第48話
パワードスーツを着たアンドロイドの肩部に装備された砲身から視界に映らないほどの速さの弾丸が放たれる。
放たれた弾丸の大きさは15センチほどの太さを持つ。そんな弾丸が視界に映らないほどの速さで迫って来ているのだが、それは一般人ならばの話だった。
俺の視界には回転しながら迫って来ている銃弾としては巨大で砲弾と呼べる様な代物が、俺の身体に命中するだろう場所へと腕を移動させてクロスにさせる。
少しでも防御力が上がる様にと【硬化】と【金剛化】を進化エネルギーを意識的に使うことで通常以上に強化し、更にただただ身体から放出されていた進化エネルギーを身体の内側と表面に留める様にもしてみた。
これでどこまで防げるのか分からなかったのだが、それはこれからの結果で分かるだろう。
「ぐぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
結果はいま叫んでいる通りである。腕を交差させてクロス防御した腕の装甲を削り取って、その下の肉体は簡単に吹き飛んでしまう。
装甲に守られている2つの手がくるくると飛んで行くのが視界に入る中で、砲弾は俺の腹部の装甲を貫いて、更に肉体も貫通していく。
俺の腹部には風穴が空いてしまった。風穴から大量の血液が流れ出し、臓器が外部に露出する。
だが、幸いなことに腕の防御のお陰で砲弾が逸れたからか、俺の脇腹に命中したのは本当に幸いだった。
本来の砲弾の軌道コースでは俺の背骨すらも貫いていたはずだ。そうなると立ってもいられなかったはずである。
そのまま倒れそうな身体をたたらを踏みながらも耐えて、進化エネルギーを大きく空いた穴へと集中させて【超強化再生】を発動させ、急速に失われた内臓や筋肉が戻っていく。
あと少しで死ぬ可能性があった。その危機感は俺の身体から溢れる進化エネルギーがより増幅されることでも分かることだった。
さっきまでの俺は吸血鬼世界からの侵略者の指揮官だったボルビックを相手にしていた時よりも弱かった。
だが、今の俺はその時と同じくらいに進化エネルギーが溢れることで強化されている。しかも、それは溢れる進化エネルギーに寄ってだ。
そこから【エネルギー操作】に寄って肉体が強化される進化エネルギーを集中させたりも可能なことを考えれば、ボルビックと戦った時よりも強くなっているだろう。
それに赤色のオーラの魔力だけではなく、黄色のオーラまでも身体から薄っすらとだが溢れている。
多分だがこれは瀕死の重傷になったから黄色のオーラが身体から出て来たのだと思う。
緑色、赤色、黄色の3色のオーラを身体に纏っているのだが、緑色、赤色、黄色の順番で溢れ出している量の違いでもある。
ユニークスキルである【進化のチカラ】に寄って獲得した進化エネルギーの生成と増幅効果で1番多くの量がある進化エネルギー。
精神のチカラである魔力の赤色のオーラ。黄色のオーラが何なのかは分からないが、これは後でヘルプで確認すれば良いだろう。
この3つのエネルギーも肉体の強化や【超強化再生】の消費エネルギーに使われていく。
急速に肉体と武装に出来た穴は塞がると、俺は再び接近戦を仕掛けて来たアンドロイドたちの相手を行なう。
その動きが先ほどまでとは違う俺の視力で追いかけると、紙一重でアンドロイドが振るった高周波ブレードを回避する。
そして、回避と同時に距離を詰めて拳をアンドロイドの胸部へと繰り出した。
そのまま拳が人肌の柔らかなスキンを突き破り、その下の硬い金属のボディを破壊してアンドロイドの身体に俺の腕が突き刺さる。
貫通した腕を引き抜きながらアンドロイドを腕ごと振り回して高周波ブレードを振るって来ていたアンドロイドの1機に腕のアンドロイドを叩き付けた。
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