0280:鉱山作成

 で、鉱山区。いや、正確には鉱山階層、か。


 当然の様に、山である。鉱石を多分に含む岩山。鉱山系の荒れた山は見た目的に、悲しい気がするので緑地帯も多めにしておいた。まあ別に森林を伐採して燃料にする……というわけではない。単純に目の保養、生活空間に潤いを、だ。


 確かに、鍛冶に関しては、燃料問題も大きく関係してくる。大規模な炉を用意したとしても、それにくべる薪や炭によって、大量の森林伐採などで自然破壊が行われることになるからだ。


 別に破壊するだけならともかく、破壊して、そのしっぺ返しが、自分たちに返ってくる可能性も高い。大規模水害の元になったり、土砂崩れも起こりやすくなる。


 ……ってここは迷宮だから、根本的に関係ないんだけどさ。


 まあ、なので。オベニスの鍛冶は、基本、ダンジョンポイントを使用して、燃料を生み出すことにした。……いや若干のね、薪は使うだろうし、炭も作る。重要だろう。


 でも、ダンジョンポイントで得られる石炭に模した固形燃料は消費型の魔道具の様で、とんでもなく超高性能だった。イメージとしてはうーん。キャンプとかで使う着火剤? アレ。でも性能は段違いで、一度火を付けると、凄まじい火力を生み出し、一つで二日から三日、炉で実用的な高温を発しながら、燃え尽きず、燃え続ける。


 当然、迷宮外に持ち出し不可だが、コストパフォーマンスは尋常じゃない。ダンジョンポイントも……そこまで大量に必要ではない。


 正直、迷宮編集というシステムに依存するのは怖い。俺が居なくなったら成立しなくなる産業なんて、社会システムとして許しちゃいけない。


 なんだけど。


 この「鉱炭」という燃料は消費DPが小さすぎて、余程取り過ぎない限り、問題無く維持できそうなんだよなぁ。


 えっとつまり、迷宮依存ではあるものの、俺が居なくても運営サイクルが循環し続けそうっていうね。なんと素晴らしい。向こうの世界でこれがあれば、エネルギー問題なんて簡単に解消されてしまいそうってくらい。


 そもそもこれ、本物の迷宮の場合、こんなにダンジョンポイントは貯まらないんじゃないだろうか? 俺が迷宮の中に都市を、居住区を作り、永続的にポイントが増えているのって、実は「頭おかしい」レベルのことなんじゃないかなぁと思い始めてきた。


 まあいいか。とりあえず、この固形燃料S型、別名「鉱炭」を炉、竈の燃料として、鍛冶仕事を極めてもらおう。使い勝手は非常に良いはずだ。火力調整が容易だし。


 で、その鉱山や鍛冶場に関しては、運営運用をガギルに一任してしまった方が、自分たちでやりやすいように建設するだろうと思う。

 

 だが、居住区は設ける。


 なんか、話に聞いたところによると、使わなくなった坑道や洞窟、竪穴式の住居の土の上でごろ寝とか……なんだその、原始生活。個人的に受け容れられない。そもそもどう聞いても臭い。言わなかったが、あの洞窟だってかなり匂いは酷かったんだから。治療と同時に、さりげなく浄化で、消臭してたから大丈夫だったけど。


 オベニスはイリス様の領地。そこで、そんな原始的な営み、匂いがする環境なんて、許してはいけない。


 だってさらに、現在すでに、最初にオベニスに入ったモボファイ鉱山の五十人(女性)はベッドで寝て、水道で手を洗い、洗濯をし、さらに、冷蔵庫などの生活魔道具を知ってしまっている。そこから逆戻りは厳しいだろう……多分。


 なので、階段から降り立った場所にまず、領の施設設備を建造する。こういうのは後から用意しようとすると面倒だからね。

 で、その先を広場にして、そこを中心に簡易住宅を設置する。正直、この簡易住宅以上の住宅や、住居はいくらもあるのだが、一般の市民から評判が良いのはこの簡易住宅なのだ。


 人間、便利になりすぎても……ってことなのかな? 狭いながらにコンパクトに必要なモノが最小限、詰め込まれている。俺にしてみれば、近隣への音漏れや、震動など、生活していく上でヤバイモノがたくさんあると思うのだが、この世界の人々の大半は、そういうレベルにまで辿着いていないのかもしれない。プライバシーとか聞いたことないもんな。


 で。何よりも、身長や体型などがヒームの八割程度小さいガギル族の場合、小さい住環境の方が使用しやすいというアンケート結果が出たのも大きい。

 



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