31歳から始める能力付与者 ～マッサージで天下は取れるのか？ 取れそうだ～ ※全面改稿版

0427：探索用荷物

　迷宮にはボスがいる。法則性は無いらしいが、五～十階層くらいの単位で、ボス部屋が存在し、それを倒すと転移陣が出現する。転移陣は基本地上に戻る仕様になっている。さらに、通常の迷宮だと第一層に「一度行った事のある転移陣のある階層直後の階段」に跳ぶことの出来る特殊な転移陣があるそうだ。

　……ってそんなの無かった。最初から。

　と思ってよーく調べてみたら。単純に茂木先輩が削除しただけ、だった様だ。

　トラップ等が並んでいる項目の中に、通常の転移罠（各階層への移動は現在、この転移罠で行っている。第一階層居住区の領主館の地下に倉庫があり、その奥に隠し部屋的な転移部屋がある。跳び先は第二階層）と別に、転移陣（途中開始）と転移陣（脱出）が存在していた。

　んーと。これは結構使いづらいな。脱出場所は転移陣（途中開始）になるのか。って、今、うちの迷宮は削除されちゃってるから、ボスを倒しても帰って来れないじゃん！　やべっ。それは致命的。

　慌てて転移陣（途中開始）を療養所の地下に設置した。療養所はかなり大きい建物にしたので、空き部屋もあるし、地下はそのうち使うかと思ってほぼ使っていない。通常は鍵を掛けておけばいいだろう。ついでに地下の領主館から直接ここへ跳べる様にもしておく。

　多分じゃなくて絶対、イリス様が行きたいと言うはずだからだ。

　そして、迷宮への入り口となる六階への階段踊り場に跳ぶ、転移罠も設定した。

　これで。再度、迷宮への入り口が開いたという事になる。ここからしか跳べないので、入れる人間は限りなく限定されているが。

　さて。迷宮探索で問題になるのが荷物である。

　この世界では迷宮に入るパーティは五名が相場となっている。慣例ってワケで無く、罠や転移陣、扉の鍵などが五名でないと起動しないし、そもそも階層の人数制限等の理由があるためだ。それは深層に達すれば達するほど顕著になる。

　ひとつのパーティは五名までとして。幾つかのパーティが協力して迷宮探索を行おうとすると、いつの間にかグチャグチャに分断されてしまう上に不具合が生じるらしい。転移陣が起動しない等の不具合も発生したなんてケースもあるとか。

　なので、パーティは五名。多くの冒険者の命が下敷きにされた重要なルールと言える。

　なので、全員がソロで戦える事が前提となっている。罠の中には、五人が別々の場所に転移させられる……なんてものも多いためだ。

　俺の知っているMMORPGの様な役割分担をしたパーティ構成……戦、勇、弓、僧、魔なんていうテンプレは有り得ないということだった。

　そう言われてみれば。癒しの術を使う治療士はいるが、冒険者に専門の治療士はいない。回復職なんてロールもないし、白魔道士も、僧侶も、薬師も治癒術士もいない。

　ただ、癒しの術を使える冒険者がいるだけである。冒険者は冒険者であって、それ以上でもそれ以下でもない。

　魔物と戦える。まずはソレありきの存在。それこそ戦える上に、魔術が使える、罠が外せる、地図が描ける。そういったプラスアルファのある者が普通なのだという。

　逆に……ほぼ戦う事しか出来ない、イリス様は結構特殊なのだそうだ。

「イリスくらい強ければ、持っているのが武器だけでも許される」

　ファランさん談である。

　ということで、武器防具以外の荷物は各自分担して持つ事になるのだが。

　これがなかなか大荷物なのだ。通常の気候の階層でも毛布、食糧、水、灯りの魔道具、ロープ、くさび、ハンマー、油、布きれ。最低限のセットがこれだ。特に食糧、水は非常にかさばるし重い。水の術が使える者がいると、それを気にしないで良くなるのだが、紅武女子のメンバーがどんなに優秀だといっても、組み合わせによってはそう上手くはいかないはずだ。

　さらに罠を解除する細工道具、火付け道具、マッピング用の画板や筆記用具、場所によっては、防寒具、天幕等も必要となる。

　まあ、一番問題の火山、氷原なんていう階層は、行けるところまで行ってヤバかったら戻ってきて、準備し、再度挑戦となるだろう。

「モリヤ……そういえばなんだが。王国の宝物庫丸々奪ったよな？」

「奪っただなんて人聞きが悪い。正統な慰謝料として頂いたのです。アレは。ちゃんと多すぎた分の貨幣はお返ししたじゃないですか」

「ああ、まあ、うん、それはそうなんだが。あの時……の宝の中に、使える魔道具はないのか？」

　あ！　さ、さすがイリス様。なんていうか、戦闘に関することと、迷宮に関すること……アレだ、冒険に関する事、かな？　には本当に抜け目がない。

　ということで、入れっぱなしの収納を色々と漁ってみた。実は面倒になって全部指輪に収納してそのままになっていたのだ。

　最終結論を言うと。解決した。食糧を生み出す魔道具。水を生み出す水筒。畳むと小さくなる毛布、マットレス、天幕。油の染み出てくる石。嵩張る物が一気に縮小された。文字通り国宝の魔道具だが、使わないよりも使った方がいいだろう。

　というか、マジックバックとかないのかなぁ。拡張バックとか。俺のムチャな収納までいかなくても、それに近いモノがあれば……一気に解決するのに。オーベさんの次元収納はかなり小さいみたいなので。そう上手いこといかないか。

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

おすすめレビューに★を三ついただけるのが活力になります！

ありがとうございます！

さらに、おすすめレビューにお薦めの言葉、知らない誰かが本作を読みたくなる言葉を記入して下さると！　編集者目線で！　マネージャー目線で！　

この小説が売れるかどうかは貴方の言葉にかかっていると思って！

やる気ゲージが上がります。お願いします！

■最新宣伝です。

31歳から始める能力付与者[1]

-マッサージで天下は取れるのか？　取れそうだ-

第一巻絶讃発売中であります。

カクヨム近況ノートに紹介画像があります。

詳しくは自分のＸ(旧Twitter)にリンクがございます。

よろしくお願いします。

■宣伝です。原作を担当させていただいております。

無料です。よろしくお願い致します。

[勇者妻は18才　第1話] | [ゆとり]

#Kindleインディーズマンガ で公開しました。

Amazonで今すぐ無料で読もう！⇒

「直リンしちゃいけないんですってググってね」

そして、自分は手伝った程度ですが、こちらも。

[メロメロな彼女　第1話] | [ゆとり]

#Kindleインディーズマンガ で公開しました。

Amazonで今すぐ無料で読もう！⇒

「直リンしちゃいけないんですってぐぐってね

単行本一巻、二巻もよろしくお願いします。

ブースで売ってます。

「直リンしちゃいけないんですってぐぐってね」