[第三話、学べ若者よ]
「見てみろよ!ジョン!あっちでホントに箒を使って空を飛んでる人がいる!まるで魔女の宅◯便みたいだ」
「飛んでるのが珍しいなんてホントに違う世界から来たんだね..」
動く花や木、喋る動物、空を飛んでる人間、全部妄想の世界だけだと思ってたけど、まさか本当に実在するなんて...
「僕達も手続きを済ましに行こう」
ジョンにそう言われ手続きをしに案内所に向う。
「入学おめでとうございます、ではお二人の合格証を確認させていただきたいと思いますので提出をお願いします。」
「合格証ですね、ここにたしかあったはず..あった!お願いします。」
「ありがとうございます。そちらの方もお願いします。」
「合格証?そんなのアリマセン」
「え?合格証がない?よく探してみてください」
俺は着ている服を全部脱ぎ合格証を探したがそんなものは見つかりもしなかった。
「ない場合はどうなるんですか?」
「そうですね、普通なら、入学できないですが、ハヤシさんの場合生徒手帳もペンダントも持っているのに合格証だけないとなると、こちらのミスかも知れないので確認をさせてください」
受け付けのお姉さんはそう説明してくれると、何処かに電話をかけはじめた
「俺入学できないのかな..」
「大丈夫できるよ!」
「ユウマ元気だしてココ」
ジョンとモナークは俺を不安にさせまいと何度も言葉をかけてくれる。俺も心配させないように明るく振る舞い冗談を言っていると、隣から聞き覚えのある声が聞こえてきた
「ありがとうございます。行くわよ、フレイア」
声のするほうを向くと、そこにいたのは列車で俺に失礼なことを言ってきたあの!ツインテール女とフレイアと呼ばれていた、赤い小鳥が視界に入る
「さっき通路にいた奴らじゃ...っ!!アンタ//なんて格好して突っ立てんのよ!」
「え?」
しまったーさっき合格証を探すのに服脱ぎっぱなしだった..
「変態!変態!ド変態!絶対アタシに学校内で話しかけないでよね!フン!」
「待ってレイラー置いてかないでピィ」
レイラは顔を真っ赤にし最後に一言バカ!と罵りどこかにいってしまった。
「ドンマイ..ユウマ..」
数分後..
「ハヤシ・ユウマさん、校長が直接お呼びです。校長室に向かって下さい。」
「わかりました。あのさジョン、校長室ってどこ?」
長い通路をひたすらに歩くとジョンが不安なことを口にする
「直接、校長からの呼び出しなんて入学初日にそうそうあるもんじゃないよ」
「だよな..なにかの手違いでしたとか言われて入学拒否されるかな...」
角に曲がる前に立ち止まり案内所でもらった地図を眺めているジョン
「あれー?この道どっちに行けばいいんだろ」
「多分だけどさっきもこの道通ったよな」
「君達、もしかして迷子?」
後ろから声をかけられ振り返ると、可愛い女の子の匂いがするピンクの長い髪の美少女が笑顔で話しかけてきた。
「そ、そうです俺達、校長室に行きたくて」
「だったら私が案内してあげる♡着いてきて」
俺達は美少女に言われるがままに着いて行くことにした。
「おい..ジョンこの人も1年生か?」
俺は小声でジョンに話しかける
「こんな美人知ってたら僕も目をつけてるよ!多分先輩じゃないかな」
先輩か...うん、エロい、ガーターベルトが超エロい..こんな美人にお仕置きとかされたらたまんねぇだろうな..
