第12話
「おはよう」
「おはようござい……ひゃあーーーー!!」
私はぼんやりと目を覚ますと隣にアーサー様がいたことに驚いた。
(そうだった。一緒に寝たんだった……)
ーーーー遡ること昨日の夜。
「無理無理無理無理無理ですー!!」
「そんなに拒絶されると傷つくのだが……」
アーサー様の提案は一緒のベッドで寝ること。そもそもベッドがひとつしかない。それで私が床で寝ると言ったら……。
「床で寝るなど私が許さない。だったら一緒に寝ればいい」
(なんて言い出すから〜)
これはアーサー様が一緒に寝たいだけではとも思われる。私は恥ずかしさでいっぱいいっぱいだった。
「それとも一緒になるのは嫌か?いずれ夫婦になるのだから一緒に寝たいと思っているのだが…。」
「ふ、夫婦」
私は夫婦という言葉に呆然とした。
「嫌か?」
アーサー様がしょぼんとしたので私はここで我に帰る。
「めめめめ、滅相もございません!」
「そうか!良かった!」
(突然の言葉に毎回、驚かされる〜)
「てことで、一緒に寝よう!」
「ひゃ、ひゃい」
ーーーーということであった。
「さぁ、着替えて朝食に行こう」
「は、はい」
私とアーサー様は着替えて朝食会場へと向かった。私はいつも通りのローブを着て目深にフードを被った。
「ミーシャはとても細いから心配だよ。父も心配していた」
「い、いつも木の実ばかり食べてたので…」
「ほ、本当か?!それは良くないな。ここではたくさん食べるといい」
「お、お気遣い感謝致します」
私は毎日のように木の実を食べていた。もちろん食料が届く日はそれを料理して食べている。しかしそんな生活ばかりしていたので体は細くなってしまった。
「ここだ。父と弟もいるが大丈夫か?」
「えーと……」
本当は無理。だけどここで断ってしまえばアーサー様は部屋で食べることを許可してくれるだろう。しかし、今回はアーサー様の弟、つまり第二王子もいるのだ。初対面なので私の印象が悪くなってしまうだろう。
「だ、大丈夫です」
「そうか。無理ならすぐに言うんだぞ?」
「はい」
アーサー様に手を引かれながら私は朝食会場へと入っていった。
部屋に入ると国王様と第二王子のロベルト様がすでに座っていた。
「来たか。おはよう、アーサー。それにミーシャ様も」
「おはようございます。父上」
「お、おはようございます」
私はまず国王様に挨拶をした。そしてロベルト様というと……。
(なんか睨まれてるぅ〜)
私は泣きそうになったのだった。
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