隠し事1

 我は未だ信じられぬ。

 箱にいて、男の顔が上にあり、さらに腹も空く。

 これは…妾は生物の何になったんだ?

 分からぬ。

 が、如何にも小さくなり到底何もできないのは確かだ。

 「夏目君~」

 「やっば…とりあえずすまない。隠れてろ。」

 そういったが最中私は草むらに収納された。

 「桜花、こんなところに居た。探したんだぞ。」

 「そうよ。お陰で先生から、とばっちり受けたんだから。」

 「すまない二人とも。ありがとう。」

 「それで、夏目君?何を隠したの?」

 妾の蚊帳の外では、荒くれ者が騒ぎたくってるようだな。

 妾には関係無いが。

 眠い…よし、寝るか。

 そう思った刹那。

 ザッと音がして、気が付いたらまた光の下だった。

 「ッゲ、猫?」

 そう言ったのは女の声だった。

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