0361:不思議発見
「てなわけで、俺のユニークスキル、なんですが。マッサージ他モロモロによる……強化付与スキルとでもいうんでしょうかね? でした」
「……そんなことが……あるんですか?」
「ありましたねぇ……信じられないでしょうし、ちょっと笑いますけど、その効果は中々のモノで」
「そうだな。ほぼ全て、プラス方向で強化されるからな」
「能力値……がですか?」
「えーと、スキルも追加されたり、強化されたりします」
疑問というか……よく判らなくなった感じだろうか? まあ、よく考えれば考えるほど、突拍子もないよな。
「えーと。杜谷さんにマッサージをされると、強くなる……ということでいいでしょうか?」
「この世界の……しかも今のところ、女性は……ですね。あまり大々的に様々な人にやっていないので全世界の人かどうか? は判らないですが。残念な事に向こうの世界出身の人、界渡りには……効果は無いと予想されます。自分で自分をマッサージしたときに効果がありませんでしたから。つまり……」
「私達には効果が、無い」
「ええ。多分」
「それで……イリス様はお強かったということですか……」
「ああ、そうだな。モリヤにマッサージされた上に、結婚もしていなかったら……ウシロをあんな風に簡単に押さえるコトはできなかったハズだ」
「結婚……も? です、か?」
「……」
ああ、もう……イリス様は余計な事を……。
「我が主よ。誤解を与えぬ為にもちゃんと説明した方が良いぞ? ここでこの娘には全てを伝えておかなければ、面倒なことになる気がするしの」
「ふう……ああ、わかりました。オーベさんの言うとおりです。宇城さんには余計な負担を掛けたくなかったので、分けて説明しようと思っていたんですが……自分の能力は、実は、もうひとつ在りました。マッサージと……その、性行為による能力付与です」
「! ……」
「マッサージは大体、十回程度行って上限に達します。が。そちら、性行為は。一回でも劇的な効果が確認されています。こちらも回数をこなして能力向上以外に何か大きな変化があるのかは……未検証です。何せ結婚したばかりなので」
「つまりは、杜谷さんが重婚されているのは、その責任を取るということでもあるわけですね?」
「はい、そうですね……当然、好ましい、愛しているという気持ちが無いわけじゃ無いですが、激情で結婚出来るほど、恋愛に対してアグレッシブではないので」
「あれ……あの……この世界は、お触り禁止……あの、非接触な文化だって聞いたんですが。だから、我々もそういう被害には合いませんでしたし」
「そうですね。他の人に触られると違和感、嫌悪感が発生します。なんですが。女性に限って、俺からは感じないようです」
「え?」
「つまり……マッサージもなんですが、俺が触っても平気らしく。嫌悪感を感じないとのことです。複数の男性に許可を得て触ったところ、いつも通り、違和感、嫌悪感を感じると言われました」
「そ、そうなんですね?」
確認するかのように、宇城さんが、イリス様たちの方を見る。
「ああ、そうだな。酒を飲んで酔ってはいたが……初めての時から、モリヤに触られることに違和感を感じなかった。不思議、おかしい……とも思わなかったな。なぜか」
「イリスは戦闘時以外、大抵ボーッとしてるからな……」
「さすがにファラン以外の前ではそこそこちゃんとしていると思うのだが……」
沈黙で応える面々。まあ、ね。うん。イリス様の興味の無いことに対する適当っぷりは誰もが知る所であって。
「界渡りとしての杜谷さんの能力は……他者に能力を付与する事。女性限定。方法はマッサージや性行為等という感じでしょうか?」
「まとめられるとかなり変態感がクッキリしますが、その通りです。せめて異性限定にしていただけると。まあでも、この力が無ければ、貴女方を「生かしたまま」受け止める……なんてことを、自分の妻達にお願いすることは出来ませんでした」
「その効果は……絶大ということですね……」
みんなが頷いた。そうだよね……魔物を倒して能力アップするよりも、短時間で安全だしな。
「さて。わざわざ、この領の極秘事項である、自分の力を説明したのは。それが隷属解除の方法にならないかと検証を行っていたからです。で。結果として。「こちらの世界の住人」であれば隷属を弱体することが出来ました。まあ、正確には、隷属と同じ属性と思われる「呪い」を弱体化、消去することもできました」
「! それは!」
「なんですが。これは「界渡り」であるみなさんに、施術することができません。何よりも、自分の能力が同邦である「界渡り」には通用するか全く判らない、そして……まあ、これは推測ですけど、多分、最終的な目的である隷属解除は無理じゃ無いか? と思える予想ができること」
「……そう……ですか」
「何よりも。施術と言いましたが、自分に出来る事はマッサージ。普通に接触案件です。せっかくそっち方面で被害が無く救出されたわけですから……。それを貴女たちにしようとは思えないです」
宇城さんは美しすぎる顔を若干俯かせて、考えこんでいた。まあねぇ。頼みの綱がそんな下世話なっていうか、そういうアレだって言うのはねぇ。
「そうですね……確かにこれはみんなには聞かせられない、言えない情報だと思います。変に伝われば……失礼ですが「女好きのハーレム男が私たちの身体目当てで、「戦乙女」を拉致して監禁した」なんてことになりそうです」
「女好きでハーレム男……になってるの? 俺」
「はい……。奥様が13人というのは……なんかいつの間にかバレてました。杜谷さんが奥様方から求婚されたというのも慌てて伝えたんですけど……」
「そう……」
「ただ、私以外のみんなはこうして直接話をしていないのもあって、「なぜ、こんな労力を使ってまで、自分たちを助けたのか?」について、疑問があるのです。これまでがこれまでなので、厚遇されすぎっていうのも疑問があがるというか」
「……でも、まだ、ちゃんと行動できない人もたくさんいるよね?」
「ああ、そうです。……精神的に切り替えられた者とまだ、どうにもならない者の差が激しくなっています」
それは……別の問題だけど、結構解消しないといけない問題だよなぁ……。
「モリヤ、とりあえず、現状は彼女たちの隷属効果も抑えられているし、そもそも、命令を下せる者は排除出来ている。それで満足してもらうしかないのではないか?」
「そうですね……不安は付きまとうと思いますが」
「はい。判りました。ありがとうございました。とりあえず、みんなには言える部分だけ伝えましょう。現在の隷属状態をとにかく早急にどうにかしたい人がいるか……確認してみます」
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