第5話
「ミーシャ、君を手放すつもりはないよ。覚悟するように」
「ひゃ、ひゃい」
本当は断ろうと思ったのに自然と口が動いてしまい、アーサー様と婚約してしまった私。
そしてあろうことかキスまでされてしまった。
(どうしようどうしよう)
私は焦っていた。パーティーに参加しただけなのに婚約してしまうなんて。
(アーサー様は知っているのかな?私が引きこもりなこと……)
「どうかしたのか?」
「いいい、いえ。……なんでもありません」
考え事をしていたら心配されてしまった。今は婚約破棄することを考える。
「では、皆に報告しに行こう。パーティーはまだ続いているしな」
「へ?」
そう言ってアーサー様は私をお姫様抱っこしてパーティー会場へと向かって行った。
(なんでそうなるの〜!)
そしてあっという間にパーティー会場に着いてしまった。
会場にいた全員が驚きの目でこちらを見ている。
アーサー様は私を一旦降ろして、私の腰に手を回し抱き寄せた。
「私は<天才魔術師>ミーシャと婚約する。ゆくゆくは結婚しようと考えている。皆もそのつもりで」
(ヒィ。ルイさんが状況を説明しろと怒ってるよ〜)
「では行こうか」
アーサー様に促され私はルイさんの痛い視線を感じながらパーティー会場を後にした。
(胃が……胃が痛い)
いろんなことがありすぎて私は疲弊していた。
「明日の午後、ミーシャの家に迎えに行こうと思うのだが、どうだろうか?」
「わわわわ、私の家にですか?!」
「ああ。どうだろうか?」
(どうと言われても〜)
私はひっそりと暮らしているのだ。しかもボロ小屋に。そんなことがアーサー様にバレては大変だ。
「いえ、大丈夫です!……えーと、ちなみに迎えに行くとはどういう」
「ああ、一緒に暮らそうと思ってな」
「へ?」
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