第10話
ふとナナちゃんがカッターナイフを持って「出てきてる液体が本当に内蔵なのか見てあげたほうがいいんじゃないかな」なんて意味不明なこと言ったので私たちはパニックだったこともありソラちゃんの腹にメスを入れた。ソラちゃんの悲痛な声に耳をふさぎたくなりながら。腹を切り開けると中は空洞の様になっており見たことのあるあの赤黒い液体がたまっていた。ゆめちゃんが「この液体出しちゃった方がいいよね」と言ったのでソラちゃんを仰向けにしてゆすってあげた。三人血まみれになりながら。空っぽになったお腹の中を覗いていると、少しずつ再生しているのが分かった。その間もソラちゃんはかなりつらそうにうなされていたが、三人はほっとして石を倒さないように静かに喜んだ。30分ほどたつと手足はすでに生えそろい、内臓も治り心臓の鼓動も弱弱しいが戻ってきた。切った腹の隙間から少し内臓が見えていたのでみんなで喜ぶと同時に本当に人間とは別の生き物だと思い知らされた。それを本人に伝えることは絶対にあってはならないが、少し怖かったのは事実だった。それから2時間ほどで腹の傷も完全に消えて、脳の損傷も完全に治ったらしくやっとの目覚めだった。
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