第1話 あたしの寝坊は…家族の危機!!
「しまったっ!寝坊したっ!!」
慌てて…慌ててあたしはキッチンに走る。
…ちょっと、美少女主人公が人には…まして想い人のお兄には見せられない顔をしているのは自覚しているけど…み、みんなの命が…
ガチャッ!
「か…かあさんっ!」
沙織「あら…珍しい。遅かったじゃない。まあ中学三年生だもんね。朝食は久しぶりにあたしが」
ま…まさかっ!?
沙織「作っちゃったわよ」
…そこには、形から卵焼きらしい黒々とした…そして…お兄の視線が…「てめえ…寝坊とかふざけんなよ!?」とあたしに怒鳴り散らしていた。
…ごめん、お兄~、遅かった…。
―
―
三月「いや~沙織の卵焼き久しぶりだな~、これって醤油で味付けしたの?」
沙織「嫌だなあ~パパ。卵焼きは、塩と砂糖で作るものよ」
優「……」
普段は超優秀な突っ込みマシ~ンであるお兄が何も言わない。さすがのお兄も命は惜しいと思われる。
だから…代わりにあたしが突っ込みを入れる…心の中でね…
「(なんで…卵に塩と砂糖で…真っ黒になるんだよ!?)」
三月「うん!うまい!…どうした?
沙織「早く食べちゃってよ。会社に遅れちゃうわ」
こ、このバカ舌コンビが!特にパパ!あんたがかあさんを甘やかすから!
だいたいあんたの卵焼きが一番黒いだろうが!
これと同等扱いされるなら、さすがのあたしももう早起きして食事なんか作らないぞ。
沙織「あらやだ!そろそろ時間!三里亜、お片付けは頼むわね?」
バタバタとパパとかあさんがダイニングから出でいく。
優「…なあ、三里亜。じゃんけんって知ってるか?…万能の…この世の真理なんだよ」
「そうね…今ひととき…命を掛けて!」
「「最初はグ~、じゃんけんポイ!!」」
…負けた…そして卵焼きという名のダークマター物質が…二人分あたしのお腹に収まった。
…不味い…
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