大好きな…


私は陽気くんの顔を見れないと思い、部屋の隅にうずくまってしまった。


陽気

「はっはっは、可愛いね。君、照れてるの?笑」


「…////」


どくんっ、どくんっ


私の心臓は鳴り止まない。


無理だ。陽気くんの顔は見れない。


だって一番…


その瞬間、彼の手が私の顔を優しく持ち上げた。


「っっ…?!////////」


陽気

「やっと顔見れたね。笑」


フニャッとした笑顔の陽気くんが、私の顔のすぐ近くにあった。


さっきの山本さんより近い……


緑川

「優ちゃん!!鼻血、鼻血!!」


「へ…?わっ?!」


緑川

「はい、ティッシュ…大丈夫?」


山本

「陽気だけで鼻血出たってことは、笑顔満開の中でも陽気が一番なの?」


陽気

「え?一番?」


「いやっ、あのっ、それは…////」


陽気

「なーんだ!こっち向いてくれなかったから、てっきり嫌いなのかと思ったよ。改めて、陽気俊哉です。君は?」


私はまだニコニコ笑顔の陽気くんの顔を見れずにいた。


「飯田 優で、す…」


ドクドクと出てくる鼻血を、緑川さんからもらったティッシュで抑えながら名前を伝えた。


陽気

「さっきからぜんっぜん顔を見てくれないんだけど、やっぱり俺が嫌いなの?」


ちょっと寂しそうな声になったためか、私は「そんなことありません!」と叫びながら立ち上がった。


「あ……」


陽気

「なら、よかった♪ (ニコッ)」


寿命縮んだかも…


「あ、あの…////」


陽気

「ん?」


「あ、あ、あ、握手を…!」


陽気

「はははっ!笑 いいよ、はいっ」


(ギュッ)


左手で鼻血が止まらない鼻を押さえながら、右手で握手をした。


陽気

「ついでにキスでもしとく?」


「はい…?」


緑川、山本

「おい、陽気」


陽気

「冗談だよ、冗談!笑」


山本

「さいっこうにキモかったぞ」


緑川

「優ちゃん、さすがに嫌いになるんじゃない?」


「…////////」


山本

「え、嘘」


緑川

「マジで?」


(ガチャッ)


赤星

「待たせたな~」


青空

「新しい子が入るって?しかも女の子だとか」


金城

「やっほ~」


緑川

「太一、遅い」


青空

「わりぃな、渉。えーっと、青空太一です。」


赤星

「赤星光!」


金城

「金城優太~♪」


フロントメンバー3人が自己紹介した。


だけどフロントメンバーが苦手な私は…


この時はまだ、3人の顔を見るどころか、ろくな話さえできなかった…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る