0151:魔力総量
で、さらに。以前……セズヤに行く前は「風裂を224回使えた」ってことで、最大魔力総量が224ってことにしてたわけだけど。
現在では864になっていた。大まかに鑑定(推定消費魔力100)は8回可能。収納の出し入れ(推定消費魔力10)は80回くらいは大丈夫になっている。
風裂の同時起動は6発までは超安定して使える様になっていた(多重処理のお陰で無理をすれば14まではイケたし、もう少し増やせるのだが。頭痛が酷い。安定性とすると6発が妥協点とした)。
つまり、6発×144回=864。144回鍛錬すると魔力をギリギリまで使うことになり、あっという間に脱力感がやってくる。その上疲労感も半端ない。超絶無力感満載でどうにもならなくて寝てしまう。気絶するかのように。
しかも魔力消費による睡眠は、最初極端に寝てしまうが、その後の寝起きは悪くない。極端な話、睡眠1時間後に起こされても魔力が半分程度しか回復していないだけで、普通に起きることができる。
正直俺が直接的な戦力になる事は早々ないと判断した結果だ。セズヤでは護衛も常にモリヤ隊のうち一人が付いていたし。
普通なら旅や冒険、遠征などの際にこの手の訓練は行わない。俺も今やっているような細かい検証はしていなかったしね。良い子は真似しない。
ちなみに、この風裂6発同時行使訓練(笑)は寝転んで行えるように工夫してある。目の前に、六角形の頂点に位置するように、以前と同じ丸いカッターの刃を配置する。
で、それを同時に、斜めに、六角錐の頂点目掛けて、全部同時に発射する。すると、それほど高く無い場所でカッター同士がぶつかり合って霧散するのだ! これで的とかなくても問題なし! 野営用の天幕(テント)の中でも可能という素晴らしさ。野宿時もバッチリ! っていうね。
魔力が大概増えた。なんとなく平気ということになったので、転移の確認を開始したいのだが。
というか……ちょっと待て。指輪の転移は既に、現在の魔力総量で最低一回は使えるのは判っている。でも、使った後、迷宮の、茂木先輩の部屋、通称モギルームから戻ってくるには……もう一度使用出来なければ不味い。イリス様たちに迎えに来てーっていうのは……ちょっと。なぁ。
あ。いや……凄い大事なこと思い出した。うん。
「ということで、迷宮のモギルーム、転移魔術紋に飛んで、再度転移紋で地上に戻ってきます」
「大丈夫なのか?」
イリス様は素直に心配してくれる。
「平気だと思います。あそこは感覚共有の範囲内ですし。もしも、帰りの魔力が足りなげなら、先輩の部屋で休んで回復してから跳びますから」
「ああ、そうか。それができたか……ならば魔力も平気か」
「はい。問題は何処に転移させられるかがわからないことですが……多分、この迷宮の真上、オベニスの中心街のどこか、かと。茂木先輩の時代に、どんな佇まいの都市だったか判りませんが。でも、この町の建造物って、その頃の、帝国時代のモノを基礎にしてるんですよね?」
「そうだな。火事や区画整理で完全にそのままではないが、大体の所はそのはずだ。何よりも、下水道がな。その時代の下水路を使っているからな」
「ええ、なので事故は少なめかなと。とりあえず、行ってきます」
本当の所は術、呪文では無いので複雑な詠唱や儀式は必要無い。
転移したい……。
と思った瞬間に魔力を消費して、地下、迷宮のモギルームの魔方陣の上に立っていた。シャワールームの隣の転移ルーム。ちょい大きいロッカーの中って感じ? 2人入ればギリギリってサイズの専用スペースだ。
「お、おお……」
無事……転移できた。
(何か、体調に違和感などは無いか? 召喚術の場合は使い慣れないとかなり気分が悪くなるハズなんだが)
とりあえず、現在は無いな……様子を見て、何かあったら後で報告しよう。
転移前に念のためにイリス様、ファランさん、オーベさんとも「繋がって」おいた。二人とも心配してくれてる。ありがたい。
当然、オーベさんにも、共有についても説明はしてある。思ったよりもあっさり受け容れられた。うーん。モリヤ隊の時もそうだったんだよなぁ。変だおかしいとはあまり思わないらしい。
ぬ。再転移は……出来ない。というか、現状では1回しか使えないのか! そうか。まあ……多分だけど、転移は1回、魔力500を消費……じゃないかな。数値として。
というか、そう仮定しよう。なんとなく判りやすいし。鑑定100、収納出し入れ10、ね。転移500でもおかしく無い。あ、そうか。残り魔力総量を図ればいいのか。鑑定1、2……やっぱり! 3回しか使えなかった! つまり、魔力総量864で、転移×1+鑑定×3。うむ。つまり、大体500だな! 決定! 魔力総量が1000になれば、確実に2回使用可能になるハズだ。
後は……この迷宮秘密基地で寝て、魔力を回復させて、転移して、何処に出るかをチェックだな!
茂木先輩の遺体は回収済みだ。既にオベニスの墓地に大きいお墓を建てて、そこに安置させてもらった。ちゅーか、偉大な勇者、領主だったみたいだし、いくら長いこと生き過ぎたからって、こんな迷宮の誰も訪れないような場所で眠るのは悲しすぎる。
オベニスの墓地はもの凄く前から墓場だったようなので、もしかしたら、先輩の家族や、子孫もここに眠っているかもしれない……ということで、俺の気持ちを納得させた。
で、先輩の寝ていたベットとか、部屋は清掃済みだ。魔力で保存されていたから、劣化してないし、汚れてないのかもしれないが、なんか、気分的に? 水の魔術の洗浄で洗い流して、シーツやタオルなどの布物は今回ちゃんと持って来ている。くくく。伊達に収納が大きくなっているわけではないのですよ! 先輩!
収納に納められる物の数、大きさは最大魔力容量に対応して、着々と増加している。既に、自分でもどれくらい入るか良く判らない。テニスコートくらいの部屋……の荷物くらいは入れられるんじゃ無いだろうか?
なんとなくの肌感覚でしかないんだけど。納められなくなれば、もう、いっぱい、それは無理です……という感じで教えてくれるので、安心だ。家とかとんでもなく大きいモノを入れようとして、魔力が足りなくて気絶……なんてことは出来ないようになっている。
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