第3話 開放的空間

 扉の向こうでは、何のために使用されるのかよくわからない機械が佇んでいました。

 「あの。こんにちは。」

 那由多が言葉を発しました。でも、声が響くだけで誰も返事をしません。無機質な空間だと、那由多は思いました。


 ビーーーーーーーーー。

 突然、機械音が鳴り響きました。何のためのものなのかよくわからなかった機械は、新聞とみられるものの印刷を始めました。

 そのものを近くで見てみると、「ーーーー党万歳」、「ーーーー総理万歳」などと賞賛の言葉しか書かれていませんでした。

 星花たちがそれらをじっくり観察しているうちに、機械の裏では、黒いスーツ姿の人間が蠢いていた。

 ただ、彼らは、それに気づかず、ただ、新聞のようなものを嘗め回すように読むだけだった。

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海の少年 @UminoMiyako

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