第42話
まさか俺の武装【金剛鎧】を貫通する様な攻撃を機械生命体がするとは思わなかった、
今もエネルギーの塊である光弾が貫通している武装の穴から俺の血が流れ出している。
ああ、これは下手をしたら死んでしまう。俺はその事を心底理解した。油断しているつもりはなかったが、俺は驕ってしまっていたようだ。
【超強化再生】の力で急速に肉体も武装も強化され再生しているが、ここからは俺は油断も慢心もなくただ敵を破壊することだけに意識を集中する。
命の危機に全身から湧き上がる進化エネルギーの緑色のオーラに混じった少量の赤色のオーラがかなり目立っている。
「「「対象の危険度が上昇しました。速やかに攻撃を行なってください。」」」
まだこの場に残っている犬型ロボットや寸胴型ロボットたちが自爆するために俺に向かってくる。
足に力を入れる。俺は一気に自爆しようとするロボットたちの間をすり抜けてアンドロイドたちへと駆け出した。
俺の後方では自爆したロボットたちの爆発による衝撃や音が発生しているなかで、俺は肉体と武装に穴を開けたアンドロイドの両手を掴んでへし折るのと同時に胴体を力の限り蹴りを繰り出す。
俺の蹴りをまともに受けたアンドロイドは10メートル以上の距離を吹き飛ばされてから地面を転がっていく。
俺は先ほど引き千切ったアンドロイドの手の中にあるエネルギーの光弾を放っていた拳銃を手に取る。
これが俺の武装を貫通した攻撃を可能にした武器なのかと手に持って眺めながらも、残りのアンドロイドたちへと警戒は忘れない。
現に今もアンドロイドたちはエネルギー光弾を放てる拳銃を常に放てる様に向けているのだから。
アンドロイドたちと睨み合っている間に、俺は手に持っている拳銃をその場でステータスボードのアイテムにアンドロイドの腕と一緒に仕舞うと、俺を狙っているアンドロイドたちへと突っ込んだ。
アンドロイドたちは何度も何度も拳銃から光の弾を放ってくるが、そう言う攻撃が来ると分かっていれば、今の俺なら余裕ではないが回避は問題ない。
そのままアンドロイドたちの元へと接近した俺は1体のアンドロイドの頭部を殴った。
【硬化】と【金剛化】している今の俺の攻撃力と武装の強度に速さを掛け合わせた一撃でアンドロイドは頭部を粉砕される。
1体のアンドロイドが頭を失って地面に倒れるのと同時に残りのアンドロイドは手のひらサイズの棒を取り出した。
なんだ?と疑問に思ったのも束の間にアンドロイドの取り出した棒から鋼の刀身が現れる。
その刀身は高速振動を行なっているのが耳に聞こえる甲高い音で理解した。あれは犬型ロボットの尻尾の高速振動した刃と同じ物だと。
【金剛鎧】の装甲に傷を与えられる武器の1つを取り出したアンドロイドは剣の達人の様に自然な動作で高速振動する刀を振るう。
「ぐぁあ!?」
ガードしようと高速振動する刀の刃の軌道に腕を構えたのだが、【金剛鎧】の装甲を切り裂いてその下の腕を半ばまで断ち切られてしまった。
犬型ロボットの尻尾の刃とは性能が違うのか、それとも剣の達人が振るうかの様なアンドロイドの斬撃の鋭さが犬型ロボットと違うからこそ、俺の腕や武装が切り裂かれたのかは分からないが、アンドロイドの使う高速振動の刀は危険な代物だ。
完全に両断された訳ではない腕を庇いながら俺はアンドロイドとの距離を取ると、急いで進化エネルギーを操作して切り裂かれた腕と武装に集中させて【超強化再生】を意識的に発動して再生していく。
そんな俺の様子をアンドロイドは逐一見逃さない様に観察している。その観察した情報を何処かにアンドロイドが送る前に仕留めないといけない。何かしらの対策をされる可能性があるからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます