神々の話し合い

(そういえば、ジラルドさんが、アルハザード王も悪魔と契約してる、とか大昔におっしゃってたな・・・それが、何かのヒントになるんじゃないか・・・???)と、ハーバートが遠い昔を思い出して思う。

「オイ、ロイ殿下に会わせてくれ!!」と、ジラルド(同じくエアレーズング所属)を連れて、ハーバートが会合に行った。

 ロイに、二人でそのことを告げる。

「――アルハザード王が、何という悪魔と契約しているのか、知っていますか?大賢者様も、知りたがると思う」と、ロイ。

「俺は知ってる」と、ジラルド。

「確か、“ルシファー”だったはずだ。第4の書を探す際、こっそり古い文献の記録を見て、記憶した覚えがある」と、ジラルド。

「ありがとう、ジラルドさん!!では、私から大賢者に告げておく」


 2,3日して、ロイからその「ルシファー」という悪魔と、アルハザードが契約しているという話を聞いたクロードは、思い当たる点を文献書から探し、アテナ神と協力して、アルハザードがいつ頃悪魔と契約したのか、などを調べた。

「おそらく、あの頃じゃないかしらね」と、アテナ神が言った。

「アルハザード王、2000年以上前に、次男さんを、差別主義の人間や魔法使いに捕らえられて、拷問されて殺されてるの。それに、それに悲嘆した奥様は自殺されたし。あれ以来、アルハザード王は、暗く重々しい王になったと聞くし。クロード神、その頃、悪魔と契約したのでは、と私は思う」と、アテナ神。

「アルハザード王は、王笏座と既に契約済みらしい。だが、こちらの星々の神々から、そういった報告はない」と、クロード。

「悪魔と王笏座か・・・・そして、その悪魔の名前は『ルシファー』。ずいぶんと高位の悪魔と契約したな、まあ上古のエルフの一人だから、当然だろうが。ルシファーに身も心も食われたかな」と、アテナ神。

「そのルシファーという悪魔が、2000年という長い時間をかけて、アルハザード王の精神を食べ、のっとり、今があるとしたら、エルフの影にいるのはルシファーだな」と、クロード。

「悪の王笏座じゃ」と、ノストラダムス神がぽつりとつぶやいた。

「?」クロードが首をかしげる。

「きっとそのようなものを、ルシファーが作り、アルハザード王に無理やり持たせたに違いない」と、ノストラダムス神。

「悪の王笏座、か・・・」クロードが、ペンで手帳にメモをする。

「アテナ神、私も、地上に降り、イブハールへ行ってきます。神々の一人として、なら受け入れられるでしょう」と、クロード。

「この件はみなで解決しよう、クロード神」と、アテナ神が言った。

「私は、シェムハザ封印のために、ここに残るが。頼みましたよ、クロード神」と、アテナ神。


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