エピローグ。

「だから…別れたい」

 ようやく目を合わせてくれた彼女―――君は笑っていた。

 こうなることはわかっていた。想像もしていた。

 けれど感情だけは想定外だった。

 吐き気はないのに気持ち悪い、心臓がうるさい、脳内で花火が炸裂したような衝撃。口角だけは何故かあがっている。

「うん、いいよ。ありがとう」

 吸い込んだ空気を出すのに混ぜたささやき。届いてくれると嬉しい。同じ気持ちだと嬉しい。


 きっと、これで

 

 ―――失恋できた。

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君に振られて失恋したい 宮希(ミヤノゾミ) @arahaiko

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