0424:面倒多発

 モールマリアに恨みは無いが、あまり勢いが付きすぎるのも困る。バガントリガンの例を考えても、間接的にこちらが面倒な事になる可能性が高い……ということで、黒い、真っ黒な奇襲攻撃を仕掛けて、早々に離脱した。


 ここに居るのがミスハルとオーベさんで良かった。こういうので一切卑怯とか思わないタイプだし。って、我が妻たちはみんなそうか。


 オベニスに到着すると……迷宮探索班の紅武女子がイリス様にしごかれているという情報と、その紅武女子への装備をドガル達ガギル族がとんでもないスピードで用意しているという情報が即入手出来た。


 そして、その情報はオベニスで活動していたモリヤ隊、我が妻からの報告で、ハッキリとは言わないが、武器も防具もさらにはイリス様との手合わせ(特訓)がズルイ……私たちもしたい、欲しい、というニュアンスが。大きく。


 笑。平和で良かった。


 とりあえず、まだ、南東、ホムラ森域のガギルへ派遣した情報部員からの連絡も無いようだし、同じ方向の調査を頼んだミルベニからも音沙汰は無い。


 が。


 気になる情報が一つ入ってきていた。イガヌリオの南。メールミア王国から西南に当たる位置にあるクリスナ公国がなにやらおかしい……という噂……である。そっちへ派遣している情報部員からの連絡も途絶えている様だ。確実に何かあったのは間違いないだろう。


「帰り道だったのだから、偵察してくればよかったですね」


 ミスハルの言う通りだ。戦争対応を優先してしまって、その周辺を探るのを失念していたかな……まあでも、仕方無いか。


 クリスナ公国は東側でイーズ森域と接している。とりあえず、イーズ森域南西のノルドの……南アビン集落だったかな? と連絡を取るように伝達する。念のため……モリヤ隊からも誰かに行ってもらうことにした。


 で。オブルイット森域のガギルの窮状を救うために行って、帰ってきた現状を整理すれば。


・迷宮の深層に何があるのか? 迷宮に潜る事にどんな価値があるのか? →ホムラ森域のガギルの情報待ち。


・ホムラ森域よりも東の地を制覇しつつあると噂の騎馬民族国家? ジェナンについて→ミルベニの情報待ち。


・迷宮探索準備→イリス様が直で指南中。装備も完成間近。


・モールマリア王国動向→イガヌリオ連邦と交戦中。帰還時に小競り合い? に水を差して置いた。


・メールミア王国サビエニ辺境伯が蛮族に攻め込まれている件→現在も調査続行中。なぜ、自爆テロ的にゲリラ活動を行っているかは謎。ただ、サビエニ辺境伯領は東のデービア蛮族群領域からの脅威が激しくなっている。険峻と噂のザビエニ山脈を越えて襲い来るため、攻め込む蛮族側被害も大きいようで物資や人の略奪が成功しているとは思えないそうだ。


・クリスナ公国で異変発生中。情報部員と連絡不明に→部員増加+モリヤ隊の誰かを派遣。


 面倒ばっかりやないかい! なんじゃこれ。もう少しゆったりと出来ないものか。むふう。同時多発で色々と起こりすぎだと思います……。純粋に領として対応出来かねる問題ばかりだし。


 東からの蛮族は相変わらず、サビエニ辺境伯領を越えてメールミア内陸部で、十数名、少人数部隊での単発的な襲撃を繰り返している様だ。うーん。何がしたいのだろうか? 蛮族の戦士単体でなら、準強者くらいの強さの様だが、それでも、都市や街を襲撃するには数が足りない。それくらい、過去の侵攻で理解しているだろうに……。


 ってそれを理解しないから蛮族なのか。うーん。本当かな? そうなのかな? とりあえず、あれ以降、オベニス領へ直接の被害は無いのでまあ、良いか。


「そういえば、我が主。ベニタケへのマッサージで微量だが数値が上がっていた件はどうするのじゃ?」


 あ。


「すっかり忘れてましたよ……それ」


 うーん。あれなぁ。女子高生をマッサージするという罪悪感がなぁ。ハンパないんだよなぁ。だって、他人がそれを見てて通報すればそれで即前科者な世界で生きてきたわけだからね。いくらその手のルールが無い世界と言われてもさー。鵜呑みには出来ないし。


 なんだかんだで奥さんが13人いるからね……。持っている者の余裕ってヤツなのかね。正直邪な野望とか、好かれたいとかそういう感情は一切湧いてこない。なんか、男としてそれでいいのか? と思わないでもないけど、いいだろ。うん。それで。ある意味傷付いている彼女達に対するにはそれくらいの方が気が楽だろうし。


 何よりも……切羽詰まってないのがね。まあ、そうなってから困ってもやばいのかもしれないけど……今はなんとかなってるし……ってそういう考え方はいかんのかな。何だかんだで上に立つ者として責任があるわけだし。でもなー。


「と、とりあえず……後回しでいいですかね? その件」


「ああ、それはそれで良いが……あの……そのだな。我が主よ」


「はい」


「そろそろ、あの、私も、ローテーションに加わりたいのだが」


 遂に……か。実は。イリス様、ファランさん、モリヤ隊、ミスハルは既にそういう関係となっているのだが、オーベさんだけ、後回しになっていたのだ。ぶっちゃけ、マッサージだけで、これ以上強化しなくても大丈夫なくらい強くなっていたからというのもある。


 本人からも、もしも、種族が変わることでハイノルドとしての能力を失った場合を考えて、様々なデータを取り保存する必要があるので、後回しで良いと言われていたのだ。つまりは、データ取り等が一通り終わったという事だろう。


 まあ、ええ。そちらは、はい。覚悟は出来ておりますので。ええ。した後……最初は必ず寝込むからね。なので、ちょっと余裕が無いとね。はい。ええ。いえ、大丈夫でありますよ。はい。緊張はしますけど。ええ。


 



 





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