猫の恩返し3 said:猫さん

 10年後

 「君を家で飼おう。勿論選択肢には君に有って僕らには無いよ。」

 あの日の誓いを僕は果たした。

 僕は組織のトップになり、今ではボスだ。

 何があったかは覚えちゃいないけど、ここが家で大切な場所であることは党の昔に分かっていた。

 腕の中で眠る少女はとても愛おしかった。

 彼女は脳覚えれいないだろうが、顔を見せてみた。

 怖いと言って逃げると思ったら、

 「怖くない」

 その言葉でどれほど安心しあことか。

 傍付をつけて、去った僕は仕事をしに外に出た。

 早く家に帰りたい。兎卯香と安らかに暮らしたい。

 そんな夢を見ながら彼女との日々を送った。


 3年後

 僕は彼女の質問に包み隠さずすべて答えた。

 彼女は幻滅していてたようだがそれでよかった。

 僕は今年の冬に好きな人の手によって〇される。

 正直うれしかったよ。

 どんな形になっても僕を選んでくれたことに。

 でも少しだけ寂しいのが、君のこれからを見れないことさ。


 当日

 今日はいい雪だ。

 こんな日に大好きな人から最後の誕生日プレゼントを貰える事に。

 彼女を引き取ったのもこんな雪の日だったな。

 「なんでそんな顔をする?(君には笑顔が似合うのだから、最後くらい笑ってくれよ。)ほら、僕を喰らいなさい。君は新たな力を持つであろう。(僕が与えれるのもこれまでだ。時期に君を狙って数多の組織が君を殺しに来る。)力に溺れてくれるな兎卯香。(僕によって歪んだ君。そんな君は狂おしくも愛おしいよ。)好きになったら苦しくなるだけだ。(君を好きになった私の末路だが悔いはない。)だから喰らえ。(だって君がこの呪いごと食べてくれるのだから。)鮮血と涙で…か。(師匠、ボス。やっと分かったよ。全て。)」

 もう声を出す力も無くなってしまった。

 「可哀想な猫さん。…大好きだよ。」

 最後に聞こえた声は、風の寂しげな囁きだった。

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