シーン5 たまにはゲームセンターもいいよね!

 SE:がや

 SE:ゲームセンターの環境音


 わぁ、かなり人多いね!。

 久しぶりに来たけど、ゲームセンターの雰囲気いいよね~。


 あ、ちょっと待ってね……。


 すー、はー、すー、はー。すー……、はぁーー。


 うへ、うへへへへ……。


 このちょっと空気よどんでる感じぃ。退廃的でぇ、いろんな音が溢れててぇ、キラキラでぇ。いいよね~♪ コインゲームの機械の匂いとか! ちょっと不健康な感じが逆に心地いいんだよ。私はここ好きだなぁ~。


 うん。すごくうれしそうだなって?

 わっかるぅ? 凄くうれしいよ。私は今とっても嬉しい!


 なにせ私、ゲーミングの民だからね。もちろんゲーセンも大好きだよ。

 でぇもぉ……、確かにぃ、大好きで嬉しいんだけどぉ。

 

 うん、出不精のキミが誘ってくれたってのが嬉しいんだよ~。

(演出:にやけが抑えられない感じで)


 だってキミったら、休みの日に外に出るなんて非効率的だ! 休みの日は休むためにあるんだ。って言ってはばからない。


 そんなキミが自主的にゲーセンに誘ってくれるなんてびっくり!


 うへへ、うれしいなぁ。


 あ、見てみて! あれ大人気格ゲーの新台だよっ! けっこう開いてる! ね、あれで対戦しよ! 


 ええ、あれ苦手だからなーって? 勝てないしって?

 そんなことないよ! やってみないと分からないよ!


 キミだって、私と一緒に練習してるんだし、だいじょぶだいじょぶ!

 ねぇ~え~、やーってよぉ~、一緒にやろうよぉ~


 家でもやれるかもしれないけど、アーケード筐体きょうたいはまた違うんだよぉ~。


 おーねーがーい!

 ……むぅ、こんなにお願いしてるのにぃー。


 え、勝てない勝負はしない? CPU相手ならやる……、って、それじゃあつまんないよォ。キミ以外と負けず嫌いだからなぁ……。


 あ、そうだ。何か賭けたらやる気出ない?

 もちろんお金とかじゃないよ? こう、ご褒美的な……。


 一回勝つことに、一回『なんでも言う事を聞いてあげる券』を発行する! ってのは? それで10先勝負するの! 


 (※10先 ゲーム界隈用語で10本先取制のこと)


 それじゃ僕がお前の言う事沢山聞くことになるだろ……って? えへへ。それもまたいいんだけどォ……。


 でも流石にそれはかわいそうだから、さ! 私がもらう『言う事聞いてあげる券』は、10先で最終的に勝った時だけ! キミは一勝ごとに一枚だよ!


 これなら、キミは最終的に負けても勝ち星分の報酬は得られるし、10先戦を勝てばなんと10回分の『いう事を聞いてあげる券』が手元にぃ♪


 うへへ、揺れてる揺れてるぅ。

 お、やる? やっちゃう!? 覚悟決めたの? よーし、受けて立つぞォ!


 君と一緒にゲーム、うれしいなぁ♪ よーし、コイン準備オーケイ、やる気もマックス! いざ、対戦よろしくお願いしまーす!


 (間)


 ――いよぉおっし、勝ったぁ♪ 後半怒涛の追い上げ10連勝!! 私のしょーりっ! キミってばよわよわ~♡ ざこざこ~♡


 どうどう? 残り1勝で決着ってところまで追い込んだのに、ストレート大逆転敗北した今の心境は~?


 ねぇねぇ、悔しい? 残念? 腹立つ? 今どんな気持ち?


 うんうん。やらなきゃよかった? 最悪な気分だ。最初手抜いてだろ。こんなの詐欺だって? うへへ。私が本気出したらこんなもんだよ~。

 

 完膚なきまでに負かされた相手を見るのはたーのしーなぁ。


 うん? 今無性に殴りたい? 嫌いになりそう……って?


 やだ暴力はんたーい。キミに嫌われたら悲しいよぉ。……でも大丈夫。キミはそんな事で私の事嫌いにならないし、叩いたりもしない人だって知ってるもん。


 私が楽しそうにしてるの見て笑ってたの、知ってるんだからねーっ?

 『まったくやれやれだぜ』って顔してたよ!


(演技:ここからちょっとトーン落として)

 うん。そうだね。付き合ってくれてありがとう。すごく、すっごく楽しかったよ。


 煽っちゃってごめんね? でも君の悔しそうな顔が可愛かったから。

 うん。ちゃんと悪いと思ってるよ。だから、ここからは君の好きなゲームもいっぱいしようよ。


 まだ時間はいっぱいあるんだからね。


 あ、次はクレーンゲームしようよ! キミの欲しいの取ったげる。私はクレーンゲームの腕も相当なもんなんだからね! さぁ早く早くぅ!


(SE:駆け足足音)


 あ、そうだ。一応なんだけどさ……。


(演出:耳元で)

 10先勝負でキミが取った『いう事聞いてあげる券』9回分、ちゃんと有効だから。


 でも、あんまり無茶な使い方しちゃ、やだよ?




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