ブラックFランクパーティのさらに孫請派遣会社所属のワイ、ムカつくけど逆らえないブラック正社員に脅されて隣の会場でやってるSランクパーティー会場からピッチャーくすねてきたら、あいつらも発泡酒出されてた件

もち雪

第1話

 ある日ワイ、飯野カモは、異世界転生をした。

 

 始めはそれはもう大喜びのワイやった。

 初めて猫耳娘を見た時は、これはもうナンパするしかないと思い初めてのナンパもしてみた。

「あのすみません……お時間よろしくですか?」

「なんですかにゃん?」

 と振り向いてくれた彼女は、マジ天使だった。

「すいません、人違いでした……」

「そうですかにゃん、早く会えるといいですにゃ~」

 凄く天使!異世界最高!

 と、思った! うん? 彼女とは、それきりでしたが? 


 ワイの陰キャぶりを舐めないで貰いたい……。

 いや、ナンパしたから、もう陽キャの一員なのかもしれない。


 と、言うわけで、今までいた世界と陰キャを卒業していた俺は、意気揚々いきようようとエルフの女の子や猫耳娘に道を聞きいて、聞いて、聞いてやっと目の前のギルドにたどり着いた。


 ギルドの受付も可愛いい、名前をソニアと言う。

 明るく元気な彼女は、今もワイの心のオアシス!


 だが、無情にもワイの運もここまでだった。

 ギルドに加入するには、身分証明書が必要らしかったのだ。

 仕方なく、ギルドを出るワイに、ある男が声を掛けた。

 

「あのーもしかして、転生された方じゃありませんか? 」

 

 こいつの名前は、セカワドどう見ても真面目なサラリーマンにしか見えない男である。

 

「僕は、転移者の方々の為の派遣会社に勤めてます」


「身分証明のない未来の英雄の皆さんに、身分証明書と住居の提供代行もしておます」


「コンセプトは、冒険に専念出来る環境作りを」


「どうですか? 契約を1年だけしてみませんか?」

 

 セカワドは、汗も拭かず熱弁した。

 ワイちゃん……おお喜びで、サインしてしまった……。

 身分証明書は貰えた、そこは凄く感謝した。


 うちの派遣会社は、孫請け専門だった……親会社が社長の……いや何でもない。

 住居は、ダンジョンで寝起き、もしくは会社で寝起き。

 だが、高ランクパーティーに入れるなら、ワイも我慢しょう。

 しかし、今の免許では、Fランク基準のパーティーまでと言う決まりが……。

 

 しかも免許をアップする為に、会社経由でしか、申請出来ず……なんと、手数料入れて通常の2倍払う仕組み。


 もうーワイちゃん会社で暴れてもいいかな?マジで?


 そして今、会社主催の別料金の必須免許申請講座に来ている。

 Eランクへのランクアップ試験は、日々の基本的な実践テストで、普通に冒険してれば普通に出来るものなのだがいる? この講座?


 まぁ……。

 それだけなら許そう……。

 だが、講習の後に、別料金の親睦会……。

 社長とその息子のセカワド親子以外、初見で、みんな死にそうな顔してるだが……。

 

「これ……死人でるんじゃないか……」


「未来の英雄が、何を弱気な事を言っているんですか?」

 ワイを地獄に送り込んだセカワド息子が声を掛けてきた。

 

「未来の英雄さん、発泡酒出って美味しいですよね……」

 

「でも、久しぶりに普通のビールも、飲んでみたくないですか? 」

 

「隣でやっている、Sランクパーティーの会場で、Sランクの皆さんの話を聞きつつビールを貰って来てくださいよ」


「いや……ワイは、発泡酒の方が好きだし……」

 ワイは、やんわりと拒否した。

 

「そうですか……英雄さんは、実践派ですもんねー」

 

「でも、困ったな――FランクでSランク級の危険なダンジョンってあるかな――英雄さんごのみの」

 そう言った息子の目はどぶの腐った様な目だった、ワイの名前の憶えてないこいつは必ずやるだろう。


「せっかく、講習会に来たのだから、隣で聞いてきます」


「いってらっしゃーい、冷たいの頼みます」


 隣へ行くと、パーティーもう終わったのだろう、Sランクのメンバーぽい4人だけが居た。

 みんなさめざめと泣いていた。

 おれは、こっそりピッチャーに手を伸ばす。

「やっと今回の成果で、借金が返せる」


「もう俺たちは自由だ」


「もうセカワド達とはおさらばだ――うまい、本当に最高だ」

 (なんだって!! セカワド!? )

 と思った時ピッチャーが落ちて、割れた。

「誰だお前は!?」


「えっと隣の……」

 と行った時、Sランクメンバーが顔を見合わせ――。


「ああ……」と言った。

 これ持って行っていいからと言うので、ピッチャー2杯と枝豆をビニールに入れる。

「死ぬなよ……」

 と言う思い言葉で送り出され。


 セカワドの元へ行く。

「ずいぶん早かったんですね」

 そう言ってピッチャーの中のビールをあおった。

 

「なんだ発泡酒か、つまんねぇ」

 そう言ってセカワドは、消えた。


 ワイも発泡酒を飲んだ。

 普通の発泡酒だった。


 ワイはいつになったら、隣の連中の味わった旨さを味わえるんや――!?


    おわり

 


 飯野カモ→いい鴨

 セカワド→性格悪

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ブラックFランクパーティのさらに孫請派遣会社所属のワイ、ムカつくけど逆らえないブラック正社員に脅されて隣の会場でやってるSランクパーティー会場からピッチャーくすねてきたら、あいつらも発泡酒出されてた件 もち雪 @mochiyuki5

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