(ユウマは悪い子ですねー♡もうこんなになって、悪い子はお仕置きしないとね♡ほらほら〜足でグリグリしちゃうよ、あは♡もう出ちゃったの?ちょっと触っただけなのにー♡)
「ぐへへ♡」
思わず声が漏れてしまう
「なんかユウマ気持ち悪い..」
数分間、美女のスカートとガーターベルトの絶対領域を眺めながら変な妄想し歩き続けるとやがて校長室らしき前に着いた
「ここが校長室だよ」
「あ、ありがとうございました!」
キモい妄想をしてることがバレまいと、言葉をつまらせながらも俺は先輩に感謝を述べる。
「どういたしまして♡またなにか困ったことがあったら気軽に話しかけてね!私の名前はジュリア、ジュリア・ペシュール」
「俺今日から入学しましたハヤシ・ユウマです!よろしくお願いします!」
「ジョン・ミラーです!お願いします。」
「入学おめでとう、じゃあまたね♡」
ジュリア先輩は笑顔で俺達にバイバイと手を振って去っていった。
「ジュリア先輩かー♡最高の学園生活になりそうだ..」
「ふざけたこといってないで、早く行ってこいよ!」
「そうだった、失礼します。」
ドアをノックし校長室に入る
「ハヤシ・ユウマです、えーっとご要件はなんでしょうか?」
「座りなさい」
これが校長か厳しそうなオバハン、じゃなくてお姉様、銀髪のショートカットでグレーのロングタイプのワンピース。
するともう一人の声が
「入学おめでとうございます、ハヤシ・ユウマ君」
黒光りのいかにも校長室にある椅子がクルッとこちらに向くとそこに座っていたのは俺よりも小さい女の子
「あ、ありがとうございます。」
「申し遅れました、校長のソフィア・スカーレットです。そしてこちらが教頭のマーシャル・ダリアです。」
「よろしくお願いします。ハヤシ・ユウマ」
この幼女が校長!?だってどう考えても横にいるおばあちゃんのほうが校長に見える..
黒髪ハーフアップ、黒のローブにロングスカートって普通の人はみんな学生だと間違えるレベルだ
「フフ、私が幼く見えるから驚いていらっしゃるのね、無理もありません、ですが私はすでに300歳を超えています」
「またまたご冗談をやめてくださいよーw、え?マジ?」
「私は竜人族なんです、なので見た目は若く見られがちですが、こうして200年はここの校長努めています。」
「なるほど..ってそうなるか!」
校長にビシッと!ツッコミをいれる
「言葉に気をつけなさい、ハヤシ・ユウマ」
「いいんです、ユウマ君アナタがどうやってこの学校に入学できたのか説明していただけますか?」
「はい、実は...」
俺は校長に今までの出来事を全て話した
「なるほど、異世界転生..ユウマ君は違う世界からきた異人ってことなのですね..」
「校長、こんな話し信じてよいのですか?私にはそんな話しとうてい信じられません」
だよなー教頭アンタの考えのほうが正しいよ、俺だって絶対疑うよこんな怪奇現象
「ユウマ君、質問させて下さい。アナタはこの世界に訪れ、そしてこのエンチャントレルムで元いた世界に帰る方法を探しにここまできたと言ってましたね?その言葉は本当ですか?」
「本当もなにも俺はありのままの事を校長に全て伝えました。嘘はありません」
しばらく沈黙が続き校長の口がようやく開く。
「わかりました。入学を認めましょう、正し、入学をするということは最終的に立派な魔法使いになってもらうということでもあります。アナタにその覚悟はありますか?」
「校長!いくらなんでも無責任すぎます!」
俺が魔法使い..小中高ずっとイジメられ続け
学生生活なんかもうコリゴリだと思ったりもしたが、本音を言うと友達や勉強、色んな事を共に過ごしたかったと思ってるのも事実
ここで俺が入学を拒否したところでなにも変わらないしここが最後の頼みの綱かもしれない、だったら一度死んだようなもんだ、もう一度学生するのも悪くない..
やろう、やるしかない!
「はい!立派な魔法使いになってみせます。」
「よろしい、若者よ沢山学び自分の道を自分自身で切り開くのです。」
[おまけ]
「熱!」
「大丈夫ですか?校長、またこぼされてる、全くだらしないですよ。」
「ありがとう、マーシャルさん染みにならないといいのですけれど..」
「今日は入学式です、染みのついた服でご出席なられるおつもりですか?脱いでください着替えますよ。」
「えーヤダーめんどくさーい」
「いいから!早く脱ぎなさーい!」
次回[第四話、春のフレッシュ新生活]
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