0366:面倒事案

「さて。問題は宇城さんのパラメータが……微妙に上がっている所だ」

「あの。その前に、自分も見てもらっていいですか? で、会長のデータの横に書いてもらえると」


八頭未来 隷属

界渡り 女 力341 躯204 器488 敏418 知511 精484


言語理解

思考鋭敏

多重処理


剣術1


魔力制御1

 →火1


隷属の呪い


 お茶を飲みながら時間を待つ。鑑定には時間がかかる。彼女たちが如何に会長を愛しているかについて教えてもらったりした。


 おお。なかなか……というか、この娘の頭の回転の速さが良く判るデータだ。というか、知恵と精神のパラメータ凄いな……でも……この剣術と魔術のスキル……は……。


「おお~こんなか~。なかなかですね。この高揚感と絶望感の入り交じった感情は。憧れのパラメータなんですけど」


 ああ、それはなんか判る。どんなに期待していなくても、もっと何かあるんじゃ? と思っちゃうものだしね。


「こっちに来て初めて使った剣術と魔術がスキルになってるのは……ちょっとトラウマ入りますね……」


 そういうことだよな。というか、スキルに表示されるくらい剣を使い、魔術を使ったというコトになる。その対象の大半は……非戦闘員だったとのことだ。彼女たちは今後もこの手の気付きに苛まされることになる。


「どうなんですか? このスキルってそんな簡単に手に入るモノなんですか?」


 あ。そういう疑問? 強いな、この娘。


「正直、この鑑定という力な。この世界でモリヤしか持っていない。少なくとも私は確認したことはない。誓約を行ったのはそういう意味も大きい」


「は、はい……」


「なので、この能力の数値やスキル……という技量などの情報はモリヤがこの指輪を使いこなし始めて、初めて見ることになったのだ。この世界の知を統べると言われた私が、だ」


 そんなスゴイ通り名もお持ちだったんですね……。


「つまり、こうして、能力が数値や名称で見える様になったのもここ最近のことでな。しかも極秘扱いなので私とファランくらいしか研究者もおらん。つまり、まだ、確定的なことは何一つ言えん。それでもいいか?」


「はい」


「研究者としては不甲斐ないのだがな。大雑把な推測として。通常、5年狩りを続けるとスキルが手に入る。そして、ランクがあるスキルを1上げるのにさらに5年。そんな感じではないか? と思われる。いや、思われていた。当然、上がりやすい、にくいは個人差がある」


「……そんなに……」


「つまり、界渡りは例外なんだろうね……その辺。しかもなんとなくだけど……頑張れば、望めば、どんなスキルでも手に入る気がする」


「普通は手に入らないんですか?」


「それこそ、魔術なんて、適性が無い人は絶対に使える様にならない。ですよね?」


「ああ。そうじゃな。全ての属性を試してみた私が言うのだからそれは絶対じゃ。私は……どう頑張っても癒術が使えなかった。有り余る時間を結構注ぎ込んでみたがダメじゃった」


「何年くらいですか?」


「うーん。30年くらいか」


「え、あ、あの、のじゃロ……むぐぐぐぐぐぐ」


 八頭ちゃんが宇城さんに口を押さえられる。さすがだ……その辺の空気の機微の読み方が尋常じゃ無い。さすが、完璧な会長ザ・パーフェクト。まるで某スタンド漫画みたいな通り名だ。しかも、この世界に来てから付いたわけじゃないから本物だよなぁ。


「ということで、少し話が逸れたけど。問題は……若干とはいえ宇城さんの能力が上がってるって点だよね……」


「そうじゃな……クソ面倒なことになりそうじゃな……」


「……」


「数値が上がるということは変化があるということじゃな……我が主の力が自分以外の「界渡り」にも影響があるということか。しかし……変な希望があるのが一番質が悪い」


「はい」


「しばらく……宇城には協力してもらわねばならんな」


「判りました。正直マッサージは気持ち良いので問題無いです」


「そう言ってもらえると助かります……」


 多分、この辺も気を使ってくれてるんだろうな……というのはさすがの俺でも判る。ふう……しかし、オーベさんの言う通り、イロイロと面倒だなぁ。


 あ。ちなみに八頭さんへのマッサージは保留になった。まずは宇城さんでデータを集める。




 

 

 

 

 

 

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