0388:乾かしたけどね。焚き火で。

 で。話がズレた。「約束の地」についてだったか?


「さっきの「約束の地」について、もう少し情報が欲しい気がします。つまり、ガギルの鉱山へ問い合わせを行います。なんでも、長の証、刻印、焼き印をドガルが持っているんですが、それを押した書簡での会話はドガルにしか見えない様になってるので、長同士のやり取りが秘密に出来るんだそうです。なので、ドガルに手紙を書いてもらって、伝わっている伝承の文句を教えて欲しいとお願いしてもらいましょう。普通なら無理らしいですが……そこはうちの強みを使います」


「ガギルに……酒か」


 さすがイリス様。本当に……本質を見通す力は凄まじい。真面目に書類仕事にも挑んでくれれば、すぐに優秀な領主になれると思うんだけどなぁ。やる気が一ミリも無いからな。


「で。その上で。今あるヒントの迷宮なんですが」


「迷宮!」


 いやいや、イリス様……貴方は戦争に行くって決めてたでしょ? 同時に二人は存在できませんよ?


「迷宮の五階層以降、最深部へ潜るチャレンジも始めないとだと思います。アレ、真面目に下りていくと45年くらい掛かってしまうので」


「そんなにあるのか!」


「六万五千階層あります」


「なんと! スゴイ!」


「それは……「最も深き迷宮」というヤツではないか……? 途方もなく深い迷宮で終わりなき試練としておとぎ話などに登場する」


 ワクワクしちゃってるなーしてるなーイリス様が……元々迷宮大好きっ子だからなぁ……。うーん。臭いのに。良く大丈夫だよな。アレ。


「まあ、迷宮は「戦乙女」中心で攻略しようかと。45年掛かるのは考え物ですが……何か抜け道が無いかと思っています」


 あ。明確にしょぼんとした顔になった……。面白いな。あ。悩んでる? いやいや、どう考えても戦争の方をお願いしないとでしょう……。セズヤは為す術無く奪われてるみたいだし。というか、セズヤ……強者、傭兵団とか雇ったりしてないのかな? 人材不足……か。


「迷宮のシステムを解明させないとなんですよね。なので、チャレンジして無駄にならないように「戦乙女」の子たちの経験を稼いだ方が良いかと思って」


「しかし……そんな年月を掛けて隷属を解くというのは……」


「ええ、過酷ですよね。なので、オーベさんには継続して迷宮を利用しないやり方を研究、考察していただきたい。資料の取り寄せなんかもあれば、できる限り融通します」


「判った」


 隷属の解除はできれば迷宮の深層部頼みにはしたくない。


「とりあえず、迷宮は逃げません。イリス様はイロイロ終わってからチャレンジお願いするということで。でじゃまとめます。今回は


「セズヤ派兵」

「西へガギル訪問」

「迷宮挑戦」


この三つですね。セズヤは……イリス様とモリヤ隊から数名。自分も行った方がいいのでしょうが……少々気になる事もありまして。今回はオベニスに残ります。ガギルの鉱山の訪問は……遠方はモリヤ隊から。比較的近い場所は情報部でどうにかなると思います。任せましょう」


「気になる事というのは?」


「南……の調査を若干厚めにしています。まあ。調査に合わせて香辛料を求めての事なんですが。なんでも……遙か東南にあるジェナンという騎馬民族国家が……様々な国に攻め寄せている様です。噂レベルですが、ジェナンという国名は何度も聞こえてきています」


 まだ、幾つか国をまたいでの噂話の様だ。ハッキリとしたものではない。が。脅威なのは間違いない。


「で。迷宮挑戦の参加者は「戦乙女」の中から選別しましょう。そろそろ身体を動かしたがっている娘もでてきているみたいなので」


「そうか。回復しているのなら良かった」


「はい。まあ、この世界の人と比べて、精神的に弱いですからね。油断は禁物ですが」


「モリヤは弱くないだろ……腕力はともかく精神力は」


「え? そんなことないですよ? ムチャクチャ弱いですよ。ビビリですし」


「ビビリ?」


「怖いことがあると足が竦んで動けなくなるとか」


「……まあ、確かに最初は漏らしたか」


 あ! 


「ん? 漏らしたのか?」


「え?」


「最初に森で会ったとき……既に漏らしてたよな?」


 がーん。酷い……。


「ぷっ」


「くすくす」


「アーハッハハハハハハハ!」


 大爆笑でした。






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