曖昧フォニイ

第9話 龍霊丹

「皆さん見てください、陸洋師兄は私と仲が悪く、私を追い詰めようとしている。彼に問題を出させれば、公平でないことはないでしょう。」

「これで問題ないですね？」

楚歌が皮肉を込めて言い、林長老の方を見た。

林長老は楚歌のこの一手に理解が追いつかず、呆然としていた。

同級生たちは楚歌の皮肉を聞き、陸洋を嘲笑し始めた。

しかし、陸洋は怒るどころか、逆に意味ありげな笑みを浮かべた！

楚歌、愚か者め、お前が私に問題を出させるなんて、死にに行くようなものだ。

陸家には龍霊丹という独自の三品丹薬がある。

この丹薬を服用すれば、気血を養う効果がある。

特殊なことに、龍霊丹は三品丹薬でありながら、その効果は四品丹薬に匹敵するほど高い。

しかし、価格は三品の範囲内で、コストパフォーマンスが非常に高い。

価格が手頃で、一般大衆に受け入れられ、龍霊丹は陸家の売上ナンバーワンの丹薬となっている。

しかし、この龍霊丹を錬成するためには、非常に特殊な錬成技術が必要であり、この技術は陸家の最高機密である。

外部には決して伝わらず、他人が知ることは不可能だ。

これにより、陸家は龍霊丹の販売において独占的地位を保っている！

もし私が龍霊丹を出題したら、楚歌、お前はどう対処する？

今日はお前を完全に打ち負かしてやる。

商界では陸家が楚家に常に押されているが、今日はこの屈辱を晴らしてやる。「楚歌、本当にそれでいいのか？」

「もし私が三品丹薬を出題して、お前が錬成できなかったらどうする？」

「それなら、大人しく禁閉に入るよ。」

「いいだろう！」

陸洋は心の中で歓喜し、大声で言った。

「陸家の龍霊丹を聞いたことがあるか？」

龍霊丹か？

陸家以外の誰も錬成できない丹薬？

陸洋、お前は本当に狡猾だな！

楚歌は心の中で呟いた。

林長老は怒りに燃え、袖をまくり上げて陸洋の元へと駆け寄ろうとした。

「陸洋、お前は狡猾すぎるぞ！」

「誰もが知っているように、龍霊丹は陸家の秘伝丹薬で、私でも錬成できない。」

「それを楚歌に出題するとは、何を考えているのだ？」

「教えがいのないやつだ！今すぐ一発殴ってやりたい！」

壇上の学生たちも同じ反応を見せた。

「陸洋は本当に悪だな！」

「陸家と楚家は世代を超えた敵同士で、陸家は商売で楚家に勝てない。だから陸洋は常に楚歌の前で陸家の名誉を取り戻そうとしている。これまでずっとそうじゃなかったか？気づかないか？」

「見ろ、林長老が殴りに行くぞ！」

陸洋は林長老が振り上げた拳を見ても、全く動じることなく、淡々と答えた。

「林長老が私刑を使ったら、掌門がどう思うかを考えないのですか？」

「私は規則を破っていませんよ。掌門はどう思うでしょうか？」

「掌門」という禁句が林長老の耳に入ると、彼の体はピクリと動いた。

まず、陸家は玄天大陸で名を知られた一流の家族であり、もし掌門に訴えられたら、掌門は無視できない。

次に、陸洋の卓越した才能は掌門から特別に注目されており、かつて掌門自身から指導を受けたこともある。

これは厄介だ…

林長老が振り下ろそうとした拳は、無念にも空中で止まった。

掌門の前で自分のイメージを損なうわけにはいかない。

彼は内心で考え、怒りを無理やり抑え込んだ。

楚歌は林長老の困惑した表情を見て、内心で笑った。林長老よ、なぜ掌門の名前を聞くと、こんなに弱くなるのか？

楚歌は林長老の浮かんだ拳を下ろし、陸洋を見つめた。

「いいだろう、龍霊丹か。」

「私、楚歌はそれを錬成できる！」