曖昧フォニイ

第8話 初級錬丹術

「初級錬丹術のコースはまだ三年間も残っているのに、どうやって初級錬丹師の試験を合格するんだ？」

「まさか彼が独学で習得するつもりか？」

陸洋は冷笑し、この事態を全く気に留めなかった。

林長老も頭を振り、ため息をつきながら苦悩の表情を浮かべた。

「私は数十年教えてきたが、最も才能のある学生でも、一年前に初級錬丹師の試験に合格するのが精一杯だった。」

「しかし、楚歌にはまだ三年間の授業が残っているのだ。これは無謀すぎる。」

壇上の弟子たちも小声で話し始めた。

「今まで楚歌が錬丹の授業で特別な才能を見せたことはない。これは禁閉決定だな。」

「陸洋の行動は、本当に仲間を裏切るようなものだ。彼には本当に腹が立つ。」

この時、楚歌はシステムパネルを見ながら、脳内で命令を下していた。

「初級錬丹術、すぐに融合せよ！」

【ピン、初級錬丹術融合中……】

一瞬にして、錬丹の妙なる記憶が楚歌の脳内に流れ込み、まるで錬丹宗師の何年もの経験と記憶が一朝にして統合され、頓悟したかのようだった！

【ピン、初級錬丹術融合完了。】

【主人が現在持っている錬丹術では、いかなる三品以下の丹薬も完璧に錬成できる（包括三品）。】

楚歌は宗門の初級錬丹師の試験が、任意に選ばれた三品丹薬の薬方を成功裡に錬成できれば、初級錬丹師の称号を授けられることを覚えていた。

そして、システムから授かった錬丹術は、全ての三品丹薬を完璧に錬成できるものだったのだ！

これは1000％初級錬丹師の試験に合格できるということだ。

これがシステムの力だ！

これがチートの爽快感だ！

林長老はしばらく思案し、困惑の表情を浮かべて口を開いた。

「楚歌、いや、君を……」

つい先ほどは楚歌を連れて酒を飲もうと言っていたが、今では禁閉に送らざるを得ない。

彼は非常に面目が立たないと感じていた。

全ては陸洋のこの小心者のせいだ。次回、彼の弱みを掴んだら、絶対に叩き潰してやる。

林長老は内心で愚痴り、視線の端で陸洋を睨みつけた。「林長老、私には禁閉の必要はないと思います。」

「初級錬丹師の試験、私にやらせてください！」

楚歌は自信満々に答えた。

林長老の顔には信じられない表情が浮かび、理解できない様子で問いかけた。

「楚歌、本当に自信があるのか？」

「もちろん、一度挑戦させてください！」

林長老は楚歌の自信に満ちた表情を見て、何かを考えた。

初級錬丹師の試験は、三品丹薬を一つ錬成することだ。

三品丹薬にも難易度の差がある。

もし、たまたま難易度の低い丹薬が選ばれれば、全く可能性がないわけではない。

楚歌は運試しをしようとしているようだ。

陸洋も同じことを考え、先手を打った。

「楚歌、君は林長老と共謀して不正をしようとしているんじゃないか。そんなことは許されないぞ！」

「皆も分かっているように、林長老は君を非常に気に入っている。もしわざと簡単な三品丹薬の薬方を与えて君を通過させたら、我々にとってさらに不公平だ！」

陸洋が言い終えると、洛青瑶も立ち上がり、声を上げて同意した。

「陸洋師兄の言う通りです。三品丹薬の選定は公平公正でなければなりません！」

林長老はこれを聞いて怒りが収まらず、陸洋の鼻先を指さして罵った。

「お前は私の人格を侮辱しているのか？」

「私は……」

楚歌は林長老と陸洋が争っている様子を見て、内心でほくそ笑んだ。

実際のところ、彼らがどう争おうと、三品丹薬であれば無敵だ！

無知な修士たちよ、システムの力を理解できるものか？

今日は陸洋が自分と対立するつもりのようだ。彼に教訓を与えなければならない。

林長老が不正を働くのを恐れているのか？

それなら君自身に問題を出させ、顔を腫らしてやる！

「分かりました。そういうことなら。」

「陸師兄に問題を出してもらいましょう！」

「小弟はどの三品丹薬でも、錬成する自信があります！」

陸洋は眉をひそめ、楚歌を見つめる目に殺気が浮かんだ。

楚歌、お前はなぜそんなに傲慢なのか？

本当にお前の顔を腫らしてやりたい！