第9話
「夫婦になるのだから一緒に寝るのは当たり前だろう?」
(アーサー様は当たり前とか言ってるけど、私にとってそれは無理です〜)
私はとても焦っていた。毎晩、一緒に寝るなど緊張して無理に決まっている。
「アーサー殿下!ミーシャ様の荷物をお持ちいたしました!」
数名の兵士たちが部屋へと入ってきた。どうやら私の荷物を運んできてくれたみたいだ。
「ああ。ご苦労だったな。ミーシャ、荷物はどこに置けばいい?」
「あ、えーと、私が運びますので……」
「そういうわけにはいかない。俺も手伝おう」
浮遊魔法で運ぼうとしたのだけれど、アーサー様は手伝うと言ってくれた。
「いえ、その、魔法使うので。……だだだ、大丈夫です」
「そうなのか。でも、俺は手伝いたい」
私が魔法を使うと言っても手伝うの一点張り。どうやら私が折れるしかないみたいだ。
「えーと、でしたら一緒に運んでもうと……助かりまふ」
「一緒に……。ああ!もちろんだ!」
どうやら一緒にという言葉に感銘を受けているようだ。
(これ、婚約破棄できるの?……これルイさんが言った通りに諦めたほうがいい?)
私は密かにそう思うのだった。
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