0384:知ってる? 平気?

「どう思う?」


 手には、忘れないように慌てて書き留めた紙。


「約束の地の奥深く。声も光も届かぬ奥深く。隠された希望は全てを叶える。約束の地は約束を破らない。山も風も海の色も。一番深く。一番で無くとも、特別なのだから。青い光となりて夜空をこえ、行くのだ」


 こんなんなー。


「……あの……解散した有名なグループの……アイドルに疎い私でも知っているレベル……」


「カラオケトップ二十には必ず入って来る名曲から引用ばかり」


 だよね……。


「これをさ、ガギルが……それこそ、千年、いや……二千年? もしかしたら三~四千年? レベルで伝えてきたと思うと……なんていうか、うん。罪深いよね」


「本人は……そこまで悠久の時を超えるとは思わなかったのでは?」


「そうだと思う。この世界と俺達のいた世界、時間軸がずれてる気がするから」


 急遽、宇城さんと八頭さんを呼んだ。なんか、代表して話をするのはこの二人で良いらしい。他の人たち、未だ立ち直っていない娘達以外の意見としては、自分の判断に自信がない、いつも任せてる、会長なら平気。良く判らない、なんていう感じだった。あと、ちびちゃんがいればダマされることも無いし。なんてのもあった。なんでも、会長は結構天然なので、一流の詐欺師にはダマされそうな怖さがあるらしい。その点をフォローするのがちびちゃんの抜け目ない視点ということで。


 俺、騙さないのにな~まだ信用されてないんだろうな~。笑。まあ、それくらいの方が良いか。変に距離を縮められて媚びてこられたりしたら正直、困るし、対応出来ない。なので敢えて、あまり、自分がハーレム男だってっていう噂を否定していない。実際、ハーレムだしな! しかも外見だけなら海外パリコレモデル軍団とかそういうレベルだし。中身はともかく。


 幸せ……者なんだよね……この異世界に日本の常識とかモラルとかには当てはまらないだろうけど……自分以外の誰かに必要とされるのは、幸せなのだ。彼女たちは命がけで俺を思ってくれている。グダグダと違和感を感じていても、俺はそれを返さないといけない。それが、俺の義務だ。


 で。今回のドガルからの情報だ。


「ドガル……いや、ガギルに伝えたのが日本人、そして界渡りなのは確かだよね。で。その人がどんな能力を持っていたのかは判らない。でも、気になるのはその内容だ。隠された希望、全て叶える。約束を破らない。一番深く。そして……日本人に判る言い回し。多分ヒントだと思う」


「……そうです……ね?」


 会長が八頭さんを見る。多分この手の推理とかはちびちゃんの分担なんだろう。


「ええ。そうですね……杜谷さんの言う通りだと思います。後のは日本人に対する指摘。大事なのはその前……。これ……あの……」


「ああ。変な希望を持たせたら……と思って言わなかったけれど」


「はい。願いが叶う、日本に帰れるということでしょうか?」


「帰れるか……どうかは判らない。ただ、この世界限定で希望を叶えるのは確実なんじゃ無いかな? つまり、最悪でも隷属状態の解除ができる。……わざわざ日本人がそんな暗号みたいな事をして、言い伝えるのだから、かなり重要な情報じゃないかと思う」


「そうですよね。……ただ事ではないと思います」


 そう。これは絶対に何かある。


「それにしても……一番深くっていうのは……?」


「ああ、それも心当たりがある。この迷宮の最深階は65536階なんだよね……今回詳しく確認してみたら」


 ちびちゃんだけがピクッとこっちに顔を向けた。


「あ、ああ、そうか……ここ……迷宮でしたね……忘れてました」


「まあねぇ。療養所のある階層は隔離されてるしね……」


「はい」


 そういえば……イロイロとぶっ飛んでて、さらっとした説明しか出来てなかったかもしれない。彼女達に。ということで、色々と説明した。茂木先輩の事もエロマンガの部分を省いて。


 ちなみに、俺が自由に迷宮をいじれるのは、第一階層~第五階層までだ。そこまでは茂木先輩がオリジナルでいじっていたので編集画面が「開いて」いる。それ以降……第六階層からは編集画面が開いていないので、いじることが出来ない。さらに、状況も確認出来ない。それこそ、どんなアイテムが配置されているかとかも見えない。で、試しに第六階層に足を踏み入れてみた。状況が見えるようになった。俺自身がその階層に足を踏み入れると、どんな階層かっていうのは判る仕様の様だ。


 で。その階層のタブに……最終的に表示されているのが六万五千五百三六階。


「16ビットの伝説ですね」


「うん。そう考えると凄く怪しい。当時……とんでもなく途方もない数値として扱われてたんだよね。6万五千って。つまり。このオベニス地下迷宮の最深部には何か秘密が……確実にある」


「え? 迷宮は迷宮でも地下? なんですか?」


「え? うん、なんで?」


「え? 地下っぽく無くて」


「う、うん」


 アレ? 会長、ここが地下、しかも迷宮だって……判ってなかった? 確かに……明言はしてなかったような……でも、匂わしたようなことは言った様な……あれ?












-----------------------

おすすめレビューに★を三ついただけるのが活力になります!

ありがとうございます!

さらに、おすすめレビューにお薦めの言葉、知らない誰かが本作を読みたくなる言葉を記入して下さると! 編集者目線で! マネージャー目線で! 

この小説が売れるかどうかは貴方の言葉にかかっていると思って!

やる気ゲージが上がります。お願いします!


■宣伝です。原作を担当させていただいております。

無料です。よろしくお願い致します。


[勇者妻は18才 第1話] | [ゆとり]

#Kindleインディーズマンガ で公開しました。

Amazonで今すぐ無料で読もう!⇒

「直リンしちゃいけないんですってググってね」


そして、自分は手伝った程度ですが、こちらも。


[メロメロな彼女 第1話] | [ゆとり]

#Kindleインディーズマンガ で公開しました。

Amazonで今すぐ無料で読もう!⇒

「直リンしちゃいけないんですってぐぐってね


単行本一巻、二巻もよろしくお願いします。

ブースで売ってます。

「直リンしちゃいけないんですってぐぐってね」









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る