに、ケンタウロスとの戦いは終わった。



「つ、強」


「悔しいが今回は完全に俺の実力不足だ」


俺とミケロスは思わずこの状況に声を出さずにはいられなかった


無数のケンタウロスの死体をジッと眺めるシルベスター


「やっぱりオカシイと思った」


「可哀想に完全に操られとるったいね」


「これもあのギルドが関係するんでしょうか?」


「どうだか、だが普通の魔法使いができる技じゃないことは確かだな」


ジョンとシルベスター、リーナが話し込んでる横でヘトヘトになっているキースがセレに背中をさすってもらっている。


流石に戦いのあとすぐに動けるはずもなく、しばらくこの場で休み、再び宮殿に入る


「この宮殿の造りまるで俺のいた世界にある、中国って呼ばれてる国の宮殿にそっくりだ」


「そのちゅうごく?とか言う国は深い森にある国なの?」


「いや、普通に栄えてる国の1つだよ」


それにしても、見れば見るほど不思議だまるで昔中国があったみたいな、それほどまでにそっくりだ


「これは俺様達、研究所の分野ではないな戻って調査団にこの話しを持ちかけるか」


そして俺達は学校に戻り今日はこのまま解散となった


その夜 


「シルベスター、ちゃんと電気消して帰ってね」


「了解した」


ライラの言葉に適当に返事をすると、シルベスターは作業に取り掛かる


(今日の収穫と言うと発情キノコを食べた後、魔力供給をすれば元に戻るということだけか、古い魔法具なんかが見つかって、さらに研究に取り込めると思ったのにまぁ仕方ないな)


コンコンと扉をノックする音が聞こえる 


「入ってまーす」


「なにが入ってまーすですか、お疲れ様ですシルベスターさん」


両手に温かいコーヒーを持ち机に置く


「なんだキースか」


「なんだとはなんですか」


「そうだ、お前に聞きたいことがある、どうしてあのときユウマに食わすはずのキノコをお前が食べた?」


その質問に、ビクッとし


「それは、シルベスターさんがあまりにも楽しそうにユウマやミケロスに食べさせるから、なんかムッとしてしまって」


「ミケロスはともかく、ユウマは異人なんだアイツに毒見をさせて、俺様たちと同じ反応になるか見たかったものをお前が邪魔するから」


「だって!シルベスターさんが他の男に優しくしてるのが耐えられなかったんです!」


「キース..」


「シルベスターさんは優しいし、みんなから憧れの存在だし、それなのにこんな俺と..そのなんで一緒にいるのかなって」


キースのめんどくさいのがまた始まったと思ったシルベスターだったが、確かに楽しそうにしてしまっていた自分にも非があると思い、イスから立ち上がると優しくキースを抱きしめた


「お前と一緒にいる理由なんか、1つしかない、ただ好きだからだ」


「うぅ、面と向かって言われると恥ずかしいです//」


「だったらもっと恥ずかしいことをここでしよう」


「ちょ//あっまって//あー♡」


「やれやれ、また始まったちゃろ」


「若いっていいけんね」


[おまけ]


「は!」


勢いよく身体を起こす、どうやらシルベスターさんの部屋でそのまま泊まってしまった


「起きたか、おはよう」


なんて格好してるんだ、いつもは俺様キャラのくせにお皿には美味しそうな朝食が並んでる..きっと早起きして作ってくれたのかな、しかも裸エプロンだし朝から刺激が強すぎる


「ん?なんだぁ?俺様の裸エプロンを見て朝から元気になったのか?」


「い、いやそんなわけじゃ、ありません//」


「嘘つけ、ほらもうこんなになってるじゃないか..朝からするか」


「いや、でも学校遅刻しちゃいますって//あー♡」


2人のイチャイチャをみながらリーナとセレが一言

  

「早う学校行け」


「ちゃろ」


次回[第二十四話、疑うほうがずっとたやすい]                                                          


      


              

                


   

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