第5話

 自分自身のステータスを確認して5分ほど時間が経過した頃、ザワザワと色んな所で沢山の人が話していたがこの場の全員の頭の中に直接的に声が聞こえてきた。


 『あと25分で吸血鬼世界からの侵略者たちからの侵攻が開始されます。防衛に失敗してゲートを侵略者に潜られると地球側の防衛戦力では危険度が高いです。その前に防衛の為の準備を行なってください。』


 そう頭の中へと聞こえると同時に辺りは静まり返った。だが、その時辺りに響く声が放たれる。


 「私は自衛隊所属の竹中だ!防衛準備を行ないたい!我々の背後にある光の門が地球に繋がるゲートだと思われる!侵略者どもがあの場所を潜る事を止めないといけない!どうか力を貸して欲しい!これからこの場に陣地を作る!この場にいる人で壁や地面に穴を掘れる者は私の元に集まってくれ!そしてこれからの戦いに関して陣形を取りたい!素人ばかりの現状ではまともな戦いは出来ないだろう!だが簡単に簡略すれば出来るはずだ!遠距離攻撃が可能な者は左に集まってくれ!近接攻撃が可能な者は右だ!時間がない!反論もあるだろうが動いてくれ!」


 そう自衛隊の竹中が話した指示に周りはザワザワとしているが少数だが動き出すと他の人たちも動き出していた。


 俺も視界に入る光で作られた門が地球と異世界を繋ぐ通路の出入り口なのかと思いながら右側の前衛部隊になるのだろう者たちが集まっている場所へと移動していく。


 移動していると自衛隊の竹中が気に食わないのかグチグチとイチャモンを付けている不良と思われる人物やオロオロと怯えている中年の男性、意気揚々と自信満々にこれから自分は活躍して英雄になるんだと言わんばかりの中学生や高校生くらいの男女の集団が俺と同じ前衛組として集まっていた。


 そうして全員が動いた訳ではないが、大体がそれぞれに前衛組、後衛組、生産組へと分かれ終わった。


 そんな中、竹中と同じ自衛隊と思われる銃火器を持っている一団が後衛組へと向かい、刀や槍などを持っている迷彩服を着た者が前衛組に向かって来る。


 「私は自衛隊の一ノ瀬です。この近接攻撃で戦う前衛組を引き受けます。それぞれ武装ごとに分かれますので行動をしてください。質問などは分かれた後に聞きますので行動をしてください。」


 自衛隊の一ノ瀬の指示で集まっている前衛組が動かそうとした時、不良や半グレと思われる一団が威嚇する様な声で騒ぎ始める。


 「おいおい!!これ以上お前らが仕切んなよ!!!」


 「そうだぜ!!オレらのリーダーになった田中さんがこの一団に相応しいんぜ!!そうですよね、田中さん!」


 「ああ、そうだ!オレらはそっちの指示で集まってやったんだぜ!これ以上お前らの命令を聞く必要があるのか!あ゛ぁ!!!」


 そう言って不良や半グレの一団のリーダー役になった男が叫びながら武装と思われる大きな刀を地面に叩き付ける。


 そんな行為に女性の「きゃあーー!!」と言う悲鳴や「うぉ!」「ひぃ!!」などと悲鳴が聞こえるなか、振り下ろされた大きな刀が地面にぶつかった影響で刀から放たれた衝撃波が前方に居た一団に襲い掛かってしまった。


 これは不味い事になったんじゃないかと思っていると同時に何処かで冷静に不良や半グレの一団をどうやって倒そうかと思考を回していると、大刀から放たれた衝撃波の前に大盾を持った1人の男が現れる。


 「うぉおおおおおおおおおお!!防げ!!【ビックシールド】!!!」


 大盾を地面に突き刺す勢いで構えた男は雄叫びを上げながら防御系の必殺技と思わしき【ビックシールド】と叫んだ。


 すると、大盾が光りを放つと大盾を中心に半透明な光の盾が現れる。


 そして大刀から放たれた衝撃波は必殺技を使用した男の大盾によって防がれるのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る