0440:お目覚め

 肉はミアリアが狩ってきてくれた。この辺はしばらく人がいなかったようで、獣狩り放題だったようだ。俺の収納には肉も大量に入ってるんだけどね。まあ、なんでも新鮮な方が良いか。多分、周辺の調査も兼ねていたんじゃないか? と思う。


 ただ、香辛料を多数手に入れた俺の料理能力は、ステーキですら新次元に突入させた。というか、幾つかの香辛料(胡椒みたいのとか、ナツメグみたいのとか、ガラムマサラみたいのとか)の中に明らかにガーリックっぽいのがあったのだ。そのおかげなだけだけど。


 そういえば……よく考えなくても迷宮産以外で、ニンニクって無かったな……と。ゴソッと頂いた中に、カレー粉と同じくらい量保管されていたのがこれだった。これは大きい。


 ニンニクって……料理をする人には判ると思うが、ごく少量入れただけで味の

「色」とか「こく」が激変する。それこそ、加減が重要で、入れすぎると口にしたときに気持ち悪く感じる人が出てくる。

 生ニンニクではないので幅は狭いのだが、顆粒のおかげで素人の俺にも調節しやすい。紅武女子にカレーを作った時に迷宮産のヤツを少し使ったんだよな。久々だ。


「あらあらあら~いいにおーい」


 それは突然現れた。え? なんだこれ。


 そりゃイリス様とかミスハルなんかに比べれば全然なんだけど、気配に関してはそれなりに判る様になったハズなのに。

 

ショウイチ・モリヤ

界渡り 男 力162 躯137 器120 敏114 知610 精705


言語理解

能力付与

多重処理4

眷属守護


感覚共有5

→能力強化

 経験共有

 感覚共感


気配察知

脅迫4


武芸3


魔力制御6

→風6

 土4

 光6

 癒6


モギの指輪スキル:消費魔力

収納:10

鑑定:100

転移:500


 それなりに訓練もしていたので能力値も若干上がっているし、風属性の魔術を使って訓練していたせいか気配察知も生えている。にも関わらず。その女は俺の背後にいきなり表れた。


「あらあらあら~ごめんなさいね~そういえば~いきなり転移しちゃダメってよく言われてたわ~」


「叔母様か!」


 オーベさんが台所に駆け込んできた。白いローブ。オーベさんと同じ白い長い髪に緑の目。身長は……俺よりも少し低い。165センチくらいか。顔立ちも似てるし美形だとは思う。でも、病的に痩せていて顔色も良くない。髪の毛と同じように、顔色も白い。さらに着ているのは白い貫頭衣の様な衣装。多分、アレ、ずぼっと被っただけだな。


 整った顔立ちは確かに、オーベさんを大人にした感じ……というところだろうか? うり二つというわけではないが、かなり似ている。姉妹には見えるな。


「叔母様?」


「ふ、フリージア叔母様ではないのですか?」


「フリージアは私だけど~えーと。おばさま?」


「アラビスとシャーリアの娘、オーベシェです。叔母様は間違いでしょうか?」


「あらあらあら。あらあら。そんな時間なのね~そうねぇ~アラビスとシャーリアの~あらあら。オーベシェ……良い名前ねぇ。シャーリアはそういうセンス良かったものねぇ~あの子の娘なの~そうすると……間違いでは無いけど~叔母様はダメ。姉様にして」


「あ、は、はい、フリージアお姉様」


「ん、よろしい。貴方が起こしたってことは~寝てたのそんなに長くなかったのねぇ。というか、私の病気……治る目処が付いたのかしら? それとも、何か緊急時で危険が迫ってるとか?」


「は、はい。治る目処が付いた方です」


「まあまあ、それはスゴイわ~ってことは、目覚めてすぐに死を覚悟する必要が無いっていうのは素晴らしいわ~」


「詳しいことは、体調が本調子になってから話しましょう。おば、いいぇ、お姉様の病は起きてスグに悪くなってしまう様な状況でしょうか?」


「そこまででも無いと思うわ~生きてた頃の薬師の判断だと~もって数十年って話だったから~」


「ならば余裕がありますね。まずは、体力回復するのが一番かと思います」


「そうね~でも、魔道具に組み込んでおいた体力回復、癒しも体質調整もちゃんと動いたみたいだから~数日……遅くても十日くらいあれば戻ると思うわよ~それよりもお腹空いちゃった」


「普通の食べ物で大丈夫ですか?」


「うん、内臓もちゃんと動いてると思う~お腹が空いてるってことはそういう事だし~」


「では……我が主よ。料理を一人分増やせるか?」


「ええ。問題無いですよ。本当に消化の良い物とか、病人食じゃなくて大丈夫ですか? それも……多分作れますよ?」


「うん、もう平気~お肉食べたい。特に血になるような物がいいわ。って、あらあらあらあら? オーベちゃんが我が主って言ったってことは~御主人様ってことよねぇ。なのに……料理人? なの?」


「お姉様、その辺も説明致します。とりあえず、こちらへ」


「はーい。んじゃお願いね~」


フリージア・ミード

ハイノルド 女 力87 躯69 器342 敏34 知267 精352


思考鋭敏

隠蔽行動1

魔道具5

気配察知


魔力制御6

→火1

 風5

 水2

 土2

 雷3

 氷2

 闇2

 召4

 癒1


 まだ本調子じゃ無いだろうに……この数値。さらにスゴイのが……魔術属性だ。おかしく無い? 何これ。光が無いか。でもそれ以外? 魔術全部使えるの? って全部使うだけなら俺も出来そうか……ってそれは界渡りだからなのに。


「あ。今、覗いたでしょ。ダメよ? 乙女の秘密だってあるんだから」


 あ。バレてる。






-----------------------

おすすめレビューに★を三ついただけるのが活力になります!

ありがとうございます!

さらに、おすすめレビューにお薦めの言葉、知らない誰かが本作を読みたくなる言葉を記入して下さると! 編集者目線で! マネージャー目線で! 

この小説が売れるかどうかは貴方の言葉にかかっていると思って!

やる気ゲージが上がります。お願いします!


■最新宣伝です。

31歳から始める能力付与者[1]

-マッサージで天下は取れるのか? 取れそうだ-

第一巻絶讃発売中であります。


カクヨム近況ノートに紹介画像があります。


詳しくは自分のX(旧Twitter)にリンクがございます。


よろしくお願いします。


■宣伝です。原作を担当させていただいております。

無料です。よろしくお願い致します。


[勇者妻は18才 第1話] | [ゆとり]

#Kindleインディーズマンガ で公開しました。

Amazonで今すぐ無料で読もう!⇒

「直リンしちゃいけないんですってググってね」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る