0317:米
ということで。大いなる茂木遺産……メニューが膨大で上手いことリスト化されていない、まとめとか検索が無い、非常に見難い、俺の知ってる食品とかと違う名前だったり、項目設定が違っていたりするので埋もれていた……が見つかったので、コレを使って日本食を作ろうと思う。
醤油、みりん、塩(これも数種類あった。はかったーのしお……って……)、砂糖(砂糖も、白糖、てんさい糖、黒糖……原料になる、てん菜、サトウキビの苗もあった)、酢、胡椒。にんにく、生姜、からし、柚子胡椒、わさび……ってさ、イメージ元はチューブの調味料かな……これ。
とりあえず、俺が使えそうな食材調味料を収納に入れて地下屋敷へ跳ぶ。
ああ、実は罠の所にある転移陣、その改良版も見つけた。こっちは転移陣から転移陣へ跳べる。DPもさほど消費しない。魔力消費も指輪の転移の半分くらいだ。
つまり、迷宮内なら俺はこれを設定した場所に瞬時に移動出来る。当然、転移陣は様々な場所に設置してある。それこそ、居住区の中央、四方の端に部屋を用意して、転移場所にしたのだ。便利だね。魔力があって、さらに、移動場所をキチンと把握していないとダメだけど。
調理場へ向かう。
俺はなんとなくしかレシピを知らないし、元々料理の腕も無い。最初にやって見せて説明したらプロにお願いしたい……と、アーウィック家料理長のオーリスさんと料理人のクオリアさんに状況を説明した。
「とりあえず、自分は料理をしたことがないですから、なんとなく覚えている知識を頼りに作ってみます。日本食の基本は……この国の料理と比べると、確実な薄味と出汁……ですかね」
まずは米だ。えーと。分厚い金属製の蓋付きの鍋に……適当に米を入れる。三十三人分のご飯ってどれくらいの量が必要になるんだろう? 一人前が一合だったっけ? 女の子ならそれくらい? いや、相手はスポーツ選手だからな。二合は当たり前か。
テストなんだからとりあえず、あまり多くなくていい。小さめの鍋の1/3くらいに米を入れて、水でよく洗う。水の量は確か、米に手を付いて手のくるぶしみたいな所の高さでいいんだったっけかな? うん。そんな感じだったはず。しばらく放置しておいて……いや、いいや。本番は数時間水に浸ければ美味しくなるだけだし、今はこの米が、俺の知ってる米と同じ様に調理できるかの確認の方が大事だな。
火加減は……始めちょろちょろ中ぱっぱ……だから、最初は弱火で、蒸気が出てきたら強火。水が無くなって乾いた音が聞こえたら火を落として蒸らしだったかな? その時に蓋を開けて確認しちゃダメと。
「なんか……匂いはあまり……」
うん、なんていうか、うん。それは判る。日本人じゃ無いと無理なのかなぁ。この匂いで朝を感じるのは。
オーリスさんもクオリアさんも大氾濫で消滅してしまったシャーニムの街からの流民だ。元々イリス様が良く泊まっていた宿屋の料理人だったらしい。腕は確かだし、知識も豊富だ。なのだが。こんな匂いは知らないし、こんな実をこんな風に茹でて食べる調理は知らないという。
ちょっと堅めだったが、問題無くご飯が炊けた。良かった。というか……美味い。久々に食べるご飯。というか、こんなに美味い食べ物だったのか? というくらい。
あ。これは来るな……ちょっと郷愁というか、胸にグッとくるというか。別にそれほど食にコダワリも、日本に対して思い入れも無かった俺が……ちょっと涙がにじんでしまった。これは……彼女たちに食べさせて良いモノだろうか? なんか逆効果だったりしないのだろうか?
うーん。でもなぁ。まともに食べてないだろうし。うん、いいや。出して、ダメなら残してもらってもいいや。
しかし、料理の必要最低限の知識があってよかった。今どき炊飯器だもんな。一般独身男性に鍋でご飯炊くとかそうないし。
あ。というか……多分、三十三人の中には俺よりも日本食に詳しい女の子……いるよな。多分。うん。でも、まあ、そういう話とか相談とか、無理か。無理だな。今は。
「マズくはないのですが、味が無い様な?」
「食感が凄く……面白いです。味も美味しい……こんなになるとは……」
「ええ、これは主食、パンだと思ってもらえれば」
「……確かに。何かを乗せて食べると思えば……」
クオリアさんはかなり気に入ったようだ。オーリスさんはそこまででもないか。そりゃそうだよね。好みがあるからね。
涙をこぼしたからさ。気を使わせてしまった。
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