第45話

 ロボットたちによる自爆攻撃の結果、俺の身体に爆風や衝撃に熱が押し寄せてくる。


 そんな攻撃が四方八方から食らってしまった俺は既に身体中を痛めながらも、何とか意識だけは保っていた。


 熱や衝撃だけでここまでのダメージを今の俺が受けるとは思わなかった。それだけ俺の肉体は進化エネルギーによって変わったのだから。


 瀕死とまでは行かなくても意識を保つのがやっとの俺は地面に倒れながらも、何とか身体を動かして立ちあがろうとする。


 そんな俺に向かって次の攻撃をする様にロボットたちを指揮しているアンドロイドの1体がまた命令を下した。それが俺の耳にも入って来た。


 「接近して自爆しなさい。更に弱らせます。それから攻撃を行ないましょう。」


 耳に入るアンドロイドのそんな言葉に、ここでまた自爆攻撃を行なわれたらヤバいと感じ取るのだが、身体をすぐには動かせない。


 ああ、早く身体を再生させて動かなければと思うがそんなすぐには癒せない。流石に全身の受けたダメージを癒すのには集中させて再生が出来ないからだ。


 全身を癒すことに進化エネルギーが使われて行き、身体から溢れ出ていた緑色のオーラが再生のための進化エネルギーの消費で減少していく。


 どんどんと接近して来ているロボットたちの姿が見える。まだまだ自爆したロボットたちの多さから俺とロボットたちとの距離はあるが、接近される前に【超強化再生】によって行なわれている再生が終わって欲しい。


 早く早くと焦る気持ちもあるが、衝撃を受けて痛みと痺れを感じていた俺の身体が少しずつ動かせる様になって来ていた。


 そしてようやく俺はフラフラとした足取りだが起き上がって立ち上がれる様になっていた。


 その頃にはロボットたちとの距離が10メートルもない。最初の自爆の時に犬型ロボットの大半が吹き飛んだからだろう。今の俺が再生するまでにロボットたちに接近されていないのは。


 戦える様になるまでにあと10秒ほどの時間があれば、【超強化再生】の力で癒されるはずだが、その前にこのままだとロボットたちに接近されて自爆攻撃を受けることになるだろう。


 今はグレネードや小型ミサイルを誘爆させる為にロボットたちが使って来ないが、俺が何かしらの反撃行動に移ればアンドロイドたちが攻撃の命令を出す可能性が高いはずだ。


 そんな事を思いながらも俺はそれでも自爆して来るロボットの数を減らす為に、俺は手のひらに進化エネルギーを操作して移動させると、【エナジー弾】を1番近くのロボットに向けてエネルギーの塊を放った。


 次々にロボットたちを【エナジー弾】が貫いて破壊していく。そのまま【エナジー弾】を放った俺は次の【エナジー弾】を放つ為に意識的に進化エネルギーを操作して手のひらに持っていく。


 続けて放った【エナジー弾】はロボットが多い場所を狙って放つ。次弾の【エナジー弾】も次々にロボットを貫いて破壊する。


 もう1発お見舞いしてやると進化エネルギーを操作して手のひらに持って行こうとした時にアンドロイドたちが動いた。


 「「「「グレネード、小型ミサイルを使用してください。自爆攻撃は続行です。」」」」


 そんなアンドロイドたちの命令を聞いたロボットたちは、俺に接近しながらも各々が装着している武装を使ってグレネードや小型ミサイルを発射して来る。


 四方八方から放たれるその数は空も含めた一面をグレネードや小型ミサイルが覆っていく。


 俺は【エナジー弾】を放つことが出来る最小限の進化エネルギーで【エナジー弾】を迫り来る小型ミサイルへと放った。


 小型ミサイルを【エナジー弾】が貫いてそのまま後ろの小型ミサイルを次々に破壊していく。


 破壊の瞬間に小型ミサイルが次々に爆発して行き、その爆発に巻き込まれる様に他の小型ミサイルやグレネードが誘爆して行った。

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