0463:情報収集部隊隊長
姫様周辺のアレコレ……は。さらに情報が集まり始めていた。
メールミア王国はとりあえず、他国を挟んでいるので関係していないのだが……いつ飛び火するか判らないってとこ?
その辺、順次、ノルドの狩人、女性でも腕があるのであれば、冒険者として派遣し、あまり積極的ではない情報収集をお願いしている。危険な場所に飛び込めと言う事は少なく、極力普通に活動し、普通にオベニスに連絡をする。
もしも他国に検閲されても問題無いレベルの情報収集作業だ。それでも、電話やネットなんていう情報伝達の手段がほぼ無いこの世界では、かなり有効だ。多分、他の国や機関もやってると思うが、ここまで大規模にやっているのはうちだけじゃないのかな? 話を聞くに。
それにしても……周辺国は完全に大もめ状態にあるそうだ。
モールマリア王国は現在、絶賛停滞中だ。イガヌリオ連邦の北部分を占拠したまま、国境の南下を目論んでいる。
その隣。クリスナ公国は公爵家(王家)が黒い鎧の戦士と交戦。現在も混乱の渦中にあるらしい。第五公女であったミルビネット姫がうちへ逃げてきた件ね。
クザン連立君主国では魔物の大氾濫が発生。国全体が混乱しているらしい。
さらにフェノナム連邦国とその南方のベネルビア沿海州連合がきな臭い。既に、前哨戦的な戦端は開かれ、沿岸都市にベネルビア沿海州の海賊が攻め込んでいるとの事。この戦争、二国が戦う理由が良く判らない。何か企んでる人が裏にいる気がする。
オルゲン・ジナス帝国は吸血鬼の国と化しているのは間違い無いようだ。ただ、そこから外へ侵攻する意志があるのかどうか……余力があれば強引に攻め込みそうだ。
そのさらにさらに東の森域は騎馬民族ジェナンに滅ぼされた。
その騎馬民族ジェナンは北方へ移動しているらしい。彼らがどのような行動原理で動いているのかは謎のまま。少なくとも領土や支配圏の拡大の為に侵攻を続けているのでは無い感じだ。
「諸情報を集めた場合、こういうことになります」
ミルベニが説明してくれた。彼にノルドの指揮を含めた情報収集の統括をお願いしたのでまとまった情報説明がなされる。正直、判りやすい。
「さて。情報収集に関してはどうにかなるということが判りました。この後……はどうしますか?」
「ん?」
ああ、イリス様はその辺なんていうか、この手のことに関して、面倒くさくなっている。ずっと。
「正直、騎士団の元冒険者やノルド狩人の中でも手練れにさらに奥深い様々な工作を行ってもらう方向もありかと思うのですが」
それな。
「問題は情報収集部隊が一気に危険になる事だよなぁ。ただでさえノルドは目立つし」
「ええ。実働部隊はヒームで構成するのが良いと思うのですが……めぼしい人材が……」
「そうだねぇ……そういうのは主に、モリヤ隊の面々に任せてきちゃったからなぁ」
「我が領の最高戦力をそこに投入するというのは悪くないと思うのですが……もう少し規模を大きくする必要があるかもしれません」
「たださ、これだけ大規模に情勢が動いていると、何か一つ強引に動かすとどんな影響があるか判らなく無い?」
「ええ、確かに……というか、何故……各国で大規模な動乱とか変革が起こっているのでしょうか?」
「……伯爵……オルゲン・ジナスだっけ?」
「はっ」
「全体的に、悪魔の仕業、九大伯爵の仕業とか……あるのかな?」
「……言われてみれば。有り得る話……ですよね」
「ああ。スライム伯爵が出現してからかなりの時間が経過してるからね……他の伯爵達が動き始めてもおかしく無いよね」
「そういうことですか……では世界で同時に残り八つの異変が起こる可能性がある……と?」
「少ないと良いけど、最大はそれじゃないかなぁ? うちの情報部に掴めていない事もあるだろうし」
「それはそうですね……」
ゴンゴン!
ノックと言うには少々荒々しく、領主の執務室の扉が鳴った。
「なんだ!」
当然、イリス様の返答も大きくなる。
「り、竜、竜が! 竜が炎を! オベニス上空に!」
「何!」
スチャ!
と、既にイリス様が机の脇に置いてあった剣を手にしている。
「行くぞ、モリヤ!」
「ええ……」
とりあえず、腕力上昇、防御力上昇、魔力対抗力上昇、速度上昇……知っているだけの術をイリス様に掛ける。
「先に行く!」
早い! でも、総大将が単独行動って……。共の者っていうか、こういうときこそ近衛なミスハルの出番なんじゃ。
うっわ。既に見えなくなってしまった。あーもーワクワクしちゃってるーなんだかなぁ……もう。竜だからなぁ……断末の呪い……の解除がね。出来るようになったからね……。何の心配も無く戦えるよね。そうだね。ワクワクだね……ってちげーよ。
「! オベニス地上はまだ復興途中のエリアが多いんですから、イリス様! 聞こえて無いよな……。壊さないで欲しいなぁ! というか竜ってまた、火か! 吐いたりしてるってこと? やばいじゃん!」
「モリヤ様、多分、既にファラン様が初期対応されていると思います。今日は上で執務を行うと仰ってましたから」
「あ。ああ。そうか。あ。そうか。俺も行くわ」
行き先がオベニス地上なら、俺だけは転移の術が使えるの忘れてた。
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