第5話 百合じゃないもん。秀世と一緒に人物紹介
「相変わらず、だだっ広い屋敷ね」
秀世「そんなことおっしゃって、三里亜さんだって子供の頃はお住まいだったではないですか」
その日の夜、あたしとお兄はパパからの連絡を受けて、劉家でかあさんたちと合流した。
そして、合同の夕食を経て、あたしは秀世のお部屋にお泊まりすることになった。
秀世「私にとっては物心ついたときには日常でしたが、優さまは4才のときにこちらにいらっしゃったのですよね」
「まあ、あたしがここに来たのはお兄が7才のときなんだけどね。お互い3才だったね」
劉家の身内であるあたしたちと、その近しい親戚で居をともにしていた明家の秀世や拳秀兄さん、明美は確かにこの頃一緒にこの屋敷で暮らしていた。
あたしにとってもお兄にとっても…秀世や明美、拳秀兄さんは幼馴染みというよりは兄妹に近いんだ。
秀世は超超超絶美少女のお嬢様としてはあり得ないほど性格も可愛い。犬がワンワン懐くレベルで裏表の無い良い子だ。こいつの想い人がお兄でなければ、あたしは全力でこいつの恋を営業しただろう…超優良物件として。
秀世「三里亜さん…あなた優さまがお好きなんでしょ?」
「ぶ~~~っ!」
思わずジュースを吹いてしまった…クリティカル!
秀世「わたくしは、南先生より深雪姉さまより…あなたが一番の強敵に見えますわ」
「な…な…!」
秀世「だって、あなたの行動力って異常ですもの…そして、悔しいけどあなたは誰よりも優さまの懐にいる」
「懐に居すぎて相手にされて無いけどね…それに…あんただってあたしとほとんど変わらないくらいお兄の懐にいる」
秀世「……」
「誘拐されそうになったとき、お兄が身体を張ったんだよね」
秀世「…はい」
お兄小6・秀世小2のときだ。秀世は誘拐されそうになったことがある。
空手の天才児と言われたお兄は、三人組の犯人を一人で制圧した。
…金⚪蹴り潰して…
明家も劉家も、今ではお兄に秀世を嫁がせることに全く抵抗が無いらしい。
「(まあ…こいつじゃなあ…)」
正直に言えば…あたしはお兄が最終的にこいつとくっつくなら…仕方がないことなのかなとは…心の中では思っている。それくらいこの女は…良い。
それはそれとして、処女は絶対にお兄に捧げるけど。
あたしの妹としての側面は…一生無くならないから…
「(だけど)深雪姉は駄目だ!!」
秀世「そうですわね!」
木島深雪さん、お兄の同い年の幼馴染み。昔は秀世と一緒に「お姉」と呼んでいた…それくらいは仲が良かった。
(画像)
https://kakuyomu.jp/users/kansou001/news/16818093080787845655
秀世「あの人は…優さまを裏切った」
お兄と深雪姉は、高校時代までは結構いつも一緒だった。多分お兄は深雪姉のことが好きだったんじゃないかと思っている。
「(だけどあの人は、大学で彼氏を作った。今更別れたからってお兄に近寄るのは…許せない!)」
ただ…客観的に見た場合、最もお兄にお似合いなのが深雪姉なのも…事実なんだ。大学生と中学生の差は…大きい…
そして、年齢差と言う点では本来あり得ないはずの南先生。
今ならハッキリ分かる。先生は若い頃、パパが好きだったんだ。
だから怖い。
子供の頃はハッキリとかあさん似だったお兄は大人になるにつれパパに似ていってる。
「キマシタワ~」とか言って先生が遊んでいるうちはまだ良いのだけれど、先生が本気になったら…悔しいけれどあたしたちは全く太刀打ち出来ないだろう。
明美「お嬢様、三里亜。ジュースのお代わり要る?」
「明美も一緒に寝ようよ~」
秀世の部屋に明美が顔を出してきた。
明美「あのね?三里亜。あたしが主人筋のあんたらと一緒に寝られる訳ないでしょ?」
「んじゃ命令」
明美「きゃあ~っ」
可愛い明美をベッドに引き摺りこむ。
「明美ちっちゃくって可愛い!」
明美「もう~分かってるの?」
「うん!分かってるよ」
明美「あたし、あんたが好きなんだよ?」
「うん」
…昔から気がついてた。明美の気持ち。明美の初恋。
そして明美は分かっている。あたしが本当の意味ではそれを受け付けないだろうことを…でもね?
明美「襲っちゃうよ?三里亜…」
「うん、襲うの禁止」
明美「…バカ」
「一緒に寝よ?」
明美「…お嬢様…よろしいでしょうか?」
秀世「もちろんよ、明美さん!」
そして…三人娘に夜が…やさしく訪れるのでした…
※一段落…次回投稿まで…しばしお時間をm(_ _)m
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