アタシの生活3 said:兎卯香

 ここの生活は、『・7:00起床・7:15猫さんと朝食

・8:00池とガーデンを散歩・9:00~11:00マナー講座と言語、生物学の授業

・12:00猫さんと昼食・13:00~14:30銃とナイフと体術の訓練

・15:00猫さんとティータイム・16:00~17:00歴史、数学、科学の授業

・18:00猫さんと夜ご飯・19:00~自由時間』といった感じで進む。

 何の不都合もなく暮らしていたある日のこと。

 アタシはガーデンを歩いていたら、猫が迷い込んでいた。

 刹那、襲われた家族と突然の猫さんの襲撃。

 「ねえ、猫さん。猫さんは何でアタシを引きっとったの?」

 「君に一目ぼれした。これじゃダメかい?」

 「答えになってない。」

 「しょうがないなぁ。実は、言伝を頼まれていたんだ。君のお父さんから。」

 「え?噓だ。それじゃあ、あれはまるで…」

 「予測してたみたい?でも、僕が駆けつけるのが遅かった理由には続きがあるんだよ。僕は、人ならざる者。君らでいうアサシンに近い存在だね。そして、主食は人間。此処まで来ればどういう事か分かるよね?普通の食事もできるけど、人を食べないと理性の維持ができない。だから代償として命をもらった。」

 「何でアタシなのよ」

 「言っただろ、一目惚れさ。君は覚えていないだろうけど。…今は復讐心に駆られてるようだから教えてあげよう。君では僕に敵わない。もし勝ちたいのであれば、僕を喰らうことだね。初雪の夜に。」

 「その言葉に偽りはないな。猫さん。」

 「あぁ、無いよ。僕の愛しい兎卯香。」

 アタシは約束の時に、彼を殺した。

 彼は最後に「なんでそんな顔をする?ほら、僕を喰らいなさい。君は新たな力を持つであろう。力に溺れてくれるな兎卯香。好きになったら苦しくなるだけだ。だから喰らえ。鮮血と涙で…か。」

 最後まで、意味の分からないことを言っていた彼は、アタシの帰る居場所だけを作ってこの世を去ってた。

 「可哀想な猫さん。…大好きだよ。」

 これ以来、絶対に人を好きにならないと誓った。

 そしてアタシは、日本に移った。

 何もわからない。

 猫さんの部屋にあったメモを頼りに学校に通ことにした。

 一人で何かして生きていくと思っていた。

 そんなアタシにも最近友達と呼べる存在ができたみたいだ。

 それが、西園寺君と夏目君だ。

 初めはなんだか冴えない奴が話してきたなって思ったけど、

 それが意外と嫌いじゃなかったんだ。

 でもアタシには暗黙のルールがあって…

 恋をしたら、その人を食べるのと年に一度、人を食べるんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る