0405:受注生産

「はい、では紹介します。ガギル族のドガルさんです。皆さんの装備を作ってくれる優秀な職人さんです。職業的には鍛冶師ですね。各種希望を聞いてくれると思います」


 ざわっとする。ここは療養所の一室。会議や打ち合わせ用になっている大きめの部屋だ。紅武女子の武装を作ってもらうため、ドガルと、その配下の妹さんとか数名。元モボファイ鉱山組とでも言えばいいのだろうか?


 この組の特徴はドガル以外は全員女性という所だ。なので、紅武女子に対して色々とコミュニケーションを取らなければいけない場合、非常に話が早い。


 採寸するのに、どうしても身体に触ってしまうし、鎧下なんかの場合、グイグイ突っ込まれたりする。うん。どう考えても女性じゃないと、だろ。


 宇城さん、八頭さんを始め、まあ、迷宮に挑む気のある人が集っている。


「ドワーフ……ではないけど、そうではないけど、そんな感じですか」


「ああ、その理解で合っている。ちなみに本当におかしいほど酒が好きだ。全員」


「まあ、素敵! テンプレ!」


 八頭さんはなんていうか、異世界物とか、ファンタジーとか大好きっぽい……とよく考えたら、彼女飛び級してるけど年齢的にはまだ中学生なわけで……厨二バリバリ現役じゃん……。そりゃ好きだよね。この手のもの。


「まあ、何が出来て、何ができないか……っていうのはちゃんと話をしないとかな。ドガル、よろしくね」


「は、はい、お館様」


 ドガルはいきなりなんか若いヒームの女達の前に連れてこられて面食らったのか、緊張し始めている。


「あ、えと……あの、欲しい武器があれば言ってください」


 それ以降の言葉が出てこない?


「あのーなんでも良いんでしょうか?」


「はい、お、俺に判るモノであれば」


「マシンガンとか……スナイパーライフルとか」


「あーその手のは……魔道銃っていう魔力を使用した銃を開発中なんだが~うーん。まだ、今ひとつしっくりきていないんだよね」


「申し訳ありません」


「いやいや、とんでもないスピードで開発が進んでるから。ドガルに、ガギルに任せてから。なので、慌てずに。あ。で。銃だけど、ドガルに設計図レベルで指示ができるのなら、発注しても良いよ? 出来上がるまでに時間がかかるだろうけど、多分、いつかは仕上げてくれるだろうし」


「うーん。銃に詳しい……そんな人いないしなぁ……」


「まあ、そうだろうね……俺も簡単な火縄銃的なモノは提示出来たので、それを改良して作ってもらってる。なので、銃は今は無理かな」


「あの……薙刀とか……可能でしょうか?」


「大きめの弓をお願い出来ますか? って鍛冶師の方にお願いするのであってましたっけ?」


 お。結構声が上がる。良かった。迷宮攻略という課題を前に、それなりにやる気は出てきている様だ。傷付き、ヤバメな人は本気で療養していればいい。冷たい様だが、強制的に魔物の巣に放り込んで短時間で精神的な立ち直させる……なんていうフォローが大変なやり方はしない。というか出来ない。若い女の子との付き合い方も知らないしね。バイトはほぼ、おばさんばかりだったし。


「えーっと、弓とか武器とか木製のモノや、革を使用した持ち手とか、当然、そういう要望も聞けます。ドガル、弓はノルドなんだっけ?」


「は、はい。革もです」


 オーベさんに仕えると言い切って移住してきたイーズ森域北アビン村の革職人、弓職人が独立し、職人として活動している。その辺はガギルと同等、プライドを持ってお互いが張り合うかのように競い合っている。

 とはいえ、別にガギルが作れないわけでは無いのだ。全体的にそちらとなっているだけで、鍛冶師でも弓や革が扱えないわけでも無い。

 

 なんていうか、ガギルは、優秀な職人の多い種族って感じだろうか? 鍛冶特化だけど、長年弓を作っているガギルの弓職人はノルドの弓職人よりも優秀らしいし、革を扱っているガギルの職人は、これまたノルドの革職人よりも上となる。


 とんでもない万能性……ってまあ、職人に向いた種族、全体的に器用なんだと思う。やればできるのだ。ヒームだってノルドだって鍛冶師はいるしね。


 でも最終到達点、最高級ランクの武器→防具を作るなら、上限対応ができる職人の方が良いって感じだろうなぁ……。


 日常的にガギルの武器防具を見ちゃってると、それに慣れてしまって当り前になりつつあるけど……余所の土地からやって来た冒険者の鎧とか、酷いもんだからなぁ。

 だって、留め金とか、革のベルトとの噛み合わせ部分とか、本当に拙いパーツが散見されるし、全体のフォルムもゴチャってしてるんだもん。まあ、その辺をゴチャっとしてると思えるくらいに眼が肥えてしまったと。


「基本的な、そ、素材はミスリルが良いとお、思う。ここにいる全員……魔力もかなりあるし、自然にそれを操れてる……気がするので」


 そうなんだ。ああでも、イリス様もそんな感じのことを言われてたな。ファランさんに。魔力があるのなら、ミスリルは非常に有用な「使える金属」になるって聞いてるしな。









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