第3話

 「スキルかぁ……どんなスキルが俺にあってると思う?」


 『オススメは戦闘系スキルですね。戦いの素人でもその道の達人の一歩手前くらいまでの技術を獲得可能ですし、更に取得した戦闘系スキルにあった武器の攻撃を行なえば威力などに補正が掛かりますからね。』


 ユニークスキル【闘争の化身】にも戦闘に関して何かしらの補正がありそうだがここで戦闘系スキルを取得して技術を手に入れるのが良さそうだな。


 でも俺の武装は【全身鎧】だ。それだと取得するべきスキルは格闘技みたいな素手の戦闘系スキルを取得するべきだろう。


 「じゃあ、素手で戦う系のスキルを表示してくれないか?」


 『分かりました。それでは表示します。』


 武術、格闘術、拳打術、蹴撃術、空手、柔術……と大量に表示される。そんな中で武術という素手以外にも武器も使いそうな範囲が広い物が一番最初にある事に気が付いた俺はサポートへと質問する事にした。


 『それは私のオススメですね。これから武器系の戦闘系スキルを取得するかも知れません。ですから獲得する技術の知識量は少ないですが補正範囲が広い武術をオススメします。それにスキルに効果や補正が掛かる範囲が同じ物は両方ともに補正が掛かりますから損はしません。』


 「なるほどな。それならオススメされたしこの【武術】スキルを取得するよ。」


 俺はサポートのオススメを聞いてスキル【武術】を取得した。すると頭の中に今まで知らない知識が流れ込んでくる。


 「これ、は……こんなに知らない物を知って大丈夫なの、か?」


 『問題ありません。既に我々から選ばれた時点で通常の人類とは一線を超えた存在になっていますからね。』


 そんなサポートの言葉を理解して今更になって自身の身体に何が起こっていはのか、それが余計に恐怖心が湧いて来そうになるなか俺は最後の必殺技を決める事で湧いてくる恐怖心を無視する事にした。


 「さ、最後の必殺技を決めよう。それでこれも何かオススメがあったりするのか?」


 『そうですね……ユニークスキル【進化のチカラ】で進化のエネルギーが生み出されていますから、エネルギーを拳に収束させて打撃を叩き込む【エナジーナックル】が良いかと思います。他にもエネルギーを利用した必殺技もありますがこれが使い勝手も良いと思いますから。』


 「そう……他のエネルギー系の必殺技も見せてくれるか?」


 『分かりました。表示します。』


 エナジーブレード、エネルギー光弾、エナジーバースト、エネルギークロー、エネルギーソード……と大量に表示される。


 その中の必殺技を一つ一つ確認する時間はない。残り時間もあと5分を切っている。だから俺は1番上のエナジーブレードだけ確認するとサポートのオススメしてくれた【エナジーナックル】の必殺技を取得する事にした。


 これでステータスでやる事は終わった。残りの5分未満の時間で俺はサポートから異世界からの侵略者の情報を得るのに時間を使う。


 「それじゃあ攻めて来ているのは吸血鬼が支配している世界、ゴブリンが支配している世界、機械生命体が支配している世界の3つが攻めて来ているんだな。」


 『はい。攻めて来た理由はこちらの世界の人間を拐う事が吸血鬼世界とゴブリン世界。機械生命体世界は人間の抹殺でしょうね。』


 何故そうなのかを聞くと吸血鬼世界は人間の食料化、ゴブリン世界は人間を繁殖の為に使用、機械生命体世界は自身の世界の人間が居なくなった為なのではとの事だった。


 それから俺は日本にある異世界とこちらを繋げる通路の出入り口であるゲートはどれくらいあるのかを聞くと全部で今のところは二つだけだそうで、どの世界から攻めて来るのかを聞いた。


 攻めてくるのは吸血鬼世界と機械生命体世界の二つ。吸血鬼世界は東京の渋谷駅。機械生命体世界は大阪の大阪駅なのだそうだ。

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