30年間の戦い

クロードの妻・ハンナは必死に止めたが、クロードは妻に謝り、シェムハザ討伐の任務に行ってくると言って、天国から神界へ移した二人の住居から、一人出立したのだった。

 クロードは、アテナ神からルートを説明され、地下神殿へと降り立った。この世界アラシュアの地下にあたる。

 そこでクロードは、ついに姿を現した、影の姿をしている悪神シェムハザと、約30年間戦い続けた。神々の力を手にしたクロードは、疲れを知らぬ体で、地上で最悪の神・シェムハザを討伐しようと、斬り合いを続けた。

 精霊魔法、王笏座の加護、神々の力、すべてを使って、シェムハザの繰り出すグールと戦い続けた。

 決着がつかぬまま、二人は30年にわたり激しい戦いを続けた。

 返ってこない夫を待ち続け、ハンナは涙にくれた。

 だが、その戦いにも決着がついた。

 助太刀として入ったアテナ神やその他の神々との協力もあったにも関わらず、クロード以外の神々は、結局のところ退散を余儀なくされた。クロードも、グールのするどい技で重傷を負い、退散を余儀なくされた。

 だが、その間、クロードや他の神々の作った隙で、ノストラダムス神が、シェムハザが大地から出てくることだけは防ぎ、再び地下に封印した。

 やはり、神・・・というより、この世の表と裏、光と闇、の暗い部分にあたるシェムハザは、倒すこと事態が不可能であるらしかった。


 こうして、シェムハザ討伐は失敗に終わり、世界アラシュアは、度重なる飢饉と疫病で、どんどん廃れていった。


 

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