曖昧フォニイ

第11話 内通者がいるのか

「天才？それって私のこと？」

きっとそうだ。私は錬丹の天才だ！

楚歌は心の中で喜びに溢れていた。

「合格どころではない！」

「これは完璧な品質の龍霊丹だ！」

「これはまさに奇跡だ！」

林長老は再び驚きの声を上げた。

陸洋の目は釘付けになり、眉間に深い皺が刻まれ、彼の心中の不快と怒りが如実に表れていた。

これは絶対にあり得ない！

陸洋の心は麻痺していた。

果核と果肉を分けて処理する方法は非常に高度で、細心の注意が必要だ。

もし薬材の本質を損なうと、錬丹の効果に影響を与える。

そのため、家族の中でも三大錬丹宗師だけが完璧な品質の龍霊丹を錬成できる！

普通の錬丹師には到底不可能だ！

彼、陸洋がどうしてできるんだ？

教室の学生たちはこの光景を信じられないように見つめていた。

楚歌が高義を示して早々に諦め、学生たちを水火から救うと思っていた。

まさか、半時で成功したとは。

龍霊丹は陸家しか錬成できないと言われていたのに？

もしかして、楚歌は錬丹の天才か？

これまでの楚歌のイメージとは違う！

林長老は驚きから冷静さを取り戻しつつあった。

「楚歌、今ここで初級錬丹師の試験に合格したことを宣言する！」

「さらに、すぐに掌門に会いに行き、初級錬丹師の称号バッジを授ける！」

掌門に会いに行くのか？

楚歌は心の中で期待に胸を膨らませた。

掌門は玄天大陸の十大家高手の一人であり、伝説の正道の第一美女でもある。

前世の自分は極度の愛犬で、多くの素晴らしいものを逃してしまった！

この世では、しっかりと楽しむんだ！

「待て！」

隣にいた陸洋が制止し、楚歌に問い詰めた。

「どうやって成し遂げたのか知りたい。お前は陸家の人間ではないのに、どうして龍霊丹を錬成できるんだ？」

これは確かに説明が必要な問題だ。

楚歌はすぐに良いアイデアを思いついた。

彼は空を仰ぎ、嘲笑の色を浮かべながら陸洋を揶揄した。

「私は陸家の人間ではないが、陸家の人間が楚家の人間である可能性はある。」

「これで理解できるか？」

内通者がいるのか！

なるほど、そういうことか！

陸洋は突然悟った。

「楚家、お前たちのやり方は本当に巧妙だな！」

「しかし、完璧な品質で錬成する方法はどうやっているんだ？」

「家族の中でも三大錬丹宗師だけが完璧な品質の龍霊丹を錬成できる！」

この点については陸洋はまだ理解できていなかった。

楚歌は陸洋が食いついてきたのを見て、さらに大きな爆弾を投げ込んだ。

「そこまで知りたいなら教えてやる！」

「完璧な品質の龍霊丹は、私の卓越した才能だけでは足りない。」

「もし錬丹宗師が手取り足取り教えてくれたなら？」

パン！

陸洋は怒りのあまり机に拳を叩きつけ、穴を開けた！

家族が支援している三大錬丹宗師の中に内通者がいるのか！

なんてことだ、お前たち老いぼれ共が！

我々陸家が一年間にどれだけの晶石や女性を提供して養っていると思っているんだ？

それなのに、裏切りを働くとは？

彼は歯ぎしりして怒り、今すぐにでも家に帰り、内通者を見つけ出したい気持ちで一杯だった。