第43話
俺が飛び出す為に身体に力を入れているのを理解しているのか、アンドロイドは刀の構えを変えてきた。
それでもこのままアンドロイドとの戦闘が長引くほどに後々に不利になる気がした俺はそのままアンドロイドに向かって突っ込んでいく。
「ここだっ!!」
アンドロイドの刀の間合いにあと一歩で入り込む時に、俺は地面に足を減り込ませるくらいに力強く踏み締めて止まる。
丁度、あと一歩だけ俺が踏み出していたらと言う位置をアンドロイドの振るう刀の斬撃が通り過ぎていく。
腕を振り切ったアンドロイドに俺はそのか細い両腕を握り締めて刀を振るう事が出来ない様にする。
そしてアンドロイドの両腕を掴んだまま俺の方に引っ張ると、俺はアンドロイドの腹部に膝蹴りを喰らわせた。
膝がアンドロイドの腹部に減り込む。機械の身体を破壊する感触を膝から感じながら、俺は握り締めている両腕を引き千切ってアンドロイドを蹴り飛ばした。
「これ以上の戦闘は不可能です。損傷を与える為に自爆します。」
その直後、ドカーーーンッと大きな音を立てながらアンドロイドは自爆した。アンドロイドの身体の一部が爆風に乗って俺の武装をガンガンガンと叩いていく。
自爆による影響は武装にはなかったのだが、爆発の衝撃と熱が俺に襲う。アンドロイドの自爆はドローンやロボットたちよりも威力が高かったからだろう。
急いで頭部のみを破壊したアンドロイドを武器と一緒に回収し、ステータスボードのアイテム覧に載ったのを確認すると、俺は機械生命体世界に続くゲートを守っているのだろう防衛陣地に向かった。
吸血鬼世界の侵略者の死体も回収すれば、ポイント購入のポイントに売却して変えればよかったな。などと思いながら機械生命体の防衛陣地に向かって走っていると、上空に上がっていくドローンの姿が確認した。
ドローンの数は機械生命体の防衛陣地に戻って行ったドローンよりも数が多い。まだ防衛陣地の中にはドローンが残っていたのだろう。
その大多数のドローンたちが一斉にこちらに細長い筒の様な物を向けて来た。あれは何だ?と思う前に俺はその場から全力でダッシュする。
俺が走り出したのと同時にドローンたちが地上に向けて大量にグレネードや小型ミサイルを放って来たのだ。
幸いな事に追尾して来るような性能がなかったのは功を奏した。俺が居た場所を中心にした範囲から盛大に爆発音が発生する。
あの場所に俺が居たら耐えられただろうがそれでも大きなダメージを受けただろうと思う穴が作り出されていた。
次弾の発射準備には時間が掛かる様だ。攻撃が行なわれない今のうちに少しでも数を減らそうと【エナジー弾】を放とうとした時、次々に機械生命体の防衛陣地の入り口からロボットたちが現れるのが目に入った。
しかも、そのロボットたちの一団にはアンドロイドが多数いる。一眼見ただけでも10体は超えているだろう。
あの俺に攻撃を加えられる存在があれほどいるのだから、あのアンドロイドもまたこの場では機械生命体たちの最高指揮官ではないようだ。
あれ以上の存在がある可能性が示唆された現状だが、俺がやる事は変わらない。とにかく目に付く敵をすべて壊していくだけだ。
地上の犬型も寸胴型もアンドロイドも関係なくロボットたちはグレネードや小型ミサイルを筒から放ってくる。
その場から逃げ出しながらも進化エネルギーを操作して狙いを付けて命中させやすくする為に手を向けると、アンドロイドには防がれてしまうだろうが少しでも妨害する事が出来ることを願って【エナジー弾】を放った。
ロボットたちを貫通しながら【エナジー弾】は進んで行くが、やはりアンドロイドが展開するバリアの様な何かに防がれてしまうようだ。
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