第34話
それからボルビックを痛め付けながら尋問を行なった。吸血鬼世界から地球世界に向けて侵略して来た理由や吸血鬼世界の戦力がどれくらいあるのかを聞いた。
どうやら吸血鬼世界では吸血鬼たちの食料になる人間が不足し始めたのだそうだ。人間のみが罹る病が増えて死んでしまったそうで食料になる人間の補充の為に攻めて来ているようだ。
そして吸血鬼世界の戦力がどうなのかと言えばボルビックですら吸血鬼世界では下層の強さしかないという。
これを聞いて吸血鬼世界の強者の強さがどれくらいなのか理解できない。それでもやることは変わらない。
俺はこれからも地球世界に攻め込んでくる侵略者たちを殺していくだけだ。俺に誰かを救うことに力を使うよりも侵略者を殺す方が余程多くの人たちを救う結果になると思うから。
でも今回のボルビックの拷問兼尋問で知り得た情報を後で自衛隊の人たちに教えて置かないといけないだろう。
ボルビックから得られた情報は貴重なはずだからな。今のところ吸血鬼世界の情報はほとんど何もないはずだ。
「も、もう話せることはない!!?だから、助けてくれ!!!」
全身をズタボロにしてあれほど貴族然とした姿はどこにもないボルビックの姿は面白いが、そろそろ聞き出せる事も無くなって来た。
もうボルビックを尋問してもこれ以上の情報はないだろう。それならあとはどれだけ苦しめて殺せるかだけだ。
「解放してやるよ。この世からな!!」
足を思い切り振り下ろしボルビックの再生し始めている下半身を踏み躙る。
再生途中で露出している神経や肉に骨を痛みがより感じるように踏み付け、辺りにはビチャビチャとした音がボルビックの絶叫と一緒に響き渡っていく。
ボルビックの全身をバラバラにしながら痛め付けていると、ボルビックから何かを感じ取る。
感じ取ったそれはボルビック自身の血液へと流れ出しているようで、ボルビックが何かしらをしようとしているのだろう。
ボルビックは何をする気なのか?なんで尋問している時にはしなかったのかは分からない。
だが、ボルビックが何かをしていることは理解した。俺はその何かに備えながらボルビックの身体をどんどんと小さく削っていく。
「は、ははは!!!あ、はははは!!!!死ねぇえええええ!!!!!!!」
突然叫んだボルビック。そんなボルビックの身体から撒き散らされる何かが多くなり、その何かは血液と一緒に俺の後方で形作っている。
その何かを気にしながら俺はボルビックが逃げられない様にボルビックの心臓のある胸部を踏み付けながら背後を向いた。
そこには血液で作られた真っ赤な血の槍が俺に向かって突っ込んで来たのだ。
「あははははは!!!!!!これでお前もお終いだッ!!!!」
狂笑をあげながら叫ぶボルビックだったが、今の俺にはあの血の槍に対して恐怖を感じない。
「エナジーナックル。」
拳に進化エネルギーと先ほどボルビックから感じたエネルギーが俺にもあることに気付いたことで、進化エネルギーの緑色と未知のエネルギーの赤色が収束される。
混じり合わずに2色の螺旋模様を描きながら収束される2つのエネルギー。だが、進化エネルギーよりも未知の赤色のエネルギーの量は少ないようだ。
そんな2色の色が拳に収束された必殺技【エナジーナックル】を迫り来る血の槍へと向かって振りかぶって殴る。
収束された2色のエネルギーに血の槍の先端が触れるが、血の槍は収束された螺旋を描く2色のエネルギーを突破することが出来ない。
そのまま突き出された俺の拳に押し返されるようにして、ボルビックの放った血の槍は弾け飛んで行き、最後は俺の拳から放たれた衝撃波に寄って扇状に血の槍だったボルビックの血液は飛び散っていくのだった。
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