第58話
ステータスの選択を終えた俺は決めるべきことは決め終わったし、これから実戦で手に入れた物を確かめようと思う。
俺は早速自身の武装を展開して姿見のある玄関まで移動して武装の姿を確かめる。
武装の各所に【万能型エネルギースラスター】が装着されているのが見えた。
思ったよりも【万能型エネルギースラスター】のサイズが小さいが、これで本当に空を飛ぶことが出来るのか少し不安でもある。
そこは実際に空を飛んで確かめてみる必要があるだろうが、それでも地上での移動は確実に早くなっているだろう。
「さてと、じゃあ行くか。」
ステータスボードを操作して日本にある吸血鬼世界と繋がるゲート内へと向かって転移を行なった。
次の瞬間には既に俺は吸血鬼世界のゲートと繋がるゲート内へと転移していた。
地球側のゲートを守る為の防衛陣地は多くの人たちで賑わっている。
その人たちの多くは自衛隊員だろう迷彩服を着ているが、他にも選ばれし者と思われる武装を持った者もそれなりの数が居るのが分かる。
誰かに話しかけられるその前に俺は防衛陣地を出る為に移動して行く。
スタスタと真っ直ぐに移動する俺に対して誰も話しかけて来ない間に、俺は防衛陣地の外に出ることに成功した。
「身体を動かしたいんだが構わないか?」
「物を壊さないなら構わないはずだ。でも、作業の邪魔はしないようにな。」
一応、防衛陣地の出入り口を守っている自衛隊員から許可を得ておく。これで地面や防壁を壊さない限りは問題はないと思われる。
草原内では未だに大きなクレーターがあつたりもしているが、多くの自衛隊員たちや選ばれし者たちが次の侵攻に備えてなのか、新しい防壁を草原に築いているようだ。
俺は邪魔にならないようにする為に誰も居ない場所へと向かって移動していく。
「ここなら良いかな?」
周りには何もない草原に出た俺は早速【万能型エネルギースラスター】を使用する為に進化エネルギーを【万能型エネルギースラスター】の1つに送っていく。
右腕の1つにあるスラスターへと進化エネルギーを送り込むことでスラスターが稼働する。
「うおっ!?」
スラスターから推進エネルギーが放出されてしまうと、俺は右腕のスラスターに引っ張られる形で右側から前に向かって移動してしまう。
急いでスラスターに送っていた進化エネルギーを止め、スラスター自体も停止させることで転ぶことはなかったが危うく転倒するところだった。
「危なっ!これ、考えて使わないと危険過ぎるぞ。」
初めてだから【万能型エネルギースラスター】を使用する際のエネルギーがどれだけ必要なのかも分からずに多めに進化エネルギーを使ったのが悪かったのかも知れない。
2回目に行なった方法は本当に少しずつ進化エネルギーを【万能型エネルギースラスター】に送り込んでいく。
ゆっくり、ゆっくりと右腕のスラスターに流して稼働させると、右腕のスラスターから推進エネルギーが少しずつ放出を始めた。
「これくらいなら抑え込めるな。」
何もしていなければ右腕が勝手に前に進んでしまうが、それでも右腕に力を込めて進まないようにすることが出来る程度の推進力しか今のところは発揮していない。
これくらいの進化エネルギーの使用用なら他のスラスター部分も問題なく使用することが可能なはずだ。
飛行に必要なスラスター以外の【万能型エネルギースラスター】に進化エネルギーを送り込んでいく。
身体のあちこちのスラスターから推進エネルギーが放出され始める。それにただ身を任せれば危険なことになりそうだ。
俺はゆっくりとスラスターの推進力に身を任せるが、細心の注意を払っていつでも自力で身体の動きを止められるようにして。
それから1時間の時間が過ぎていく。
異世界大戦 甲羅に籠る亀 @GOROHIRO
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