0367:弓道部クラスタ
「戦乙女」、紅武高校の弓道部でオベニスに辿り着けたのは五名。
部長の
さらに言えば、同じ様に晒された中に新体操部のメンバーが二名いたため、新体操部の三人はほとんど部屋から出てこない。食事を抜くことも多い。
「……凄いなぁ。奥さんが沢山って……でも限度があるでしょ……合計十三人って」
「大奥ですか? って言いたくなりますよね。まあ、強引にでもなんでもなくて、奥さん達が強引に、逆レイプに近いっていうのは逆に引きましたけど」
弓道部部長の船橋は元々ひっつめ髪に太めの眉毛で意志が強そうな大きな目が特徴で、弓道場での立ち姿に親衛隊からの歓声が止まなかった。
「聞いた? 新情報」
ドアが開いてアーチェリー部部長の
アーチェリー部は細田以外に
現在、救出された「戦乙女」達は、動ける者と、動けない者に分かれている。二人部屋のため、相方が塞ぎ込んでいる場合、もう一人は話が出来ないため、同じ様に塞ぎ込んでしまう気配があったためだ。
まあ、塞ぎ込んでいる者たちも最低でも毎日一食は小間使い達に強引に部屋から出されて、食堂へは連れて行かれているので完全引き篭もりではないのだが。
「なんですか?」
「あの、えっとなんだっけ、あの男の人」
「杜谷さんですか?」
「そうそう。杜谷さん。あの人、とんでもないらしいよ?」
「どういうこと?」
弓道部副部長の剣崎真言は、八頭未来が入って来るまでは超天才と呼ばれていた。考査では常に学年トップを維持し、全国でも十番以下に落ちたことはない。眼鏡をかけているのであまり目立たないが、整った顔立ちをしているため、細田とセットでこちらも親衛隊が作られていた。本人が嫌がるので表に出ることはなかったが。
「なんかね……とんでもない強敵を殺さずに屈服させたらしいんだけど」
「スゴイじゃない」
「え? 強いんですか? あの人」
「んー……腕力的な、物理的な強さはお嫁さんたちの方が強いみたいよ? 当然」
「そうですよね……私達……いえ、宇城会長が為す術無く倒されるような強者より強いワケが無いですよね」
「あれでしょ、あのノルドだっけ? エルフのメイドさんたち、領主様に次いで全員、強いしね。多分」
「だけどね……怖いんだって」
「どういうこと?」
「そんだけ強いお嫁さん達、全員が「お館様が一番怖い」って言うんだってさ」
「で、何があったか詳細を聞くと、全員ちょっと怯えた感じで口を閉じるって」
「そんなに?」
「お館様?」
「んーと。なんか、そう言われているらしいよ? あだな?」
「へー時代劇っぽい?」
「アレじゃ無い、武田信玄がそんな感じで呼ばれてた気がする。ゲームで」
「それにしても……どうして、そんなに怖いのか、その理由が判りませんと」
「強敵を殺さずに屈服かぁ……そう簡単にできるものでもないよねぇ」
自分達と同じ様に転移してきたハズの中年男。超不細工ではないが普通の地味顔。間違ってもイケメンじゃ無いだろう。さらに身長もそれほど高くない。つまり、身体能力に恵まれているわけでもない。
現れた時期も一年とちょっと前とそれほど時間は経過していないらしい。
なのにこのオベニスという領の重職を得ている。領主を本妻として、その他に妻が十二人。何故そこまでこちらの世界に食い込めるのか。理解不能である。
さらに、あの地獄から相当なリスクを背負いながらも自分達を救出してくれた。今考えれば、あの見事な救出劇もその男の作戦通りだという。
そんな計算高そうな男が、単純に好意だけで自分達全員を養ってくれている。と、言う。
「戦乙女」たちは、日本人としての、やらないよりやる偽善というなんの謀の無い善意によって動いた杜谷と言う男を未だに理解できずにいた。
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