第20話 今日の男神は昨日の執着男!
宗門広場では、早朝の雑務閣で起きた出来事が既に広まっていた。
「おい、聞いたか?」
「今日の雑務閣でとんでもない大スキャンダルがあったんだ!」
「どんなスキャンダルか、聞かせてくれよ……」
「楚歌と洛青瑶のこと知ってるか?」
「おお、婚約を解消したばかりの二人だろう。男の方は昔すごく執着していたって聞いたぞ!」
「その通り!でもおかしなことに、雑務閣で洛青瑶が楚歌に自分の香囊を渡したんだ!」
「何だって、そんな馬鹿なことがあるのか?」
「洛青瑶は楚歌のことが嫌いだったはずだろ?どうして急に楚歌にアプローチするんだ?」
「ははは、それは楚歌が築基したからだよ!洛青瑶は後悔して、香囊を渡して楚歌に復縁を求めたんだ!」
「なんだって、楚歌の実力はひどいって聞いたけど、どうやって突然築基できたんだ?彼はどうやってそれを成し遂げたんだ?」
「確かに、俺も疑問だ。数日前に彼を見かけた時、まだ鍛気三重境だったのに、どうして突然築基できたんだ?」
「嘘じゃないのか?最近、宗門の噂話は全部作り話だろう!」
「嘘のはずがないよ。雑務閣で楚歌の築基の光を目撃した人が一人や二人じゃないんだ!」
「そうか、それなら楚歌がどうやってそれを成し遂げたのか、本当に気になるな。」
「楚歌自身の話では、彼の師父林長老が一生懸命に七品丹薬、七彩琉璃丹を練成して、一夜で築基を助けてくれたんだって!」
「そうか、羨ましいな。楚歌は運がいいな、林長老に頼ることができて!」
「それに、洛青瑶はそんなに卑しいのか?彼女自身が婚約を解消したんじゃなかったのか?楚歌はそれを受け入れたのか?」
「もちろん受け入れなかったさ!楚歌は香囊を洛青瑶に返して、復縁を拒否したんだよ!洛青瑶はショックを受けて泣きながら走り去ったんだ!」
「すごいな、このドロドロの展開は最高だな!」
「早くこの話を他の人にも伝えなきゃ!」
……
夜、氷璃宮。
掌門の藍夢璃は氷の彫刻の椅子に座り、長い足を組んで特製の琉璃氷泉を飲んでいた。
執事の弟子が二部の特別な材料で作られた新聞を手に持ち、恭しく差し出した。
「掌門様、今日の『青雲宗大事報』と『青雲宗八卦報』が発行されました。ご覧ください。」
藍夢璃は手を伸ばして二部の新聞を空中から引き寄せた。藍夢璃はまず『青雲宗大事報』をぱらぱらとめくり、タイトルをいくつか見ただけで興味を失った。
この大事報はますますつまらなくなってきたな。
彼女はため息をつき、『青雲宗八卦報』を手に取った。
表紙のタイトルがすぐに彼女の注意を引いた。
【振り返れば、今日の男神は昨日の執着男!】
「面白そうだな~」
藍夢璃は口元をほころばせ、琉璃氷泉を一口飲んで、悠々と八卦を読み始めた。
「楚歌……」
「この名前、どこかで聞いたことがあるような……」
「ああ、昨日のあの子だな。」
楚歌のことを思い出した。彼は昨日、林長老が連れてきた錬丹の天才だった。
その時、彼はまだ鍛気三重だったので、あまり気にかけなかった。
彼女はさらに読み進めた。
……
「もう築基したのか?」
「鍛気三重から、一夜で築基?」
藍夢璃は驚き、手元の琉璃氷泉をもう一口飲んだ。
彼はどうやってそれを成し遂げたのか?
……
それは林長老が練成した丹薬だと言われているのか?
藍夢璃は軽蔑の笑みを浮かべた。
林長老の実力で、鍛気三重から一夜で築基させるような霊薬を練成できるとは思えない。
嘘に決まっている!
林長老の実力は藍夢璃がよく知っている。
七品丹薬を練成するのは確かに林長老にとって難しくないが、鍛気三重から一夜で築基させる丹薬は、彼の実力では絶対に無理だ!
きっと彼ら師弟の作り話だろう。
この楚歌には他にも秘密があるに違いない。
おそらく楚家の特別な修行資源を使ったのだろう?
藍夢璃はこれ以上考えなかった。
結局、築基は始まりに過ぎない。結丹できるかどうかが本当の試練だ。
この子は、少し注目しておく価値があるな。
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