0152:漫画家パプテマス白吉先生

 さて。そんなわけで。本来の目的を達成させよう……。


 ということで! 茂木蒼太先輩、いや、ペンネーム!


「パプテマス白吉先生のエロマンガが読めるのは、この地下秘密基地だけ! 祭!」 


 ですよ! 一瞬、戦争なんていう殺伐とした命がけイベントのせいで失念しちゃってたけど~実はこの秘密基地に、日本人男子限定の鍵、いや、封印、結界が行使されていた原因はこの、自筆漫画原稿のせいなのだから! というか、俺にはこれを託された責任がある! アルのですよー! 我ながらテンション高! 


 こ、この、パプテマス白吉先生、渾身の作品集……ああ。初めてここに入ったときは女子も一緒だったから細かく確認出来なかったけど……さ、さすが……先輩……。


 オールジャンルか! 一人コミケ枠制覇か。


 OL物に始まって、人妻、ロリ系、JK、NTR、緊縛、おお! せ、先輩……ひょっとして強姦レイプ残虐系はそこまででは無いでありますか! 同感です! 同感であります! ほんのちょっとだけ、そんな要素が混ざってくる……っていうのはアリだと思うのですが、それ全編、さらに出血とか暴力とかそっちまで行っちゃうと萎える派だったでありますよー! す、すばらしい。なんて素晴らしいラインナップなのか。


 やばい、久々すぎて、オタク言語が。脳内から溢れてしまう。


 先輩が如何にこの世界で心を痛めていたのかが伝わってくるでありますよ! まあ、現状俺はモデルの様な美女たちの身体を触ってはいるからな! 足とか、腿とか、腰とか、尻とか。濡れ濡れにさせてその臭いも嗅いだりしちゃってるし。相手も喜んでるみたいだし。身体は。


 すんません! 先輩よりは……俺の方がかなり、いやスゴく楽かもしれません! 申し訳ありません!


 ですが!


 現状はどうにもこうにも、溜まっていく一方でありまして! 満遍なく抜かせていただきます! じっくり丁寧に! ありがとうございます! 


 パプテマス白吉先生! 最高ーーーーー! アンケート投票一位獲得ですよー。俺の中で。


 ぶっちゃけ、絵柄がどうとか、デティールがどうとか、そんなことはどうでも良いというか、関係なかった。んー正直絵柄もイロイロなのだ。さすが修行に500年だったかな? あれ? 違ったかな? 正直半分以上は上手い……と思う。俺が見たことがある漫画家さんをパク……いや、リスペクトしたであろう絵柄の回も幾つかあった。


 あと、半分は多分、練習していたときの……習作というか、いろいろやってみた感じの練習作もなのだと思う。


 これは……ぶっちゃけ、俺レベルで絵が下手くそだ。マジか。ああ、先輩は……ここでこうして上手くなっていったんだろうなぁ……数百年一つのことをすれば……これが……こうなるのか。


 最初の頃の(多分)原稿を置いて、隣に完成された作品を置いてみる。ああ、やばい。また涙が出そうになってきた。さすがにセンチメンタルな気持ちでエロイことができるほど図太くない。泣かないでおこう。我慢だ。


 それにしても、キチンとした、しっかりとした、完成されたエロネタに触れたのはこの世界に転移してきて初めてだった。


 さらに言えば、この秘密の部屋は、自然に俺の物に認定されて再封印されているので、俺同伴でないと外から入ることは不可能になっている。つまり、鍵付き! ここは俺1人の密室! ええ、そりゃもう、そりゃもうですよ! 堪能……して、ぐっすりと深い眠りに付いたのだった。


 次の朝。当然の様に魔力は回復。えーと、この部屋には時計の魔道具(デジタル時計だ。しかも夜部屋を暗くしても光っている。どうやって……ゲットしたのだろう。迷宮産? それとも作った?)があるので、俺の中では昼夜は地上にいるときよりもハッキリしている。


 初めて確認出来たが、一日は二十四時間らしい。なんとなくそんな気がしていたが、やっぱりか。ってことは、この惑星の大きさは地球と同じくらいってことなんだろうか? って……そんな偶然あるのか?


 そもそも異世界転移自体が謎現象なんだからどうでもいいか……と思うことでグルグルしちゃう世界の仕組みを考える脳の肥大化を止める。




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