第50話

 自分たちの勢力の防衛陣地へと向かう俺に対して、パワードスーツを着用しているアンドロイドはアサルトライフルを連射して来る。


 ジグザグに走ることでアサルトライフルから放たれるエネルギーの弾丸を躱していく。


 途中で何度か【金剛鎧】にアサルトライフルから放たれるエネルギーの弾丸が命中してしまうなんて事もあったりもしたが、死の危機に増大した進化エネルギーを受けた武装と肉体や密度の高くなった俺のエネルギーによって身体の表面が焼け爛れるくらいで済んでいる。


 もう今の俺にはパワードスーツを着用しているアンドロイドのアサルトライフルで死ぬなんて事はなくなった。


 脅威は2つ。大型の高周波ブレードと肩部の砲身から放たれる砲弾くらいな物だ。


 そして、空中から攻撃を行なうパワードスーツを着用しているアンドロイドが行なえる攻撃方法は2つだけ、アサルトライフルから放つエネルギーの弾丸と砲身から放たれる砲弾の2つ。


 その内の警戒するべき物が砲弾だけだからと、俺の意識は肩部の砲身だけである。


 いつ、あの砲身から砲弾が放たれても構わない様に警戒しながら、俺は機械生命体世界に繋がるゲートがあると思われる防衛陣地の門を潜り抜けていく。


 ロボットたちが大量に防衛陣地の外に出す為に開いていた門が閉じていなかったのは良かった。


 門自体が金属製の門だ。こんな門を破壊する為には立ち止まって必殺技をぶつけないと簡単には防衛陣地へと入ることが出来なかっただろう。


 機械生命体の防衛陣地の中はまだ建築途中な建物があるのだが、ロボットやドローンを整備する様な場所と思われるところを発見した。


 背後からパワードスーツを着用しているアンドロイドが追い掛ける中で建物の中に侵入すると、そこにはボールの様なまん丸なロボットが大量に転がって俺のことを待ち構えていたのだ。


 なんだコイツ?と疑問に思ったのも束の間に、そのボールロボットたちはコロコロと転がりながら俺の方へと接近して来る。


 とりあえず背後から追い掛けられている俺は目の前のコロコロと転がっているボール型のロボットに蹴りを入れた。


 これを素足で蹴れば硬いと思うだろう。だが、今の俺は【硬化】の能力が発動し、更に武装【金剛鎧】自体も硬いお陰で足にほんの少しの衝撃があるだけでボール型ロボットは弧を描きながら吹っ飛んでいく。


 「チッ、効率悪いか。」


 かなりの距離を飛ばせるのだが、このままボール型ロボットに蹴りを入れて進むなんて効率が悪くて追い付かれてしまうだろう。


 妨害されても仕方がないと、俺はこのまま突っ込んで行くことにした。


 そうしてボール型ロボットが走るたびに足にゴツゴツと当たりながらも走っていると、最初に蹴りを入れて吹き飛び壊れたボール型ロボットに集まっているボール型ロボットの姿が見えた。


 あれは何をしているのだろうか?そう思って走りながらも見ていると、どうやら壊れたボール型ロボットを解体しながら修理を行なっている様に見える。


 この大量に立ち塞がるボール型ロボットは機械の修理や解体を行なう為の作業を行なうロボットなのかも知れない。


 ボール型ロボットたちによる妨害のせいもあり、内部が広くて天井も高いこの建物の中にとうとうパワードスーツを着用しているアンドロイドがやって来てしまった。


 自分たちの修理を行なう味方なのにも関わらず、パワードスーツを着用しているアンドロイドは肩部の砲身から砲弾を放って来たのだ。


 いきなり現れてからの砲撃。それに今の俺は反応も可能だった。


 「エナジーナックル!!!」


 拳に進化エネルギー、魔力、黄色のエネルギーを収束させた必殺技で、パワードスーツを着用しているアンドロイドが放って来た砲弾を迎え撃つ。


 「う、ぉおおおおおおお!!!!!!!」


 砲弾と拳がぶつかり合った影響で衝撃波が発生する中で、俺の必殺技【エナジーナックル】が砲弾を弾き飛ばした。

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