0350:セタシュアさん、ほとばしる! その6
御主人様が……結婚された。イリス様、ファラン様、オーベ様、モリヤ隊の皆様と。
さすがだ。というか、ご当主であるイリス様は貴族様なので、結婚した御主人様も貴族ということになるらしい。まあ、偉いということなら、元々、私の中では御主人様が一番偉いので一緒なんだけども。
御主人様は偉大な御方なので、奥方様が全員凄まじい能力を持たれているのは素晴らしい。皆さん歴戦の戦士で、さらに賢くいらっしゃる。
しかも、お話しを聞いていると、御主人様からではなく、奥方様方、特にイリス様、ファラン様が勝手に手続きを進めた感じの様だ。
正直、うらやましい。というか、私も妻とかそういう身分で無くてもいいから可愛がられてみたい。
でも。能力や地位や名誉、金銭など、私と結婚しても御主人様には何一つメリットが無い。これでは愛していただける……わけもない。奥方様が出来て、自分の仕事が無くなる……かも? と思って焦っていたが、そういうことは無いようだ。
結婚したというだけで、御主人様(奥様方も)はいつも通りだった。
とりあえず、私は私にできるコトをしよう。
最近では、腕にかなり深く切れ目を入れても、癒しの術で治せる様になってきた。他人の傷ならもっと大きなモノもなんとかなる。こないだ治療院に、腕が千切れそうな患者さんが運び込まれたが、何とかキチンとくっついてくれた。今なら、あの時のファラン様の様な傷も少しは治せるハズだ。
最近は毒状態からの回復も出来るようになってきた。自分で毒を飲み、それを解除する訓練はかなり効果的なようだ。毒は様々なモノが存在する。一番弱いと言われている毒草でも、10束一気に食べればすぐに死んでしまう。とりあえず、最初は少量。徐々に増やして、体調が悪くなったらそれを癒す。
自分で飲むものを痺れ草にして、それを癒せば、麻痺癒しの術が上達するっぽい。地下の領主館の奥には、御主人様の作った薬草園がある。ここには、様々な草花が……手当たり次第に植えられている。お世話するのが自分の仕事になったので、雑草抜きなどのお手入れと共に、少しづつ、毒草などが手に入るのはうれしい。
それにしても、こんなに沢山の種類の草花……御主人様はどこで手に入れてこられたのだろうか? そもそも、この地下の屋敷……いや、地下の街は異様だ。なんで、太陽が必要な草花が……地下で育つのだろうか……。
まあ、うん、偉大な御主人様の力なんだろう。
だって……特に、鉄道っていう、レールの上を行ったり来たりする乗り物は、凄まじい。便利だと思う。
私も1回乗せてもらった。魔力で動いているらしいけど、なんで、あんなに大きいモノがあんなに速く動くのか良く判らない。
危なくないように、レールの両脇には柵が作られている。その柵にしがみついて見ると、もの凄い迫力らしくて、そのためだけに、オベニスに移住したいという人もいるらしい。
まあ、それは冗談かもしれないけど……お金が稼げるとオベニスに移住してきたら、鉄道の魅力にはまってしまったっていう人も本当に多いそうだ。確かに、あの迫力は凄いけど……。
御主人様が戦場から帰られた。
「戦乙女」……という、御主人様と同郷の若い女性の方を沢山連れて帰ってきた。年齢的に私とあまり変わらないそうだ。身体の大きさが全然違うけれど。
彼女たちの……目は……私のよく知っている目をしていた。
奴隷……隷属の術をかけられ、殴られたり蹴られたりしても反抗は出来ない。奴隷商人に酷い扱いを受けて、成長の遅かった私は売り物として非常に貧相で、重いモノを運ぶことも出来ず、最後には片手が動かず、片足を引きずっていた。
御主人様に買われて、癒していただいた。御主人様は……隷属の術で私が逆らえないからといって、私が嫌だと思うようなことは一度もされていない。全て「どうしたい?」と聞いてくれる。
自分から専属小間使いの仕事をさせて欲しいと言わなかったら、寝て起きて、何もせずに遊んでいる……なんてことに……なったかもしれない。有り得る……。恐い。
ああ、唯一やりなさいと言われたのは勉強くらいだろうか? 勉強、学問、計算。全て、私がもう少し歳を取ったときに絶対に役に立つからやっておきなさいということらしい。結局は私のためだ。
私も……買われた後もしばらく、あんな目をしていた気がする。彼女たちは私よりもヒドイ目にあったのかもしれない。あの状態から、今のような自分になるには……御主人様の様な存在がいなければ難しい。
彼女たちは同郷の御主人様どころか、兵士、さらに同性である私たちとも目を合わせようとしない。大丈夫だろうか? 御主人様が彼女たちのことで悩まなければいいのだが。
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