第3話-騎士団長-

雷槌『ミョルニル』を装備した僕は、火炎竜の生息地、『アーミュライド』へと向かった。


基本的に火炎竜とされるのは、『ファイアワイバーン』、『ヴォルカニックワイバーン』、『火焔煌龍』の3種。


今回倒しに行く火焔煌龍は討伐ランクS相当のモンスターだ。


「機動鎧『アイギス』、雷槌『ミョルニル』、聖盾『アキレウス』点検よし!」


そのため、今まで作成した中で最も上質なものを持っていかなければ、命はない。


数時間後、僕はアーミュライドへ到着した。


「火焔煌龍...どこに居るかな?」


探し回ること30分。


火焔煌龍の巣穴を見つけた。


「よし...」


巣穴の中に発煙筒を投げ込む。


すると、火焔煌龍龍の王が巣穴から顔を出した。


ブレスをとっさに避け、雷槌『ミョルニル』を相手の腕に振り下ろす。


――が、避けられ上空に逃げられる。


「くそっ、こんなことなら魔弓『フェイルノート』か、星銃『アストラル』でも持ってくればよかった...!」


よくよく考えたらドラゴンは空を飛ぶのだ。


そんな当たり前のことを考えていると、宙を舞う人影が見えた。


「あれは...?」


騎士団長、《セルリア・ハイビスカス》。


僕と同じ人族で、齢19。


歴代最少にして、最強の騎士団長様だ。


黒のフレアスカートに白の隊服。


その上に装備した騎士団長専用の装飾がなされた豪華絢爛な鎧。


そして炎の魔法が付与されたロングソード。


騎士団長は速度を上げ、火焔煌龍に近づくと。



「!?!?」


火焔煌龍の鱗は、とても硬く大砲の弾が直撃してもかすり傷程度で済むらしい。


よっぽど鍛冶師の腕が良いのか、セルリア様が強いのか――。


どちらにせよ心が踊る。


あれに挑戦するんだ――。


セルリア様はこちらを見ると、


「大丈夫か?そこの女の子。」


と声をかけてきた。


男なのになぁ。


「あ、あの...男です。」


遠慮がちに言うと、セルリア様は驚いた表情をなされた。


「本当か!?いや...でもその顔と肌の白さは...。」


こちらを見るセルリア様の目に熱がこもる。


「えっと...?セルリア様?」


身の危険を感じ後ずさる。


突然セルリア様が抱きついてきた。


「ッッッッッッッッッッッッッッッ!?」


いい香りがする...じゃなくて!


「突然何を!?」


「す、すまない。思わず...」


――あ、この人駄目な人だ。


「一つ聞きたいことがある。その武器と鎧は誰が作ったんだ?」


僕の持っている武器を見て、聞いてきた。


「あ、これは僕が作りました。一人前の武器鍛冶師になるのが夢で――。」


するとセルリア様の目が光り。


「君に頼みがある。」


え?


「騎士団に入ってくれないか?」


えええええええええええええええええええ!?

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