第13話

(睨まれてるぅ〜)

 朝食会場に入って国王様と第二王子のロベルト様に挨拶したのはいいものの、ロベルト様には睨まれ挙げ句の果てには無視である。

「ん?ミーシャ、どうかしたのか?」

「いいい、いえなんでもないでひゅ」

 ブルブル震えているミーシャにアーサー様が気にかけ声をかけてくれた。私はなんでもないと言ったが、明らかになんでもあるやつである。

「そうか。ミーシャは俺の隣に座ってくれ」

「ひゃい」

 ガチゴチと椅子に座り、全員でいただきますと言って食べ始めた。

「お、おいしい」

 いつも木の実ばかり食べていた私はちゃんとしたご飯に感動した。

「良かった。こんなに痩せ細って…。結構心配してたんだ」

「心配してた?」

「あ、ああ。見かけるたびに細いなぁと思っていたからな」

(見かけるたび?まぁ、いいかな)

 今は食事を楽しもうと思ってパンを頬張った。

「ミーシャ、あーん」

「……へ?」

 アーサー様がフォークをこちらに向けてくる。

(まさか食べろと?)

「ん?」

 ここで食べなきゃアーサー様は落ち込むだろう。私は恥を捨てて覚悟を決めた。どんなことに覚悟決めてるのかよく分からないが……。

(目を瞑って顔を見ないようにしよう)

「あ、あーん」

 パクッと食べるととても美味しく食べさせてもらったことなどどうでも良くなった。

「はい、あーん」

 しかしどうでも良くなったのは束の間。すぐにアーサー様がフォークをこちらに向けてくる。

「私、お腹いっぱいなので……」

 もともと食が細いので私はすぐにお腹いっぱいになった。「あーん」と言ってフォークを向けてきた手を下げてしまったので、私は慌ててその手を握った。

「え?」

「は、はい…えーと、あーん?」

 今度は私からアーサー様にフォークを向けた。

「うん、ありがとう」

 アーサー様は少し頬を赤らめながらパクッと食べた。

「兄上、ミーシャ様。お戯れはお辞めください」

 威圧をしながら(主に私に)ロベルト様がカチャンと食器を置いて言ってきた。

「ひっ!」

 私は単純にビビってしまった。アーサー様はなんで?と顔を傾けている。

「なぜだ?私とミーシャは婚約をし夫婦になる仲なのだから別にいいだろ」

「私はミーシャ様との婚約は反対なのですよ、兄上」

「「?!」」
















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